MAYA from West End

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EverydayTalk

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中国再訪

6月の頭から2週間、上海、蘇州、北京、香港を回る旅に出ていた。
私にとって、8年振りの中国。街も、人も、会話の中で使われている単語さえ大きく変わり、まるで田舎から出て来た人のように、細かいことにいちいち驚いていた。
旅から帰って来て、もう、「また行きたい」と思っている。この旅で知り合った人たちと再び会いたい。中国や香港の空気に触れていたい。中国語をもっと喋りたい!
自分でも不思議なくらい強く、中国に執着している。たぶん遠い昔の先祖が倭冦だったとかそんな理由で、DNAに中国への記憶があるのではないか? そんなことを想像してみたりもする。

8年前、中国に行ったときも、人生の変わり目の時期だった。今回も、勤めていた広告代理店を辞め、自分が本当にしたいことを人生の中心に据える、その出発点で再び中国と会うことが出来た。
きっと、また行くだろう。そう確信している。これからの人生の中で、何度も、何度でも、必ずまた中国を訪れるだろう。自分でも不思議なくらい強く、激しい思い。理由なく惹きつけられる何か。それを正直に追いかけ続ける人生は、最高に幸せなものだと思うから。

     *

ところで、下の写真は、おなじみの上海のテレビ塔。私は、世界で最も醜い建造物の一つではないかと思っている。
けれど、残念ながら、この塔は現在の中国の象徴でもある。偉大な過去の歴史から一転、諸外国から蹂躙され、共産主義下で混迷の一途をたどった現代中国。今、途方もない力で、負の歴史も、未来への希望も、東洋的なものも西洋的なものも善きものも悪しきものも、全てを呑み込んで大きく変化しようとしている。その姿は、このように奇妙で、気恥ずかしく、けばけばしいものになるのではないか。
いつか、この塔が壊され、新世代の中国人建築家の手で、美しく、力強い、新しい塔が建つ日。その日を私は夢見ている。




July 7, 2007 16:56
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