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季節はいつもゆっくりとうつろっていて、変わり目がいつかははっきりしないものだけれど、私にとって、今年の夏は、8月の半ば、滞在していた中国の空港を飛行機が離陸してゆく瞬間に終わった。
東京の私の友だち皆が好きな歌があって、その歌詞は、「Summer never ends. . .まだ寝ません」と歌う。けれど、時には完璧に美しく終わる夏があるのだと、その日、窓の向こうに遠ざかってゆく中国を見ながら思った。
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‥完璧な夏が終わってしまった後で、これから始まる新しい季節を、私はどう過ごすのだろう?考えてみれば人生はいつも、明日のことすらよく分からないはずのものなのに、今年の秋は特に全てが、ひどく曖昧に見える。
*写真の人形は、大好きな中国のファッションブランド“上海灘”の北京空港店で、搭乗直前に買ったもの。