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昨日の投稿でご紹介した、雪さらしを経て30年振りに復活した麻きもの。
今日は、その実際の着用の様子を。
布がいかによみがえったのかを、より実感をともなって見て頂けるのではないかと思う。
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出かけた先は、これまでにも何度かご紹介した三鷹の雑貨店「かわせみや」さん。
ご家族経営のこのお店のお母様は、内田宗玉の宗名を持つ裏千家教授でいらっしゃり、毎月、テーブル茶道のワークショップを開催されている。
私は、以前はお茶をかなり熱心に学んでいたものの、子宮体がんを患い下腹部のリンパ節を摘出したことにより、ドクターストップで「正座禁止」になってしまった(注*20分ほどの短時間ならOK)。
残念ながらお茶はあきらめるしかないのだけれど、久々にその気分を味わいたくなって、こちらのワークショップに参加することにした。テーブル茶道だから、正座しなくても良いのである!
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そのワークショップでは、二人一組で茶箱点前を行い、ペアのお相手に交互にお茶を点てた。
4枚目写真の通り、内田先生のお道具組がとてもしゃれていて、もう、それだけで楽しい(6年ぶりにさばいたため袱紗がぐちゃっとしているのはお目こぼしください)。
すいかを象った主菓子は、神楽坂「梅花亭」製。皮の縞模様、種、身の赤色のグラデーションまで、超絶技巧の意匠が素晴らしかった。
ご一緒した皆さんは、まったくの初心者の方もいれば常連さんもいて、和気藹々と。久し振りにお茶の空気に触れられて幸せな時間だった(下の写真は、内田先生と)。
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そして、きものを、皆さんにとても褒めて頂けた。
「全体に茶色のシミだらけだったんですよ」
と言うと驚かれ、実は、若干、上半身の左前身頃が右より茶色味が強いのだけれど、その左右差も「まったく分からない」「どこがですか?」と首をかしげられたほど。
確かにこうして写真で見ても、まったく分からない。
この左右差は、おそらくたたみ方などによって左身頃の側に汗がより強く残ったために生まれたと推測しているのだけれど、真昼の太陽光のような、最高度に明るい光を・均等に当てると、やはり視認出来る。逆に言えば、そのような強い光の下に行かない限り分からない。
それでも、この対策として、現在は一般的な白の麻襦袢を着ているところを、来年までにベージュ味の強い麻襦袢を作って着用しようと思っている。
下の色が濃くなれば、左右差はほぼ完全に消せるのではないか。きもの狂の知恵である。
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合わせた帯は、渡文の手織り真綿紗八寸帯。
証紙には岸本スミエさんという織り手の名前が書かれている。岸本さんがもしもこのポストを見て下されば嬉しいのだけれど。
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帯締めは、道明の練り色の冠組。帯揚げには白の麻絽‥‥を入れているのに角度が悪く写っていなかった‥‥すみません。
*
こうして実際に雪さらし後のきものを着用して、つくづくその力を実感した。
雪さらしに出す前は全体に布の質感がぺたっとくたびれていたのに、今ではパリッとして、色も白く明るくなっている。
単にシミを取るだけではなく、布全体がよみがえったことを感じる。
これと同じことを化学薬品で行おうとしたら、おそらくシミの部分が真っ白になり、同時に周囲の絣の色も抜けてしまうだろう。そして布全体もぱりっとするどころか、薬に負けてへたってしまう可能性が高い。
私たちは21世紀の自分たちが最も高い技術を持っていると思いがちだけれど、昔の技術の方が優れていることも多いのだと思い知らされる。しかもまったく地球を汚さないのだから!
*
昨日のポストから、既に二人の方が手持ちの麻きものを雪さらしに出したいと具体的な質問をくださった。
やまだ織の場合、例年11月終わり頃から受け付けを開始する。新潟産のものだけではなく、沖縄系の麻でも近江の麻でも受け付けてくれるので、もしも染みがあるものの捨てられずにとって置いていた、などという麻きものをお持ちの方は、ぜひ今年、雪さらしを利用してほしい。
麻、もう少し専門的に言うと苧麻(ちょま)は、おそらく日本人が最も古くから――新石器時代から、まとって来た布。さらりと冷たく、特に温暖化の今、ぐるりと歴史を一周して最も着心地の良い布だと思う。
ああ、苧麻のことを語り出すと止まらなくなる。今、私は苧麻に恋している。