西端真矢

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お茶会二日間の着物 2011/05/23



五月の連休に、通っているお茶教室のお茶会がありました。駒場公園の中にある旧前田侯爵邸での開催。私は、一日目は水屋など裏方のお仕事。二日目にお点前をしました。
二日間の着物をどうするか??
この楽し過ぎる悩みに毎日頭を巡らせた結果を、じゃーん今日の日記にてご紹介したいと思います!

一日目の着物はこちら↓
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淡い朱鷺色(=ピンク色)のぼかしの色無地に、黒の刺繍帯を合わせました。
ぼかしの着物は、じゃじゃーん昨年末に自分で買ったもの。ピンク、淡い紫、淡いグレーが横段ににじみ合いながら混ざっている、やさしい印象の色無地です。店主のご病気のため今は閉店してしまったのですが、吉祥寺にあった知る人ぞ知る小粋な呉服屋さんで買い求めました。

帯は、祖母から譲り受けた、黒地に花笠が刺繍された逸品。おそらく大正時代のものと思われる、華やかで、当時の見事な刺繍技術が見ものの一本です。たくさんの方に「素敵な帯!!!」と褒めて頂いて鼻高々。薄紫色の帯揚げに、淡いピンク色の道明の冠組みの帯締めを合わせました。
この日は、以前会社務めをしていた頃の友人・Iちゃんがお茶を頂きに来て下さったので、私も一緒に客として茶席に入りました。待合室に使っていた前田侯爵邸母屋の一室で、記念に撮った一枚です。

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二日目の着物はこちら↓
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この日は私もお茶を点て、五人の大切なお客様に差し上げることが出来ました。フォトグラファー仲間の関根健太郎さんも来て下さり、お点前の後に前田侯爵邸正門で撮影して頂いたのがこの写真です。プロフェッショナルに撮って頂いたので、まるで「美しいきもの」のグラビアのよう。これはもう一生の記念ですよね。ケンさん、ありがとう‥!

さて、そのお着物は、新緑の季節に合わせて萌黄色の付け下げを選びました。
これは、祖母が「マヤちゃんのために」と染めてくれた大切な大切な一枚。雲の地紋の綸子の上に鶴の型を置き、その鶴の中に季節の花や流水が更に細かく染め上げられているという文様。祖母の意図としては、日本の四季の中を鶴が飛んでいる‥というイメージだったのでないかと思います。
これは祖母最晩年の頃の作で、技術も円熟に達し、色の取り合わせも祖母の好みを全開にした素晴らしい一枚だと思います。そう、華やかでありながら、けばけばしくない。まさに“関東好み”の真骨頂ではないでしょうか。
(森田着物のようなシンプル過ぎる着物も苦手ですが、京都の着物は、私には時に派手過ぎてついて行けないものもあります)
着物のことなら何でも知っている、いつもの呉服屋さんの番頭さんにもこの写真を見て頂いたのですが、「この着物はすごいですね!」と褒めて頂きました。
おばあちゃん、本当にありがとう。ちゃんと晴れ舞台で着ましたからねー!きゃー!

そしてこの日の帯は、その我が家の“いつもの呉服屋さん”吉祥寺のふじやさんで母が昨年買い求めたものです。(早速貸してもらいました。ふふふ‥)
京都・西陣の名門織り元「加納幸」のもので、葡萄唐草文様を、銀糸や渋く光る紫の糸でシックに織り出しています。合わない着物はないのではないかと思うくらい、どんな着物にも相性の良い一本。これからもガンガン着なければ‥(借りなければ)。

帯揚げは、源氏香を織り出したベージュ色の一枚を。帯締めは前日と同じ薄いピンク色の道明です。
更に、写真をじっと見て頂くと分かると思うのですが、着物の余り布があったので、揃いの数寄屋袋も作ってみました(手に持っています)。まさに着倒れバカ一代の面目躍如。あー楽しかった。

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肝心のお点前は、二か所わりと大きな間違いをしてしまい、やっぱりまだまだだまだまだまだまだまだまだ(永遠リピート)であることを実感。完全に衣裳負けしていた二日間だったと我ながら思うのですが、祖母、いや曾祖母の代からの着道楽の血を色濃く受け継いでいる私ですので、何ともう、今から来年のお茶会の着物計画を練り始めています。ふ、ふ、ふ‥(←バカ)

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でも、本当に、お茶を始めて良かった。
お茶自体がとても楽しいし、学ぶことが多く、自分の精神‥何と言うか、“ものの見方”に徐々にその良い影響が出始めて来ていることを感じます。
先生、そして先生の奥さまは私の目標であり憧れ。更に社中の皆さんが本当に素敵な人ばかりで、水屋仕事であれこれ準備に働いていると、今やフリーランスで団体行動が少なくなってしまった私は「チームプレーの醍醐味~」と会社員時代を思い出して、一人張り切ってしまうのでした。

そんな風にして過ぎた二日間。来年は着物だけではなくもっと良いお点前が出来るよう、日々の稽古に精進しようと思います。

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外国語で文章を書くということ 2011/05/17



このところ、中国語で原稿を書く仕事が立て続けに二本入り、頭を中国語脳にして毎日を過ごしている。外国語で文章を書くという行為は母国語で書くこととは全く違った体験で、時間は倍くらいかかってしまうし基本的には苦しい体験であることに間違いないのだけれど、でも、独特の面白さもある。今日の日記ではそんなあれこれについて書いてみようと思う。

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まず、今回私のところに来た二本の原稿は、一本は中国語で書いた文章がそのまま掲載されるもの。もう一本は、日本語の文章がメインで掲載されて、その下に自ら中国語の訳を付けるというもの。どちらも読者は華人=中国・台湾・香港の人々だ。
このような依頼を受けて(しかも締切日が同じ!)、私は次のように仕事を進めることを決めた。中国語で原稿が掲載されるものは、中国語で書く。日本語原文が掲載されるものは、日本語で書く。絶対にこのような進め方をしなければならない、と。

マーシャル・マクルーハンはかつて「メディアはメッセージである」という重要な定義を提出したが、私は、言語についても或る程度同じことが言えるのではないかと思う。「言葉なんて、通訳すれば意味が伝わるでしょ」と考える人は、おそらく言葉についてあまりにも楽観的過ぎる。何語でもいい、外国語を深めれば深めるほど、「どうしても伝わらない」小さな領域がどこかに確実に残っていることを意識せざるを得なくなって来る。そしてその伝わらない領域を何としてでも伝えようとすれば、どうしても、元の原文が持っている言葉の選び方の妙やリズム、或いは時には元の言語で選ばれていた単語そのものを抹殺せざるを得なくなる。これが、翻訳や通訳というものにつきものの苦しさや苛立たしさの真実の姿ではないだろうか。

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例えば、どなたかからお礼状を頂いたときに、季節の花が美しく刷られた便せんに手書きで書かれたものとメールで頂くものでは、そこに含まれている意味は大きく違って来る。もちろん、「ありがとうございました」というお礼の気持ち、相手が感謝して下さっているという事実は同じように伝わって来る。
けれど、季節にふさわしい花を選ぶ教養、手書きするだけの時間を私のためにさいてくれたこと、あるいはそれだけの時間をさく余裕が先方の生活にあること‥それら全てが総合されて、手書きの礼状からは、非常に深い感謝の念を先方が抱いていることがメッセージとして伝わって来る。或いは先方はこのような方法で、並はずれた感謝の念が自分にあることを私に伝えているのかも知れない。更に別の見方をすれば、自分に教養があることを暗に伝えようとしているのかも知れない‥‥。
これと同じだけの重みを持った「特別な感謝の念」をメールでの礼状で伝えようとすれば、文中に季節の花への言及や、特に麗々しい感謝の辞が必要となって来る。或いは、現在どうしようもなく非常に忙しくてメールにて失礼せざるを得ない、という一言を別に書き加えなければいけないのかも知れない。メディアはメッセージであり、メディアの選択によって伝えることの意味は重みや軽さを帯びて来てしまうのだ。

だからこそ、言語の選択は非常に重要だ。中国語で文章を掲載したいと言われたときは、どんなにつらくても必ず中国語で書かなければならない。書く内容が非常に複雑で難しい!だから大体の字数を換算してまずは日本語で書いて、それを自分で中国語に翻訳すればいい‥そんなプロセスを取っては絶対にいけない。日本語から中国語に訳す時点で、所期の思いが必ず1割から2割、失われる、或いは薄まってしまうからだ。
逆に、今回のもう一本の仕事――これは香港の或るアート雑誌からの依頼だったのだけれど――その雑誌の特別エディション「日本特集号」への執筆だということもあり、そこに「日本人が書いた日本語の文章がある」ことが重要だ、というのが編集側の強い意図だった。もちろん、大部分の華人は日本語を理解することは出来ないけれど、そのためにこそ、中国語の翻訳を付ける。翻訳はあくまで付随物だ、というのが彼らの認識だった。
こういう場合、日本語の文章が強固な美を持っていることが何よりも重要だ。だから、こちらの仕事は迷わずに日本語で書くことに決めた。たとえ読者は華人であっても、日本語が美しくなければこの仕事は失敗に終わってしまう。
言語というものが持つ生々しさを少しでも感じて頂けただろうか?

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さて、実際に中国語で原稿を書き始めると、とてつもない呻吟の日々が待っていた。もちろん、これまでにも中国語の文章を書いたことは数限りなくある。でもそのほとんどはメールで、正確無比な文法や、文体の美は問われない。近所の裏山に登るのと富士山を踏破するくらいの違いがあったと言えるだろう。

まず、頭を中国語の脳に切り替えるために、執筆開始の3週間ほど前から、中国や台湾の雑誌を毎日1時間ずつ読むことにした。途中まで読んでいた日本語の小説も一旦途中であきらめ、代わりに、中国語の本やブログを読むことにした。私は特に中国本土の若手作家・韓寒(ハン・ハン)の文体が好きなので彼のブログを過去にさかのぼって大量に読んだり、これも文体がわりと好みの台湾の作家、三毛(サン・マオ)の紀行エッセイを読んだりした。プロのランナーが試合前に準備体操を怠らないように、脳にも準備体操の時間が必要なのだ。

このようにして実際の原稿に取り組み始めたものの、その苦しさは想像以上だった。特に書き出しは、たとえ日本語であってもいつも苦労するものだけれど、今回はほぼ一日中PCの前に座って、7時間かけてもたったの2行半しか書くことが出来なかった。更にその2行半を翌日に全部捨てて、やっと原稿が動き始めたのだ。締め切りまで3日しかないというのに‥。とてつもない苦しいスタートだった。

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更に原稿を書き進めて行くと、ほぼ一センテンスに一個ずつの割合で、「語法や単語の実際での使い方を確認する」というプロセスが必要になることが分かった。自分が今選んだこの言い回し、これを文中で使いたいけれど、本当に今回のこの意味を表すために使って良いものなのか?その確認が一々必要であるように思えのだ。
たとえば日本語で、「横道にそれる」という表現がある。
これは、大体悪い意味を表すときに使い、良い行為を成し遂げるために敢えて違う方法を採ったときには、ほとんどこの言い方は用いない。我々日本人は子どもの頃から何回も会話や文章の中で「横道にそれる」の使われ方を繰り返し目に耳にしてごく自然にそれを習得しているけれど、外国人が後から日本語を学んだ場合、このような微妙な差異を自分のものにすることは非常に難しい。だから、良い文脈の中で「横道にそれる」を使い、それを聞いた日本人は何となく違和感を覚えることになる。
‥このようなことが、私が中国語の文章を書くときにも頻繁に起こると考えられた。もちろん、メールや日常会話の中で使うだけならちょっとした違和感など全く問題にならない。けれど正式な媒体に載るとなったら話は別だ。もちろん、原稿は中国人編集者がチェックしてくれるのだけれど、それでも、プロとして私の方で出来る全ての努力はしておかなければならない。そこでこんな方法を考え出した。
「横道にそれる」なら「横道にそれる」。
自分が使いたい言い回しを、そのまま中国雅虎(yahoo)で検索にかけてみるのだ。すると、その語を含んだサイト記事やブログ記事が大量に画面の上に現れ出る。それをざっとチェックすれば、「ああ、この言い方はしないんだな」「良い文脈では使わないんだな」「主に二重否定の言い回しとセットで使うんだ」「必ず***の語で受けるんだ」「未来形でしか使わないんだ」など、実際にその語、その言い回しがどのように使われているかを分析することが出来るのだ。
これは正にインターネット時代の大きな恩恵で、少し前の時代の人がこんなことをしようと思ったら、図書館に何十時間も籠もらなければならなかっただろう。しかし、一々こうやって語法を確認していると原稿執筆にはやはり莫大な時間がかかる。けれどこのプロセスは絶対に外せない。かくして私は先週を通して机の前に張りつけになったのだった。

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しかし、中国語で文章を書いていると、他の言語では味わえない特別な面白さも体験することにもなった。それは、「知らないはずの単語が突然頭に浮かんで来る」という魔法のような現象だ。
実はこの体験は、これまでも中国語を喋っているときに時々起こることがあった。例えば「増高」という単語がある。これは中国語で、温度や金額などが「増える」と言いたいときに使う動詞で、日本語には全く存在しない言葉であることは言う間でもない。だから自分で勉強して覚えない限り、この単語を使うことは不可能なはずだ。
ところが中国語を喋ったり書いたりしていると、「増える」と表現したいときに、突然この単語が頭に浮かんで来ることがある。そしてそのままままよと使ってみると、何事もなくちゃーんと意味が通じているのだ。後から辞書を引いてみると、正しい中国語じゃない!私、一体どこでこの言葉を覚えたんだろう?まるで怪奇現象のようなビックリ体験としか言いようがない経験だ。
実はこれは、漢字を使う国で育った者の特権なのだと思う。幼い頃から漢字になじんだ上で更に中国語を勉強して日常的に使うようになると、習っていなくても、漢字同士を組み合わせて中国語風の単語を脳が自動的に創作してくれるようになるのだ。そしてそれが結構当たっているという、この素晴らしい不思議現象!

おそらくヨーロッパ言語圏に生まれ育った人も、このような現象を体験するのではないだろうか。
例えば「approximate」、推測する、というこの単語。日本人がこの単語を脳の中で一から編み出すことは不可能だけれど、approximateは接頭語apとproに、ギリシャ語起源か何かのximateを合体させて出来上がった語であり(たぶん‥)、このような操作を、例えばフランス人が英語を習うときには、どこかの時点で自動的に脳内で行えるようになるのではないだろうか。
日本、中国、韓国。
古代から漢字という同じ文字を共有して来たこの三国は、その漢字を通して、比較的自由に脳内の越境を行うことが出来る。その楽しさを改めて実感させられた今回の原稿執筆作業だった。何しろ作業の後半になればなるほど魔法のように次々と新しい単語が頭に浮かんで来て、辞書で引くとその語がちゃーんと掲載されているのだ。これはちょっと他にない楽しい体験だった。

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かくして何とか原稿は締め切り内に書き上がり、現在、中国人編集者のチェックを受けている。香港の方の原稿は日本語で書き、本当は中国語への翻訳も自分でやるはずだったのだが、もう一方の仕事にあまりにも悪戦苦闘して時間が足りなくなったため、チャリティー目的のノーギャラ原稿であることもあり、訳は翻訳者に任せることにした。現在香港人の翻訳者が奮闘してくれている最中で、その語を一言一句、私が厳しく精査することになる。

日本、中国。
好むと好まざるに関わらず、これからの日本人が中国から目をそらして生きて行くことは出来ないだろう。
その時代の流れをまさにリアルに反映するように、ここのところ、この他にも中国関連の仕事に声を掛けて頂いている。損得など何も考えずにただ本能のおもむくまま、15年前、中国文化に興味を持った私は、文字通り最初の一歩、「一、二、三」=「イー、アー、サン」の読み方から中国語の勉強を始めた。これからも本能のおもむくままに、この言語との旅を続けて行くことになるだろう。


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取材旅行で大分へ 2011/05/08



このところ私の人生の一大イベントだったお茶会を無事に終え、息つく間もなく翌5日には一転、ネオ茶道「給湯流」のお茶会撮影の仕事が。そしてさらに息つく間もなく6日から昨日7日まで、大分へ雑誌の取材旅行に行って来ました。
めまぐるし過ぎる毎日。実は5日にはあまりの多忙に腸の辺りが刺すように痛み出し、大事な取材前、用心のために救急病院へ駆け込むという一幕もありました。幸い「過労による神経性のものだろう」ということで、お薬を頂いて一安心。落ち着いた気持ちで取材旅行へ出かけることが出来ました。

その取材旅行、発売前なので詳細は一切書けませんが、写真と文章の両方を担当するという過酷な内容でした。自分の全能力を使ってインタビューと撮影を終え、帰京後の今日からは原稿書きと写真セレクトにフル回転することになります。
実はこれから、更に別の書籍仕事の企画も詰めなければいけないし、更に更に香港の雑誌から文章仕事の依頼も来ているので、何が何だか、毎日がまたもや大変なことになって来ました。お茶会の写真はまた別日にアップしたいと思いますので、しばしお待ちくださいませー。

             ☆

さて、今日の日記では、過酷だった大分取材旅行の“お楽しみ部分”をアップしたいと思います。
今回の取材場所は大分県の中でも、別府温泉の近辺。仕事の後は温泉につかったり、美味しいお料理に舌鼓を打ったりと、楽しいこともたくさんあったのでした。実は今回の編集者は高校時代からの友人。つまり、取材が終われば女友だちと旅行しているのと同じ状態になる訳です。心許せる友人ととても楽しい時間を過ごせるという、大きなおまけ付きの取材旅行だったのでした。

下の写真は、今回宿泊したホテルの部屋から見えた風景。
別府の「うみねホテル」という素敵なプチホテルに滞在しました。
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実はこのホテルの宿泊料は、取材旅行の予算からは大幅オーバーすると事前に分かっていたのですが、差額分は自腹を切ってわざわざ宿泊することにしました。それもこれも、とても良いホテルだという評判を聞いていたため。その期待は裏切られることなく、行き届いたサービスと和風モダンのインテリアを楽しむことが出来ました。
例えばうみねホテルの豪華過ぎる朝食はこちら↓
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部屋には全室源泉かけ流しの温泉が付いているこのうみねホテル。別府に行かれたときはゼヒ宿泊してみて下さい。
http://www.umine.jp/guest/index.php
                 ☆

もちろん、楽しんだのはホテルだけではなく、取材の後は別府の街を散策。町中にある温泉につかったり、日本有数の温泉地ならではの「地獄めぐり」観光もして来ました。
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↑上の写真はその「地獄」の一つ。地下から湧き上がるマグマと粘土質の土が、不気味な灰色の坊主禿げ頭のような形にぽこぽこと噴き出す「鬼石坊主地獄」の様子です。こういうものをじっと見ていると、311を経た今、地球のエネルギーのすさまじさをひしひしと感じるばかり。空恐ろしくなったりもしていました。
そして、別府の街はどこを掘ってもすぐ温泉が出るということで、何と、普通に歩いていると道の片隅に、地熱に温められて蒸気が噴き出している場所があったりします(下の写真↓)。
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その分、この街の温泉はどこも温度が高く、心底体が温まり肌もつるつるになる素晴らしい泉質。重度の肩こりまでなくなってしまったのが驚きです。ご飯もとても美味しく、いい街だな~と感激した別府。またゼヒ行ってみたいと思います。

さてさて、これから、この取材旅行の原稿書きと写真セレクト作業に没頭します!

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茶道病 2011/05/02



茶道を始めて一年。
看板取りを目指す正式な入門ではなく勉強会で習っているため‥ということもあり、図々しくも連休中のお茶会で点前をすることになった。

この二週間ほどは、毎日一時間は必ず家で稽古。その他にも、先生のお宅やお稽古仲間の家で特訓稽古に励み、また、着物好きとしては二日間のお茶会で何を着るか?という楽し過ぎる悩みで頭がぐるぐるぐるぐる知恵熱が出るほど回り続ける‥そんな、茶道のことで脳の容量がいっぱいいっぱいの状態は生活のあれこれに影響し始め、ついに茶道病という病気にかかってしまった‥ような状態に。

例えば、電車に乗って、一つだけ空いている席を見つけそこへ座るとき、席の前でまず妙におごそかに立ち止まっておもむろに体を回し、しずしずと空き空間にお尻を入れて行く‥とまるで茶道の「席入り」のようになってしまったり、家で歩くときもすすすすすっと何故かすり足で歩いていたり、フォークやスプーンを洗ってちょっとキッチン台に置くときに、まるでお点前で茶杓を置くときのようにそっと馬鹿丁寧に置いていたり。
更に歯磨きの後歯ブラシをコップに戻すときまで同じく茶杓の要領で妙に丁寧に戻そうとしたり、母から「これ」と渡されたものを「まず右手で取って、そして左手で受けて、また右手で‥」とやけに恭しく受け取りそうになったり。
‥もう、完全に茶道病。滑稽以外の何ものでもない訳だけれど、まあ、どんなことでもやると決めたからには一生懸命やらなければ本当の面白さは分からないのだから良しとしよう。

         *

それにしても思うのは、茶道は、フィギュアスケートのSP=規定演技にそっくりだということ。
ここで何をする、次に何をする、そして次は何をする‥ということが全部決められていて、それをいかに人様から見て美しく行うことが出来るか、に命を賭ける。
もっとすぐれた人であれば、美しさと同時にどう自分の個性を出すか、に勝負を賭けて行くのだろうけれど、私はまだそんな高みまでは到底到達出来そうにない‥と言うより、たぶん一生無理だろうと早々と白旗を上げてしまう。それほどに茶道は深く難しい。

それでも、茶道は日本の美意識の集合体のような一つの事象であり、それを少しでも自分の体で味わえるようになったことが、素直に嬉しいと思う。
明日は水屋仕事、明後日がお点前。
今、大きな仕事が動いていて「編集者の方々の期待にこたえなければ!」という強いプレッシャーの下に実はあるのだけれど、この二日間は茶道に没頭して過ごそうと思う。

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