西端真矢

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茶道病 2011/05/02



茶道を始めて一年。
看板取りを目指す正式な入門ではなく勉強会で習っているため‥ということもあり、図々しくも連休中のお茶会で点前をすることになった。

この二週間ほどは、毎日一時間は必ず家で稽古。その他にも、先生のお宅やお稽古仲間の家で特訓稽古に励み、また、着物好きとしては二日間のお茶会で何を着るか?という楽し過ぎる悩みで頭がぐるぐるぐるぐる知恵熱が出るほど回り続ける‥そんな、茶道のことで脳の容量がいっぱいいっぱいの状態は生活のあれこれに影響し始め、ついに茶道病という病気にかかってしまった‥ような状態に。

例えば、電車に乗って、一つだけ空いている席を見つけそこへ座るとき、席の前でまず妙におごそかに立ち止まっておもむろに体を回し、しずしずと空き空間にお尻を入れて行く‥とまるで茶道の「席入り」のようになってしまったり、家で歩くときもすすすすすっと何故かすり足で歩いていたり、フォークやスプーンを洗ってちょっとキッチン台に置くときに、まるでお点前で茶杓を置くときのようにそっと馬鹿丁寧に置いていたり。
更に歯磨きの後歯ブラシをコップに戻すときまで同じく茶杓の要領で妙に丁寧に戻そうとしたり、母から「これ」と渡されたものを「まず右手で取って、そして左手で受けて、また右手で‥」とやけに恭しく受け取りそうになったり。
‥もう、完全に茶道病。滑稽以外の何ものでもない訳だけれど、まあ、どんなことでもやると決めたからには一生懸命やらなければ本当の面白さは分からないのだから良しとしよう。

         *

それにしても思うのは、茶道は、フィギュアスケートのSP=規定演技にそっくりだということ。
ここで何をする、次に何をする、そして次は何をする‥ということが全部決められていて、それをいかに人様から見て美しく行うことが出来るか、に命を賭ける。
もっとすぐれた人であれば、美しさと同時にどう自分の個性を出すか、に勝負を賭けて行くのだろうけれど、私はまだそんな高みまでは到底到達出来そうにない‥と言うより、たぶん一生無理だろうと早々と白旗を上げてしまう。それほどに茶道は深く難しい。

それでも、茶道は日本の美意識の集合体のような一つの事象であり、それを少しでも自分の体で味わえるようになったことが、素直に嬉しいと思う。
明日は水屋仕事、明後日がお点前。
今、大きな仕事が動いていて「編集者の方々の期待にこたえなければ!」という強いプレッシャーの下に実はあるのだけれど、この二日間は茶道に没頭して過ごそうと思う。

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