西端真矢

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中尊寺について書いた紀行エッセイ、雑誌掲載 2012/01/18



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お仕事ご報告の日記です。
昨秋、岩手県平泉市・中尊寺を訪ねて書いたエッセイがJAL機内誌『SKYWARD』国際版1月号に掲載されています。
JALで旅される方、良かったらページをめくって頂けたらと思います。
  
        *

このお仕事の裏側を少し書きますと‥、歴女ではあるものの東北史、そして奥州藤原氏史には詳しくなかった私はこれを機に猛勉強。入間田宜夫先生、高橋富雄先生、斎藤利夫先生などの著作を読破し、すっかり古代東北史に魅せられてしまいました。
その魅力の理由は、これまで「ど田舎の地方史」とないがしろにされて来たが故に、新発見が多く、まるで推理小説の謎を解くように「東北の地の古代のあり方」が垣間見えて来るところにあるのだと思います。
現在も東北は日本の米どころですが、古代においても同様。それに加えて豊かな山、海、川の幸。鉄や金鉱、名馬の産地でもあり、文明のない「野蛮な蝦夷地」という見方は、肥沃な東北の地を狙って度々侵略を繰り返した中央朝廷側の「戦略的蔑視」だったことがだんだんと分かって来ています。
その東北の地に、父・母・妻・子を失うなど、幾多の悲劇と危機を乗り越えた後、覇者として君臨した藤原清衡。彼は朝廷側にぶざまに屈することもなく、かと言って表立って反抗してわざわざ戦乱を呼び込むこともせず、実に知的に政治力を駆使して、東北を実質上の独立王国に仕立て上げたのでした。この知将っぷりに私は心から敬服してしまったのです。

平泉の地を歩くと、まだここにも、ここにも、ここにもきっと歴史的遺産が埋まっているに違いないと思わされる「史跡の予感」をそこここに感じます。実際、藤原氏の宮殿があった柳之御所すら、発掘は完全に終わっていないのです。
今回、諸事情で編集者とフォトグラファーは先乗りで取材に向かい、私は一人で平泉を回りましたが、町の中で私と同じように、一人、歴史の跡、そう「兵どもが夢の跡」にじっとたたずむ歴男・歴女を見かけました。
世の趨勢に抵抗し、やがて勝ち抜き、そして百年の栄華の後に滅びて行った東北の覇者・奥州藤原氏の町は、一人しみじみ歩くのに最もふさわしい町なのかも知れません。

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大好きな梅の小紋、今年は帯締めを換えて 2012/01/11



お着物愛好家の皆様、新年明けましておめでとうございます。
今年もたくさん着物を着て行きますので、どうぞ時々このブログを覗きに来て頂けますようよろしくお願い申し上げます!

そう言えば先日、写真の仕事で現場に入ったときにこんなことがありました。当日、カメラを構えて準備をしていると、部屋に撮影対象者の方々が入って来られました。中に知人が二人がいたのですが私に気づいていないようなので、軽く手を振ると、
「え、マヤさん?」
「着物じゃないから全然分からなかった」
「ねー」
と言われ、これが何だかちょっと嬉しかった私です。そう言えばこのお二人とは、着物でしか会ったことがありません。仕事の都合で毎日とは行かないのが残念ですが、今年も週2~4回は着物を着たいと思っていますので、ブログも応援よろしくお願い致します!

          *

さてさて、新年初のお出かけは、上野の東京国立博物館へ。中国の国宝中の国宝であり、中国ですらほとんど公開されることのない『清明上河図』がやって来ると言うので、絶対見なければ!!と駆けつけました。
…結果、2時間半も行列に並ぶことになりましたが、でも、現在では3時間半という日もあるそうですし、私の中国人の友人は上海で出たときに5時間近く並んで見たそうですから、2時間半ならまだ良い方だったと思います。
私は日本の古美術が大好きな人間ですが、日本美術好きこそ、この展覧会には足を運んだ方が良いように思います。日本美術に中国からの影響があるのは自明のこと。日本人は中国の何を取り入れ、何を選ばず、何を独自に切り開いたのか、それを理解することで、日本人の美意識とは何かを本当に考えることが出来ると思うのです。
この展覧会、『清明上河図』を見なければ待ち時間ゼロで回ることが出来ます。『清明上河図』以外にも素晴らしい作品がたくさん出ていますから、ゼヒ足を運んでみてください。もちろん、出来れば、本・お茶など携えた上、列に並び、『清明上河図』もゼヒ!

          *

さてさて、この日のお着物はこちら↓

*祖母が染めた梅鉢文様の小紋です。この着物があまりにも好きで、大学時代から数えたら一体何回着ているのか…痛快で明るいけれどちっとも騒がしくない絶妙な色の取り合わせ。我が祖母ながら天晴れな作品です。
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*このブログをよく見に来て下さっている方は、これまでに何回かこの梅鉢小紋の着こなしをご覧頂いていたと思います。今年は昨年と同じく、紅花染めの、その紅の色が薄っすらと乗った生成りの帯を締めてみたのですが、帯締めだけは変えてみました。比較写真をご覧ください↓
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*上が昨年。下が今年の取り合わせです。
昨年は青の帯締めでちょっと色が着物とばっちり合い過ぎていて「粋じゃない」と反省。縹色、緑、茶などの糸が複雑に組まれた一本に変えてみました。

*この帯締めは、昨年末、母の知人のお母様の遺品を頂いたもの。亡くなったお母様のお着物のサイズが小さく着られる人がいないということで、チビ痩せの私が大量のお着物、帯、帯揚げ、帯締め、草履、下駄、コートを頂いて来ました。これから折々ご紹介して行きます!

*冒頭の写真の後ろに写っている花は、華道「真生流」副家元・山根奈津子さんの作品です。
私は大学時代から6、7年(←昔のことで年数忘れました‥)真生流のお家元教室でお花を習い、その頃奈津子さんはまだ中学生で、晃華学園の上品なグレーの制服を着てバレー部の活動に熱心に取り組みながら、お花の稽古にも励んでいらっしゃいました。当時から、お喋りをすると「聡明な女の子だな」ということが感じられ、将来をとても楽しみにしていたのですが、立派にこんな大作を生けられていて感無量です。月日の過ぎるのは本当に速いですね。

ではでは皆様、本年もよろしくお願い申し上げます!

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2012年 私の抱負 2012/01/05



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皆様、新年明けましておめでとうございます。
昨年2011年、私は自分自身が納得の行く仕事を幾つか成し遂げることが出来、プライベートでも昔からの友だちとは変わらず仲良く、そして新しい素敵な出会いも幾つもあり、個人としてはとても充実した1年を過ごすことが出来ました。
しかし、それでもやはり、昨年1年は私にとって今まで生きて来た人生の中で、最もつらい1年だったと思います。それはひとえに、原発事故という恐怖と悲劇とを体験し、愛してやまないこの国の文化の根幹であるもの…そう、日本の美しい自然が汚されて行く姿を目の当たりにしなければならなかったからです。

新しい一年を迎え、恐らく日本に住むほとんど全ての方が、この国はこのままではいけない、この国を変えて行かなければならないと思われているのではないでしょうか。
しかし振り返って日本を取り巻く現状に目を向けてみれば、隣国北朝鮮はいつ暴発するか分からない爆弾のようなもの、ロシアと中国の軍事的脅威は日に日に増し、世界経済はいつ大恐慌へ突入するかも知れないという綱渡りを続けています。こんな中でどうやって国を立て直して行けば良いのか?それでも、原発事故が私たちに露呈したものは、戦後70年弱の歳月をかけて築き上げて来たこの社会の仕組みそのものの中に、事故を引き起こした原因があったということ、その残酷な真実だったのだと思います。

このような状況の中、一体日本に幾つの職業があるのか、幾つの地域グループがあるのか、それは私には分かりませんが、それぞれの人がそれぞれの持ち場の中で決して希望を捨てないこと。どんな小さな一歩でも良いから現状を変えようという意志を持ち、その小さな意志に沿ってに本当に自分の生活の一部を変えてしまうこと。大きなデモをしたり政治家に働きかけたりすることももちろん大切ですが、自分が実際にお金を稼ぐ場でその意志をどう表すのか、自分の生活圏の中でどう表すのか。その一つ一つの集積の中から、希望の道が立ち現れて来ると私は思うようになりました。何故ならば私たちが無意識にあきらめたり、無意識に自分を騙して受け入れて来たものの中にこそ、福島事故を引き起こした原因が存在していたからです。だから、逆にあきらめないこと、徹底的にこの残酷な現実を見つめ、小さくても具体的な行動に変えること、その中にこそ、希望もまた存在し続けると思うのです。

         *

…と、とても大きな範囲のことを書き綴りましたが、では、私個人が新しい1年をどう過ごして行くかということを考えたときに、上記の大きなパースペクティブを常に和ずれずに保ちながら、自分の一つ一つの仕事に落とし込んで行くこと…これに収斂して来るかと思います。
少し具体的なことを書きます。
まず、幸いにも昨年から私は中国語圏、英語圏の方々へ向け、日本文化の魅力を伝える媒体に発表の場を頂けており、今年も私が良い切り口さえ提案出来れば、引き続き機会は与えられることが分かっています。そのためには私自身が常に勉強を続け、日本文化への理解をいっそう深いものにして行かなければなりません。
そして、ただそれだけではなく、その中で得たものを、常に日常の中へと返すこと――例えば私が着物を着るようになったことで、周囲に着物教室に通い始めたり、通おうと考え始めた友人知人がどんどん増えて来た現実を目の当たりにすると、大きな媒体に打って出ることだけが大切なのではない。自分が愛するものを自分の生活の中に取り入れ、自然に呼吸することで、周囲の現実を変えて行くことが出来るのだということを学びました。
或る一つの理想、自分のファンタジーをただ机上のものとして扱う、或いは広告ポスターのように派手に祭り上げる…おそらくそれだけでは十分ではないと思うのです。自分の生活の中にそのファンタジーそのものを取り入れてしまうこと。今年もそんな毎日を続けて行きたいと思います。

私のファンタジー、それは今年も着物をめぐって行われ、また、もしもこの世に何か茶道の神様のようなものが存在しているのだとしたら、その神様に今は小指でも少し引っ張ってもらっているかなと思うくらい、不思議と昨年後半頃から次々と、茶道との縁が深まるような出来事が起こり続けています。この波の中に身を任せ…もちろん真面目に勉強と稽古を繰り返し…どこへたどり着いて行けるのか?自分でもこれから始まる新しい一年が楽しみでたまりません。
そう、もう一度まとめて言えば、着物と茶道、この二つの領域について、出来る限り貪欲に勉強し、実践すること。これが私の今年の目標の一つです。

また、初めて中国文化に興味を持ってから既に16年。両国間に何があっても中国への愛は家族への愛のように変わらない私にとって、もう一つのファンタジーは、やはり中国です。
私の今年の“中国夢”、それはズバリ、日中関係に関する本を出版したい、ということ。現在出版社との間に企画が進行中で、この本をゼヒとも今年中に世に送り出したいと思っています。
そして、今年は、中国・台湾・香港どこかの地域に最低1度か2度は渡航したいと思います。また、今までにも毎日40分ほどは中国語のブラッシュアップのために時間を使っていましたが、今年は更に文学的な読解能力を上げることにも力を振り向けて行くことが大きな目標です。良い中国語の文章を書こうと思うなら、その前にたくさんの良い中国語の文章を読んでいなければなりません。つまり、中国語の文学作品をもっともっと読むこと。ああ、時間はいくらあっても足りません…

            *

このように書くと“真面目な努力家”と誤解されてしまうかも知れませんが、実はすぐだらだら楽な方に流れがちな私は、こうして表に発表することでやっと自分に鞭を打つことが出来ます。
そう、もう一度ここに、声に出して読み上げるつもりで敢えて列挙して自分を叱咤激励すると、今年の私の目標は、
一、頭を振りしぼって着物(=染織史)の勉強をする
二、頭を振りしぼって素敵な着物のコーディネートを考え、
   週3~4回は自分が実際に着て人に会う
三、頭を振りしぼって茶道史の勉強をする
四、こつこつと真面目に茶道の稽古を行い、多くの茶会に出席する
五、日本史の本を読みあさる(古代から現代史まで)
六、中国語会話と中国語読書の勉強を日々休まずに実践する 
七、中国、台湾、香港のどこかに今年中に1回か2回は渡航する
八、日中関係論についての本を出す
九、一から八の全てを通じて考察したことを、随筆、創作文章作品、或いは写真作品として発表する

ああ、めまいがするほど高く険しい目標です。でも、1年365日この全てをきっちり実践するつもりです。何故ならこれら全ての行為は冒頭に書き記したこと、“日本を変えて行くための努力”の私なりの実践方法だからです。日本を変えて行くためには、自分たちの国土と国民性がどのようなものなのかを理解しなければなりません。そして日本の未来には中国が大きな関わりを持っています。一人の人間に出来ることにはおのずから限界があるけれど、でもその限界の中で、そう、私は私の守備範囲の中で、最大限の努力をしたいと思います。2012年が私にとっても、この日記を読んで下さったどなたにとっても、実り多きものとなりますように。

(冒頭の写真は、1月2日「故宮博物院展」を見に行った東京国立博物館にて)
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(中国語日記)年頭一個日本人的一個希望 2012/01/03



作為一個日本人、去年是我人生中最難過的一年。
我們日本人都在「地震國」出生的、所以、從小一直有將來有一天會遭遇大地震的心裡準備。可是核電站的爆發呢。。。
就這樣、去年受到最大的打擊的我們目前一步一步地走復興的路。可是路途還遙遠、我衷心希望我們「真正」能夠復興日本、我們的國家。
我這裡寫了「真正」這個說法有理由。就是因為這次事故後的九個月裡我們漸漸地理解了、事故的遠因就在我們從第二次世界大戰后建立的社會體制裡暗中存在。所以、我們現在應該修建的復興的路就是重新建立全面新的社會體制和新的社會思想。我不知道我們這個世代能夠做到這麼大的義務。可是除了全力以赴地模索之外沒有別的路。

在新的年頭我就這樣思考我國家目前面對的問題的同時、忽然間、也發覺到好像世界上的所有國家有它們固有的社會問題。希望這新的一年裡、在這個瞬間在這個世界上呼吸空氣的所有的不放棄希望的人都能夠保持前進的勇氣。真希望。

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