西端真矢

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伊勢丹会員誌にて、注目の職人さんを取材・執筆いたしました! 2013/12/30



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今年最後のお仕事ご報告です。

伊勢丹アイカードの顧客様向け会員誌「アイカード通信」2014年1・2特別号で、取材・執筆を致しました。
1月2日から伊勢丹新宿店1階ザ・ステージで始まるイベント「IKESHOKU展」に出展する作家さんと、その作品をご紹介するページです。

“IKESHOKU”とは、イケてる職人、のこと。
綿々と続く日本伝統工芸の技と美意識を受け継ぎながら、今、21世紀のこの世界を生きている現代感覚をも反映させた作品作りに挑戦する若手職人たちのことを、伊勢丹がこう命名しました。
今回、5人の職人と気鋭のスタイリスト・山口壮大さんがコラボレーションした作品が出展される中、特に、江戸時代から続く染色技法“江戸小紋染め”の染め師・廣瀬雄一さんの工房を訪ね、インタビューをさせて頂きました。

実は、廣瀬さんと会うのはこの時が初めてではありません。きものを頻繁に着るようになって1年くらい経った頃だったでしょうか、同じ伊勢丹の、その時は7階の呉服売り場で廣瀬さんが染めの実演をされているのにたまたま出くわしたことがありました。
そして、これもたまたまあまり他のお客様のいない時間帯だったため、私は「チャンス!」とばかり根掘り葉掘り染めについてあれこれお話を伺ってしまい、その一つ一つへの誠実なご対応に、「いつかこの人を取材出来たらいいな」、と思ったのでした。

今回、数年越しのその夢を実現することが出来、また、やはり伊勢丹さんは日本を代表する百貨店の一つだと思っているので、その大切な顧客様向けの雑誌で仕事をさせて頂くことが出来、感無量の思いです。

「IKESHOKU展」は、1月2日から7日まで。
江戸小紋染め・廣瀬雄一さんのストール
銀細工・松原智仁さん/岡部俊哉さん/岡部由美さんの帯留
博多織・木下勝弘さん(awai)の帯
型友禅・寺本幸司さんのきもの
草履職人・小川浩之さん(神田胡蝶)/泉さやかさん(菱屋カレンブロッソ)の草履

が出展。
伝統をしっかり表現していながら、現代そのものでもある。
そんな新しいきものと、きもの雑貨たちを、ゼヒご覧になってください!

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伯父の葬儀 2013/12/27



師走の曇り空の中、今日は朝から父方の伯父の密葬に参列していました。

我が家は、この伯父の父、つまり私の祖父が、大阪は河内松原の大庄屋だった封建的な家風を嫌い、また、学問への夢断ちがたく、密航同然でアメリカの大学へと渡ったところから新たな家族の歴史を始めました。
曽祖父が祖父の行動を許さず、勘当を申し渡したため、(随分後には和解したのですが)分家にならざるを得なかったのです。

          *

そんな祖父の信念により、我が家の宗旨は無宗教。
そのため、葬儀では読経や賛美歌などは一切なく、伯父の娘、つまり私の同い年の従妹が、伯父の人生をまとめた文章を披露して、また、伯父の息子、私にとっての“従兄のお兄ちゃん”が、伯父とはどういう人間だったのかについて、自身の見解を語る、という率直な語りが主の葬儀となりました。
そして、伯父の好きだった音楽を流し、参列者が献花。従兄は“音楽葬”と呼んでいましたが、ただ真率な心情だけが表れた、とても良い式だったと思います。

          *

亡くなった伯父は、一言でいえば、偏屈で、変わり者。
そのため、精進落としの食事の間は、そんな伯父の“偏屈ぶり”の思い出をみんなが次々と披露し、笑いが絶えないものになりました。

皇国少年として育ち、学徒出陣すると宣言して祖母を泣かせていた矢先、終戦を迎えた伯父。
戦後は一転、アメリカの大学で学び、アメリカの価値観を自分の信条とするように。古き良きアメリカの精神を愛するアメリカびいき、或いは、どこかアメリカかぶれ、いや、もしかしたら戦後日本を体現するような人物だったとも言えるのかも知れません。

それにしても、今日のような明るい葬儀というのも、とても良いものだと思います。
伯父はきっと、ちょっと苦笑いをしながら、自分でも自覚していた“面倒くさい人間”である自分の横を、根っからの楽天的な性格ですたすた歩きながら2年前にがんで急死した伯母とともに、大好きなアメリカと、子や孫たちのいる日本の空の上を行ったり来たり飛び回っているのではないかと思います。
「やれやれやっと本当に自由になれたよ」
と、ちょっと肩をすくめて笑いながら。
そんなことを思った冬の日の葬儀でした。

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秋のきもの日記~~その三 場所に合わせて、お出かけスタイル三つ 2013/12/09



昨日・一昨日に引き続き、この秋のきもののコーディネート日記、今日は、三つお届け致します!
まず一スタイル目は、秋の始まり、10月の茶会に着たきものです。
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おきものは、藤色地に、松のシルエットを絞りで抜いた文様がかわいらしい、付け下げ。松はところどころ金糸の刺繍でも表現しています。
このおきものに、帯は、精緻な蘇州刺繍で正倉院華紋を表した茶色地の袋帯を合わせました。ほぼどんなお着物にも合うすぐれものの袋帯です。
一昨日の日記でもご紹介していますので良かったらご覧くださいませ。

この日は友人二人と、明治神宮の茶室で開かれた小川流煎茶道の茶会に参加しました。
私は抹茶の茶道は習っていますが、煎茶はこの日が生まれて初めて。本部主催の茶会ということで、京都からいらした若宗匠が煎茶道の成り立ちやお道具について丁寧にご説明下さり、そして始めて頂いた煎茶道のお茶は‥ごくわずかに下に甘味が残る深い味で、何とも贅沢な時間を過ごすことが出来ました。

この日の茶会には、写真右・お洋服姿で写っている小門由佳さんに誘って頂きました。由佳さんは、イメージコンサルタンティングや企業の広報のお仕事をされていて、この日はスケジュールの都合でお洋服姿だったのですが、ふだんはおきもの大好き。先日私が担当した『いろはにキモノ』誌のコーディネート拝見ページにもご登場頂いています!
もう一人、左の素敵なおきもの姿の友人は、ビビちゃん。私が広告代理店に勤めていた頃の同僚で、最高レベルの英語力と、トラブルを乗り切るガッツや交渉力、そしてチームを引っ張る明るいキャラクターが何とも素敵なスーパー・ワーキングウーマンです。現在は某超人気外資系企業で大活躍中で、私の自慢のお友だち。この日は淡い若竹色の色無地に、手描きであざみなど野の花を描いた帯が素敵でした~♪
また三人で、今度は由佳さんもおきものでお出かけするのが楽しみです!

          *

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2枚目のコーディ―ネートは、友人の建築家の事務所(本がいっぱい!)で開かれた鍋パーティーの日のきもの。
気軽な会なので、紬で参加しました。

きものは、祖母から伝わったもので、“銀座むら田”のたとうに入っていたので“むら田”のものだと思います。ほくほくと暖かい真綿紬。何とも粋な縞柄が気に入っています。
帯は、祖母が染めた焦げ茶地に蟹牡丹の名古屋帯を合わせました。帯締めに鶸色を入れたところがコーディネートのポイント。全体が引き締まったかな?と思ったのですが、いかがでしょうか。

この日の反省点は、夜も更けて少し着付けがゆるみ、衿がものすごく中に入ってしまっていること。
実は私、衿はやや開け気味に・半衿は白衿の場合、やや少な目に出して着付けるのが好きなのですが、これではいくら何でも引っ込み過ぎですね。
これに対して、一枚目の茶会の時には、正式な場ということを意識して、衿を詰め気味に着付けています。何だかちょっと真面目人間ぽく見えませんか?やっぱりもう少し開き気味に着付けるのが好きです。衿の前をどのくらいの角度で開けるか?後ろをどのくらい抜くか?半衿の分量をどのくらい出すか?これはもう、着付けの永遠のテーマですよね。皆さんはどんな衿合わせがお好きなのかな~とおきもの好きの方々と語り合ってみたい!

             *

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さて、最後のコーディネートでは、色大島を着ています。(一枚目の写真、髪型のせいか、ちょっとバーのママっぽく見えるような‥w)
このおきものも祖母から伝わったもので、臙脂色地に椿、或いはバラにも見える花模様を織り出した大島。どちらにも見えることを幸いに、年中着ています(笑)。そして、紫系の色が大好きなので、着ていると何だか気持ちがしっくりと来るのです。
このおきものに、帯は、西陣・勝山織物の黒の葵文様の名古屋を合わせました。帯揚げに水色に近いクールな紫色を入れてアクセントにしています。
この日は、吉祥寺を代表する人気レストラン、北欧料理の“Allt Got”へ出かけました。しばらく行っていなかったのですが、店員さんが覚えて下さっていて、感激。そして、更に味が上がったように思いました。自信をもってお薦め致しますので、皆さんもゼヒいらしてみて下さいね。
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↑そして、帯締め以外同じコーディネートでお茶のお稽古に出た日もあり、その時後姿を撮ってもらったのが上の写真。
この帯もほぼどんなおきものにも合い、本当に重宝。織りも軽くて締めやすい一本です。

           *

いかがでしたでしょうか?三日間連投のおきもの日記。
いつの間にか季節はもう冬。昨日の日記にも書きましたが、最近、長年連れ添った夫に惚れ直すように(結婚していませんがw)きものへの愛がさらに高まっていますので、どんどんきもので外出したいと思います。またきもの日記も更新して行きますので時々覗きにいらしてください!

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秋のきもの日記~~その二、“上田紬の工房訪問の日”のきもの 2013/12/08



昨日に引き続き、この秋に着たおきものコーディネートをご紹介する日記の第二弾。
今日は、先週日曜日、長野県の名産織物・上田紬(上州紬)の工房見学へ行った日のコーディネートをお目にかけます。そして、工房の現場の様子もご紹介致します!

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この日、訪問したのは、上田で江戸時代から続く織り元、小岩井紬工房。
江戸時代から昭和初期までは養蚕業を。昭和以降は織りに転業して、現在に至るまで頑固に手織りを貫いて紬の布を作られています。

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その、機織りの様子が上の写真↑。八十台と思われるおばあさまが、とてもお元気な様子で、この時はネクタイ用の生地を織っていました。

今回の見学で大変ありがたかったのは、整経(せいけい)の工程を見せて頂けたことでした。
“整経”という単語は聞きなれない方もいらっしゃるかも知れませんが、経糸(たていと)の準備のことです。機(はた)織り機ににかかっている経糸、例えばきものの反物だったら13メートルほど必要ですが、これを、出したい模様になるように、事前に並べて機にかけておく作業のことを言います。
機織りと言うと、先ほどのおばあさんの写真のように、機の前に人が座ってトントンと織っている様子が思い浮かびますが、何でもかんでも織ればいいという訳ではありません。織る前に糸をしっかり模様の順番になるように準備しておかなければ、めちゃくちゃな模様になってしまいます。機で織るのは、謂わば最後の最後の作業。整経がいかに大切かがお分かり頂けますよね。

さて、その整経に使う台を撮ったのがこちらの写真です↓
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一本一本違うの糸を、模様の順番になるようにこの整経台にかけて、機に装着する前の準備をします。例えば赤から淡いピンクへとグラデーションの縞模様の布を織りたいと思ったら、その順番に糸が並ぶように揃えて行く訳です。
こちらの写真のように↓、台から突き出している棒に引っ掛けて‥、
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一本一本揃えて重ねて行きます。平織りの紬で約1000本の経糸が必要とのことですから‥気の遠くなるような作業ですね。ため息。
普通、機織り体験や見学と言うと、織るところだけがハイライトされ、見せてもらえたり体験が出来たりするのですが、今回は貴重な整経の過程を拝見出来、感激の一言でした!
そして、小岩井紬工房作の反物のごくごく一部がこちら↓
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手織りの紬と言うと昔は藍色の系の縞模様が主流でしたが、今はカラフル。淡い色も多く、もう見ているだけでうっとりです。
また、この写真では赤系の反物が多いのですが、鮮やかなコバルトブルー系の縞や格子の反物、茶系の格子の反物なども多く、どれも縞や格子の柄行きがとてもセンスが良くて、本当に素晴らしかったです!しかも工房価格なのでとてもお安くて‥!三反ほどかなりほしくなってしまいましたが、この後の物入りを考えてガマンガマン。(ああ、でもほしい‥)

           *

その後、同じ長野県内の岡谷という町へ移動と相成りました。
岡谷で訪れたのが、旧林家住宅という史跡です。明治以降、製糸工場を経営した大富豪のお屋敷跡で、当時の一流職人が腕によりをかけて作った純和風建築のお屋敷、更にそこに、これまた当時第一級の職人が作った洋館がつながっている、和洋折衷の面白い建物でした。
中には、こんなお座敷もありました↓
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ちょっと手ぶれてしまっていて申し訳ないのですが、壁紙や天井の紙に金色の模様が描かれていることがお分かり頂けるでしょうか?これ、“金唐紙”という、和紙の上に金箔を貼って作った豪華な壁紙なのです。明治の一時期大流行したとのことで、当時の富豪の豪華絢爛趣味が伺えますね。

室内では、大正~昭和初期の貴重なおきものの展示もありました↓
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上のおきもの写真、裾回しにも豪華に絵が染められていることに注目です!

その旧林家住宅の入口で撮ったのがこちらの写真↓
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私は、細かい格子の紬を着ています。祖母の遺品のつづらの中に入っていたもので、かなり古く、そろそろ八掛を変えなければ‥という時期に入っているのですが、紬自体はとてもきれいです。模様に寄ったのがこちらの写真↓
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小岩井紬工房の方や、この後に伺った岡谷絹工房(旧山一組製糸事務所)という工房でも、皆さんに「その紬、面白いですね」「いい紬ですね」と褒めて頂きました。嬉しかった~♪
そして、1枚目の写真ではコートを着ていて、帯との取り合わせがお分かり頂けなかったので、帰宅後、家で撮ったのがこちらの写真です↓
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夜に帰宅して撮ったので、暗めの写真になってしまっていて恐縮ですが、ペパーミントグリーンの紬地に、大きく破れ七宝つなぎ文様を織り出した名古屋帯。そこに、黄色の帯締めを合わせました。自分ではこのコーディネート、かなり気に入っています♪

          *

この日の見学は、原宿にある和裁所&和裁学校“プロきものスクール”の産地見学研修にご一緒させて頂きました。
こちらとのご縁の始まりは、今年の夏に私が行ったイベント“江戸着物ファッションショー”。江戸時代に大奥や高位の武家家庭で着られていた“堤帯”という特殊な帯を、プロきものスクールに依頼して制作頂きました。
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この和裁所&和裁学校の代表は、松井扶江先生。
きもの界の重鎮で、知らない人はもぐりと言われてしまうような存在です。10月に、日本橋で開かれて大盛況だったきものイベント“きものサローネ”に先生とご一緒したのですが、たくさんの呉服屋さんやきものブランドの方が先生に挨拶に来られ、「何だか極妻みたいでかっこいい」‥とひそかに思ってしまった、そんな、きもの界に重きをなす先生なのです。(写真は、夏のショーの後に撮ったもの)

先生の和裁所では、NHKの朝ドラ、時代劇、数々のCM、映画『ラスト・サムライ』‥などなどの衣装を手がける他、有名呉服屋さんの仕立てを請け負っていたり、女優さんから指名でお仕立てすることもあるそうです。
そんな和裁所&スクールのお弟子さんたちと、日帰りの見学旅行。女性ばかりとも聞いていたので、「あの人、生徒でもないのに何で来てるのかしら?」と訝しがられたり、ふだんからのお仲間同士でキャッキャしていて、私はぽつんとなってしまうかな‥と心配していたのですが‥、40人ほどの皆さんが次々と話しかけて下さり、孤独感ゼロ。本当にいい学校であり・職場なのだなあと、感動でいっぱいの一日でした。もちろんこれも、先生がそういう組織として運営して来られたからこそ、なのだな、と、ますます松井先生のファンになってしまった私でした。

上の、旧林家住宅前で撮った写真で一緒に写っているのは、そのお弟子さんのお二人。右端の、黒の素敵なコートをお召の女性は、花椿あやこさんというお名前できものブログも書かれています。きもの愛いっぱいのブログですから(時々猫ちゃんの話題も!)、皆さんゼヒご覧になってくださいね。
http://kimonohanatubaki.blog.fc2.com/

‥と、きものを愛する方々との縁も広がり、最近、自分の中で“第二次きものブーム”と言っていいくらい、きものへの愛が更に更に高まっています。
明日もまたきもの日記を更新致しますので、ゼヒ遊びにいらしてください。明日は三つのコーディネートをお目にかける予定です♪♪♪

今週は、普段より多めに日記を更新しています。
良かったらご高覧下さい。

*最近話題のインバウンド観光(=外国人観光客誘致)について考えるエッセイ
 「お・も・て・な・し~外国人観光客を迎えることの意味」
http://www.maya-fwe.com/4/000273_J.html
*この秋に着たおきものコーディネートのご披露日記第一弾
 「秋のきもの日記~その一、季節の柄で出かけた日のコーディネート三つ」
http://www.maya-fwe.com/4/000274_J.html

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秋のきもの日記~~その一、季節の柄で出かけた日のコーディネート三つ 2013/12/07



今日から月曜までの3日間、毎日、この秋に着たおきものの日記を更新して行きます!
本当は、こまめにその都度更新した方が良いことは分かっているのですが、おかげさまで毎日お仕事をたくさん頂き忙しく過ごしておりまして、なかなか時間が作れません。そこで一挙公開と行きたいと思います!
初日の今日は、季節の柄で出かけた日のコーディネートを三つご紹介です。

        *

まず一コーディネート目は、秋の花と言えばまず思い浮かぶ、菊柄の訪問着をご紹介。
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総模様の菊柄を、裾を境に黒と赤に染め分けた一枚です。このおきものは、祖母が60年ほど前に!当時、祖父の仕事の関係で住んでいた名古屋の三越で買ったもの(母が記憶していました)。
とてもしゃれた模様付けで、今見ても新鮮。祖母が気に入ってよく着ていた上に、その後、年の離れた妹(私にとっての大叔母)にも貸してあげていた一枚だということなのですが、二人とも大切に着ていたのか保存状態が良く、どこにもしみも色褪せもありません。その後大叔母が我が家に返却して、今や私が着ています。本当におしゃれな模様付で祖母に大感謝。もう、大のお気に入りの一枚です。
帯には、茶色地に金箔で月を意匠化した一本を合わせました。この日、夕方から夜にかけての外出だったため、秋の月に菊花が浮かぶ、というコンセプトです。
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この日は友人のお誘いで、江戸時代より続く京焼き窯の名門・真葛窯の当代、宮川香斎さんの個展へ出かけました。上の写真が、宮川さんの作品です。
このお写真の作品は華やかな色絵の京焼ですが、他に、青と白の染付、交趾焼、赤絵、東南アジア風のもの‥とさまざまな作風で作っておられ、高い技術力をお持ちの作家にとっては、製作法の枠も軽々と越えられるのだな、と感心させられました。
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上の写真は、宮川さんとご一緒に写して頂いた一枚。facebookに載せたところ、後ろのお軸の「好日」と相俟って、「結納写真かと思った!」との声が続出しました(笑)。
このお写真でもお分かり頂ける通り、八掛には錆朱色が入っています。本当に大好きな大好きなきものです。

          *

さて、二枚目は、きものではなく帯に季節の柄が入っています。こちらも菊の花を染めた一本。私の祖母の作品です。この日出かけた清廉な場所に合わせようと、おきものは、白地にごく控えめにベージュ色の糸で網代文様が入った、西陣・洛陽織物のお召を着用しました。
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この日は、友人と一緒に、武蔵小金井にある“三光院”という禅寺(尼寺です)を訪ねました。出家して禅の修業をするため‥ではもちろんなく、その真反対に食べ物目当て。こちらのお寺では、美味しい精進料理を頂けるのです!
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先ほどの写真は、その三光院さんのお庭で撮ったもの。後ろに山門が写っています。
2枚目が、食事が終わった後、調理を担当されている尼僧さんに席で撮って頂いたものです。畳敷きではなく、広々としたお部屋に、畳表!になっている不思議な食卓で頂くことがお分かり頂けるでしょうか?
この食堂は、もともとお寺経営の幼稚園だったところを改装したものだそう。珍しいこの食卓も、ご住職のアイディアで作ったオリジナルだということでした。
本当は、こういう時、お食事の写真も撮って載せた方がブログが充実することは分かっているのですが、どうも私は食事をしている時は食事と会話に集中したく、写真を撮るのが苦手なのです(お友だちのフェイスブックなどの食べ物写真を眺めるのは大好きなのですけれど)。
そんな訳で、肝心のお料理の写真がなくて申し訳ないのですが、三光院の食べログにたくさん写真が載っていましたので、ご参考になさってください↓
http://tabelog.com/tokyo/A1325/A132501/13039545/

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さて、秋の季節の柄のお着物、最後の一枚は、銀杏の落ち葉の小紋です。こちらも、私の祖母が染めたもの。松葉模様の地紋の綸子地に、秋の銀杏の葉とぎんなんの実を染めた楽しい一枚です。
帯には黒地に葵文様の、西陣・勝山織物の名古屋を締めているのがお分かり頂けると思うのですが、寄りの写真を撮らなかったため、下の写真は、以前着た時に撮った別の帯が載っていますこと、ご了承くださいませ。
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秋しか着られないこのきもの。今年は3回ほど着て外出したのですが、写真を撮ったのは、この度真打昇進が決まった女性講談師・神田京子さんの独演会を聴きに行った日。
国立演芸場での公演で、京子さんとはすみだ川アートプロジェクトに参加したご縁でお見知りおき頂いているので、一緒に写真を撮れば良かったのですが‥「公演直後で疲れていらっしゃるかな」と遠慮してしまって声をかけられず‥一人での写真で申し訳ありません。
来年は、せっかくブログを読みに来て下さっている皆さんに楽しんで頂けるよう、もう少し積極的になるよう頑張ります!

それでは、秋のきもの日記、明日も明後日も更新しますのでまた遊びにいらしてください!

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お・も・て・な・し――外国人観光客を迎えることの意味 2013/12/02



今年の流行語大賞に決定した、「お・も・て・な・し」。
東京オリンピック開催の是非については様々な意見があると思うけれど(実は私自身も誘致には反対だった)、既に開催は決定事項。やる以上は、来て下さった外国人の方に日本のいい印象が残せたらいいな、と思っている。

そんなオリンピック誘致も含め、最近よく耳にするようになった言葉に“インバウンド観光”があるのではないだろうか。
この言葉、何でも横文字にするのはどうかと思うけれど、要するに“訪日観光”という意味。もともと、小泉首相の時代に「訪日外国人1000万人を目指せ!」ということが言われるようになって、観光庁も設立されて‥という大きな流れの中で、7年後の東京オリンピックが“外国人観光客誘致”という概念やビジネスを、いよいよこの国にがっちりと根づかせる強力なきっかけになるのではないか、と言われている。
そんな“インバウンド観光”“外国人観光客誘致”の若き旗振り役となる人物を、先ごろ仕事でインタビューさせて頂いたので、今日の日記ではそのご紹介と共に、“外国人観光客誘致”というこのトピックそのものについて、私自身の意見を書いてみたいと思う。

当該のインタビューはこちら。「訪日外国人市場1兆円を目指して」↓
http://hapon.asia/shinjuku/news/post3256/
     *

さて、その若き旗振り人の名は、新津研一さん。以前は伊勢丹に勤務され、日本一と誰もが認める百貨店店舗・新宿伊勢丹のフロア全面リニューアルや新規事業開発など、おそらく「将来の伊勢丹社長候補の一人だったのだろうな」、という活躍をされていた方だ。
そんな新津さんは2年前に三越伊勢丹を退職し、ご自身の会社・USPジャパンを設立。企業コンサルタントとして活躍される一方、訪日外国人客誘致を「日本でのショッピングは楽しいですよ!」と買い物体験に特化して推進する社団法人、“ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)”の代表に就任した。このJSTOの賛助団体にはJTBやNTTデータ、JAL、JCB、三越伊勢丹、高島屋など錚々たる企業が名を連ね、大きな期待がかかっていることが窺える。
これまで、“外国人観光客誘致”と言うと、京都・歌舞伎など伝統文化をアピールしたり、或いは秋葉原に代表されるクールジャパンを看板にすることが多かったけれど、JSTOが掲げるのは、買い物。平たく言えば、「日本で買い物して下さい!」ということで、別の見方をすれば、それを前面に出せるほど日本には、世界の人々の購買欲をそそる魅力的な商品がある、という自負を持っている、ということになる。
インタビューではそのあたり、新津さんたちがこの協会で何を目指し、それが日本という国にとってどんなメリットを持っていると考えるのかを、細かくお聞きしている。

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一方、私の個人的な視点からこの“訪日観光客誘致”というテーマについて述べてみれば、実はとても大きな期待を抱いている。それは、経済的なメリットと、また、国の安全保障という点からもメリットがあると考えるからだ。このことについて少し書いてみたいと思う。

日本社会に幾つか存在する大課題の一つに人口減少問題があり、この流れは容易には変えられないことは、誰の目にも明らかだろう。それはつまり労働人口と消費者人口の減少を意味し、日本経済の縮小につながることもはっきりしている訳だが‥、かと言って日本人の精神風土から言って、移民を受け入れることに激しい心理的抵抗があることも、誰の目にも隠しようのない明らかな事実ではないだろうか。
このような、“無理をしても変えられない現実”に対して、私は、単純に、無理をしても仕方がないのではないか、と考える。ざっくばらんに言ってしまえば、政府や理想主義者がいくら「産めよ増やせよ!」と唱えても、「移民を受け入れ共生社会を!」と唱えても、残念ながら現実は動かない、ということだ。
それよりも、動きそうなところを突っついた方が良い、というのが私の考えで、その選択肢の一つとして“たくさんの外国人に日本に遊びに来てもらう”、“そしてお金を落としてもらう”というやり方は、大いに可能性があると思うのだ。
そう、外国人移民と同じ町内で、文化の違いをひしひしと意識しながら共生するという道はおそらく日本人には向かないけれど、短期間の旅行客として受け入れるなら、何とかキャパシティに収まるのではないか、と考えるのだ。
インタビュー中でも触れているが、現在、訪日外国人旅行客が日本に落とす金額は、3400億円。これが3倍に増えれば1兆円の市場が生まれる訳で、日本人にとって経済的恩恵は相当大きいと言って間違いはないだろう。

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また、私のように中国と関わりのある人間から見れば、日中関係の改善のためにも中国人観光客の増加は望ましいと思う。
今では多くの方が知っている通り、中国人の反日感情は幼い頃から受けて来た反日教育や、日本兵が悪役として登場するテレビドラマなどの影響が大きい。つまり、自分の実際の目で見て、体で体験した反日ではなく、“何だか気づいていたらこうなっていた”反日であることが多い、ということだ。
そういう中国人が実際に日本に来てみれば、現在の日本には侵略主義者などいないということが分かるし、どう考えても中国よりはるかに親切と礼儀正しさが行き渡った社会であることは一目瞭然だろう。こうして彼らの日本観は変わって行かざるを得ない。
現在、世界のあちこちで中国人観光客のマナーの悪さが物議をかもしているけれど、私たち日本人は“中国の隣り”という地理上のこの位置関係を変更することは出来ない訳で、面倒くさい国ではあるものの、お互いの関係がつかず離れずそこそこ良好なことが私たち自身の安定と発展のためには最善であることは明白である。中国人旅行客の若干野蛮な行動には忍耐を持って、彼らを教育しつつ、受け入れる。それが、経済的な理由からも、国の安全保障からも、私は長期的に見て日本のメリットになると思うのだ。
ちなみに、どうやって彼らのマナーを教育するか、という点だが、これは、中国人の大国意識や対外的な面子を刺激することが一番だと思う。日本のマスコミ、市民、共に、中国人観光客でマナーの悪い人と遭遇したらどんどんその情報を発信する。日本語だけではなく英語で、英語の媒体にもどんどん書き、書いてもらう。彼らは「弱い中国」「遅れている中国」という概念に敏感だ。野蛮故に馬鹿にされている、というメッセージを送ることは改善に大きく役立つと思う。

‥という訳で、様々なことを考えさせられる、“訪日観光客誘致”というこのテーマ、その一つの入口として、新津さんへのインタビューをゼヒ読んで頂けたらと思う。

インタビューは、全2回。
☆主に訪日外国人誘致について聞いた回
「訪日外国人誘致1兆円を目指して」↓
http://hapon.asia/shinjuku/news/post3256/
☆新津さんの伊勢丹時代と、企業コンサルタンティングの活動について聞いた回
「貫くのは、ブランド独自の強み、を見つけ出す姿勢」↓
http://hapon.asia/shinjuku/news/post3056/

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