西端真矢

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「美しいキモノ」での連載「お仕立てのツボ」第3回掲載になりました! 2014/08/31



今日から三日間のブログでは、最近掲載になった私のお仕事を三本、ご紹介させて頂きたいと思います。
三つとも全く違った内容で、様々な領域の方に興味を持って頂けるのでは、と思っております。

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本日ご紹介致しますのは、「美しいキモノ」での連載「お仕立てのツボ」の3回目。
今回は、裏地と表地との組み合わせの妙を楽しむ袷の季節到来ということで、“袷のお仕立てのツボ”をお届けします。
ポイントは、2点。表地と裏地、別々の布を合わせることで生じる問題をどう克服するか?また、すっきりとした着姿を作るために、特に丈に注目。
大正時代から続く山形の老舗和裁所“竹田和裁研究所”の先生に、極意を教えて頂いています。
秋からお正月にかけて、新しいきものを作られる方も多いのではないかと思います。是非ご参考頂けたら幸いです!

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「美しいキモノ」秋号は、「紬&小紋で旅支度」「絞りの至芸」など見所たくさん。
中でも私は下の三つのコーディネイトがいいな~♡と思いました。すっきりシンプル系より、ちょっとぼってり感がある取り合わせが好みです。
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表紙は柴咲コウさん。
皆さまはどんなコーディネイトがお好きでしょう?それぞれの好みがありますよね。是非お手に取ってお好きなコーディネイトを探してみてくださいませ~。あ、今は、電子版もありますね!
明日はガラッと変わって硬派な社会派インタビューのお仕事のご紹介を致します!

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浴衣でお食事会へ…コーディネイト失敗の巻 2014/08/29



ここのところ東京は、毎日、涼しいを通り越して肌寒い日が続いています。そんな中、浴衣のコーディネイトを載せるのはどうかしらと思ったのですが、ここで載せないともう夏も終わってしまうし、来週は少し暑さが戻るとも聞くので、思い切って。
先週末、まだ蒸し暑かった日に、と或るカジュアルダイニングでの、友人とのお食事会に出かけた日のコーディネイトです。

模様がよく見える寄りの写真がこちら↓
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全体がこちら↓
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浴衣は、讃岐地方の保多織り生地に菊唐草を染めたもの。7月4日の日記で着ていたものと同じ浴衣です。
帯は、前回は黄色の半幅を締めましたが、今回はピンク色にしてみました。写真だと普通の博多織りに見えると思いますが、実は、素材は綿。献上柄を綿で織り出したものなのです。知人からの頂きもの、大切に使っています。
この日、結び方はカルタにして、白の帯締めに、T.O.D.さんのふくら雀の帯留をしています。このアップの写真を撮り忘れてしまったので、またこの帯留を着用した時に撮りたいと思います!
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鞄は、別府竹細工の籠バッグ。以前、お仕事で別府竹細工の職人さんを取材した時に買いました。私が取材した方は、竹製の車椅子など、大きなものを作る方だったのですが、現地のお土産物屋さんでこのバッグを見つけ、取材旅行の記念に購入。
財布、小さめの化粧ポーチ、文庫本、250mmlペットボトル、ハンカチ、名刺入れ、避難グッズ(携帯充電器と小さなお菓子)など入れても大丈夫なので、結構容量がありますが、それでも3000円か4000円台だったと記憶しています。お得過ぎ!ですよね。皆さん、大分に行った時は、現地の売店で、ゼヒ別府竹細工の鞄を探してみてください。

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ところでこの日のコーディネイト、自分的にはうーん、いま一つ。それぞれのアイテムはどれも気に入っているものばかりなのですが、何か顔に合っていない気がします。7月4日の組み合わせの方が良かった…。
たぶん、ピンクの帯がかわい過ぎて、年齢にそぐわないのですね。この帯をするのだったら、また違った浴衣なりきものにしなければいけないのだと思います。
…という訳で、今日のコーディネイトは失敗の巻。地味過ぎても沈んでしまうし、かわい過ぎても若作り感…とかく四十代のきものは難しいです。少なくとも自分の中で晴れ晴れとした気持ちになれるコーディネイトを目指して…頑張ります!

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押入れから見つけた祖母の手染め布、帯にする?鞄にする? 2014/08/26



八月も最終週に入り、すっかり夏も終わりの気配がただよって来ました。我が家の庭では、夕方になるとしっかりと秋の虫が鳴き始めています。

そんな中、先日押入れを開いて探し物をしていたら、つづらの一番下から1メートルほどの布が出て来ました。開いてみると、東京紅型染めをしていた祖母が、夏の草花と小物を染めたものだったのです!
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恐らく、暖簾か帯に染めようと、本番に入る前に試し染めをしたものだったのではないかと思います。上下同じ柄を染めていますが、上の団扇の中に染めているエ霞文様には、少し染めむらがあったりして…

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さて、この布、せっかくの祖母の手製なのだから、つづらにしまいっぱなしではなく、何らかの形で活用したいと思いました。
真っ先に考えついたのは、帯です。
お太鼓に出せるだけの分量で文様が染めてあるので、染めむらのない方をお太鼓に回し、染めむらのある方を前帯に回そうと思いました。もちろん、これだけでは到底帯全部をまかなうことは出来ませんが、足し布をすれば良い訳です。

そして、その前帯に回す分は、縦に二つに折るのでも良いし、でもそうすると団扇が途中で切れてしまうので、横に二つに切って、関東巻と関西巻で違う柄が出るようにするのも良いかなと思いました。
そして、足し布は白ではなく、例えば花の中の一色を取って紫色の布などにして、お太鼓の垂れもその布で作ったら、おしゃれ?…などと夢が膨らみます。

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「あーもうこういう時はいつもの和裁所に相談!」
と思ったものの仕事が忙しくてなかなか時間が作れず、実は取材に出る時などにいつもこの布をバッグに入れていました。
「今日取材早く終わったら、和裁所に行こう♪」
と思うのですが、なかなかどうしても長引いてしまったり、早く終わっても家で急ぎで書かなければいけない原稿があったりして、早一か月…
でも、先週、やっと念願かない、思いがけず2時間くらい早く終わった取材から、渋谷へ直行。いつもお世話になっている和裁所「海老原美智子プロきものスクール」へお邪魔することが出来ました。(以前は「松井扶江プロきものスクール」という名称でしたが、この春より松井先生が引退されて、後継者の海老原先生のお名前を冠すようになりました)

そして、早速布を広げて先生方と相談。その様子を、和裁所の一員である人気きものブロガー“きもの花椿”さんが写真に撮ってブログで紹介してくださいました↓
http://kimonohanatubaki.blog.fc2.com/blog-entry-376.html

1枚目では私がにんまりと笑い、2枚目では先生方と侃侃諤諤議論しています。私がお腹のところに手を当てて、帯にした場合の文様の出し方など相談しているのがお分かり頂けるでしょうか。

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そんな楽しい相談の結果、実は、まだどう仕立てるか迷っています。
迷ってしまう一つの理由は、文様が夏のものであるのに、生地は、単衣などにふさわしい、やや薄手の紬地であるため。私としては、この文様なら夏に締めたいのですが、お太鼓にどーんと季節違いの布が来るのは、うるさ方のおばさまなどにあれこれ言われてストレス多そう…と二の足を踏んでしまいます。
ただ、単衣の時に締める帯として作るのは有りかな、と。

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それとは別に、皆でワイワイ話している時に出て来たアイディアが、これだけの分量があるんだから、夏用の鞄にしたらいいんじゃない?というものでした。
確かに、ヴィトンの、名前を忘れてしまいましたが、やや縦長のバッグ。一時期キャリアウーマンがよく持っていたあのタイプの形に近い夏鞄が作れそうです。私は仕事の取材時にきもので行くこともあるので、そんな時、A4の資料をそのままポンと入れられるのは何とも魅力的。

…ということで、その場では決められず、どうせ今年の夏ももう終わるのだし、もう少しゆっくり考えようと、そのまま家に持ち帰って来ました。夏鞄、或いは単衣時期の帯に仕立てるとしても、来年の5月、6月までまだ大分時間がありますから、しばらく悩みたいと思います。
そうそう、この日は、ずっと以前に購入したものの仕立てていなかった村山大島の反物も持参して(これも、がらがらバッグに入れていつも持ち歩いていましたw)、単衣に仕立てて頂くようお願いしました。
こちらは、9月終わり頃には仕立て上がって来る予定です。10月も単衣を着てしまう予定なので、皆さまにご披露したいと思います♪

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モダン茶会に浴衣で参加…の日のコーディネイト 2014/08/22



前回のエントリから大分日にちが経ってしまいました。
このところお仕事が非常に立て込んでいて、ブログ更新もままならない日々が続いていたのです。
もう、お尻に根が生えて来そうにひたすらPCの前に座って原稿を書いていたり、はたまた連日取材や撮影が続いたり…猛暑や台風の中、大変な日々ではあるのですが、どのお仕事も絶対断りたくないやりがいのあるものばかり。打ち込んで過ごしています。

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さて、そんな中、今日は少しだけ余裕が出来たので、ブログを。
少し前のことになりますが、“ミルクティー茶会”と題して開かれた、モダン茶会に参加した日のきものコーディネイトご紹介日記です。

着ているのは、7月21日のブログでも着ていた黒地の浴衣です。モダン茶会ということで、衿を入れずにそのまま浴衣として着て行っても問題なかったのですが、場所自体は正式な茶室で行われることが分かっていたので、足袋を履きたいと思い、襦袢を着て衿を入れました。

上半身のコーディネイトが分かる写真がこちらです↓
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自分撮りが下手で、帯まで入れて撮ることがどうしても上手く出来なかったため、帯周りだけでも撮ってみました↓
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帯は、麻地に織りで縞模様が入った名古屋帯。明るめの辛子色の帯締めで全体を引き締めました。

足元は、こんな色合い↓
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私は傘を持つのがどうにもわずらわしくてふだんは日傘をささないのですが、この日は強烈な暑さだったためさすがに日傘持参。どこ製のものか忘れてしまったのですが、伊勢丹の呉服売り場で夏物フェアをやっていた時に購入した一本は、鼠色地に麻の葉文様を江戸小紋型で染めたものです。このコーディネイトに、別府竹細工の籠バックを下げて出かけたのに、写真を撮り忘れました。またの機会に写したいと思います。

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私の中では、今年の夏はもう終わったも同然。引き続きお仕事に邁進している間に秋になっていそうです。どうにも忙しく、あと1回夏物で出かけられるかどうか…
が、おかげさまでこれから秋まで、今進めているお仕事を皆様に随時お知らせして行けそうです。良かったらご高覧ください…!
そして、こちらのブログの方も何かしら日々気づいたことを短い日記ででも更新出来たらと思いますので、時々覗きにいらしてください。まだまだ残暑が続きそうですが、皆さま、お元気で!

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頂きもののきものに新品の帯を締めて、服飾史講座へ 2014/08/05



現在、日本橋の三井記念美術館で開かれている、「能面と能装束 」(特別展示「三越伊勢丹所蔵 歌舞伎衣装」付き)展。
その展覧会に付随して、日本染織史の第一人者である武蔵大学・丸山伸彦先生の特別講座「服飾史から見る歌舞伎衣装 三越伊勢丹所蔵品を中心に」が開かれたので、参加して参りました。

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江戸時代以降のきものの発展に、歌舞伎が与えた影響は非常に非常に大きなもの。その歩みを繙くと同時に、今回の展示作の解説をして頂きました。大学の服飾史講義レベルの深い内容で、大満足。
特に、徳川家歴史好きの私には、大奥で歌舞伎を演じた「御狂言師」の衣装についての解説があり、感激しきりでした。大奥関連の資料を読んでいると、時々目にする、この「御狂言師」という存在。どの資料を見ても、どういう役割を果たしていた人だったのか、基本的な情報しか得られなかったところに、急に生き生きと色彩が加わった思いです。この部分だけでも、講義に参加して良かった!
会場も満席で、服飾史マニア、或いは美術史マニアの方々なのでしょうか、一言も聞き漏らすまいとメモを取っていらっしゃる方も多く見かけました。同好の士の方々と過ごす現場感は最高です!

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さて、ここからはきものコーディネイトご紹介です。講義後、先生と写真を撮って頂きました↓
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実は先生とは、私の母が大学・大学院時代、先輩―後輩の間柄(母の方が先輩です)。私が小学生の頃には、夏休みに先生に遊んで頂いたこともありました‥!
まさかその時には、自分が将来このお兄さんが研究されている分野に興味を持ち、講義を聞きに行くことになるなんて想像も出来ず…人生何が起こるか分からないですね。

きものは、友人のおばあさまの遺品を頂いたもののため、産地が分からないのですが、たぶん夏塩沢ではないかと思います。しゃりっとしてかなりしぼが強いので、着ていてとても涼しく…写真では分かりにくいのですが、透け感もあります。色は、写真では黒っぽくなってしまいますが、渋めの紫で、蚊絣のような細かい十字絣が飛んでいます。しつけ糸のついている新品を頂き…ありがたく着用させて頂いています。
色みが落ち着いているので、私の年齢で白っぽい帯を締めてしまうとおばあさんになってしまうので(曾祖母がいつもそんなコーディネイトをしていました)、帯には、黄色の博多帯を合わせて。

西村織物製のこの博多帯は、今回のきものなどに合わせることを想定して、今年購入しました。
最近の博多帯は、黄色地の場合、青や白で文様を織り出すすっきりとしたものも多いかと思いますが、私はきもののコーディネイトは、すっきりさせ過ぎない方が粋だと思っているので、赤が入っているこちらの色合わせのものを選びました。紗献上ではなく普通の博多なので、袷の季節も含め、様々なきものに合わせて行こうと思います。
帯揚げには、この薄いグレーの色が気に入って、シフォン地のスカーフを帯揚げ代わりに入れています。

「能面と能装束」(特別展示:三越伊勢丹所蔵歌舞伎衣装付き)展は、9月21日まで開催。
三井家所蔵の能面の最高傑作(重文だらけ!)が勢揃いの上、能衣装と歌舞伎衣装の逸品も見ることが出来ます。
私も、今回は仕事が詰まっているため講義だけを伺いに行き、展示は駆け足でしか見られなかったので、会期中にもう一度足を運ぼうと思っています。皆さんもゼヒお出かけになって見てください。

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8月初日、雑誌のお仕事でロケハンへ! 2014/08/01



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首都圏は連日猛暑が続いていますが、皆さまお元気にお過ごしでしょうか。
私はお蔭様でたくさんのお仕事に声をかけて頂き、もう、正直言って暑いとか暑くないとか全く気にしていられない、〆切までに何とか高いクオリティの原稿を仕上げて納品するために、日夜邁進しています。(諸事情で一部遅れている原稿もあり、申し訳ありません‥!)

そんな中、今日は都内の某工房に、撮影前のロケハンへ行って来ました。
一昨年より毎年秋に発売されているきもの雑誌「いろはにキモノ」、本年度号の準備が始まっています。その中のある企画について、どのようなページ構成にすべきか?作品は何をどうご紹介するのが良いか?当日、最も効率良い撮影段取りは?‥といったことを探るため、フォトグラファーと一緒にロケハンをさせて頂いたのでした。
こうして企画を膨らませる時間は、ライターや編集という仕事の大きな大きな醍醐味の一つです!

写真は、その工房の壁にかけられていた刷毛。
この刷毛を操るのはどんな職人さんなのか?楽しみにしていて下さいね!

…という訳で、暑さもものともせず頑張っております。今日はこの後深夜まで、ひたすら別件のお仕事の原稿書きにいそしみます!
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