西端真矢

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“江戸着物ファッションショー”を終えて 2013/07/08



江戸着物ファッションショー、昨日午後、満員御礼、お立ち見の方も多数ご来場頂いた中、大成功の裡に終了致しました。ご来場頂いた皆様、ファンドに寄付を頂いた皆様、準備期間中を通じあたたかい応援を頂いた皆様、無償のお手伝いをして頂いた皆様、そしてスタッフ、出演者の皆さま、本当にありがとうございました。

             *

一夜明けて、もうぐっすり眠って良いのに、毎日、
「終わったら寝る。とにかく寝る」
と思っていたのに、もう生活習慣になってしまったのか、3時間ほど眠ったらぱっちり目が覚めてしまいました。そして、
「もうとにかくしばらくは、江戸時代のことは考えたくない」
「毎日毎日こんなに吐き気がするほど浮世絵を眺めて着姿を研究して、1年くらいはもう浮世絵は見たくない」
と思っていたのに、先ほど気づいたらついうっかり春信の浮世絵集をまたぱらぱらとめくっていました‥!

そして、今、一人、部屋で昨日流した音楽のうちの一曲(会場にいらした皆様‥最後の墨黒のお着物の時に流していた曲です♪)に耳を傾けながら、これまでの全てのことを振り返っています。
やはり一番に思い出されるのは、つらかった時のことです。
「そんな企画で人が入るの?」
と言われたり、そもそも、
「それをあなたがやるの?へー(無理でしょ)」
と斜めに見られたり、
「助けるよ」
と力強く言って頂けたので頼みの綱と祈る気持ちで待っていると梨のつぶてだったり、借りられるはずのお着物や小物が色々な事情で突然借りられなくなってしまったり。眠れない夜も何度もありました。
中でも、やはり、一番苦しかったのは、着物をどう集めるか、というこの一点でした。私に実績があればもっと快いご協力を得られたと思うのですが、何しろ着物企画に挑戦するのは今回が初めてのこと。どこの馬の骨とも分からない“着物好きのライター兼広告代理店出身のプロデューサー?”確かに怪しさ満載です。私だって協力をためらうかも知れない、という状況でした。
そんな中、私という個人の人間を見て下さり、よし、あなたを信頼てお貸ししましょう、と、言って下さった皆様。その方々のご恩によって、昨日の成功があります。
また、それは、お持ちの技術や知識、人的ネットワークを、やはり私という一人の人間そのもの、肩書ではなく人間そのものを見て、信頼下さり、提供して下さった皆様も同様のご恩だと思っています。
今、全ての皆さんの、その、信頼を下さった時々の笑顔、真剣な表情、声、メールの文章が、映画のエンドロールのように次々と脳裏に浮かびます。涙が流れるのを止めることが出来ません。

              *

今後、私がこの江戸着物ファッションショーを思いついた時から昨日までに体験した全てのこと、考えたことの全てを、文章にしてまとめて行きたいと思っています。それは何のためかと言えば、今、夢やアイディアを持ってはいるけれど一歩を踏み出すことをためらっている方々。また、一歩を踏み出してはみたもののあまりにも大きな困難や無理解に苦しんでいる方々に、勇気を持って頂く‥そのために書きたいと思うのです。
たった一人で始めた企画であっても、真剣な思いと夢に対する献身的な努力があれば、必ず実現は可能です。そのことを、多くの方に知って頂けたらと思っています。そして、日本の様々な場所で様々な方の夢が、野に咲く花のようにつぼみを花開かせることを願っています。


              *

これからしばらくは、さすがに疲れたので少し休憩して、そして特にこの1カ月ほどは文章の仕事がかなり滞ってしまったのでそちらのリカバリーに集中して、でも、その後は、また、次の着物企画に向かおうと思っています。やりたい企画が頭の中にどんどんどんどん浮かんでいて形にしたくたまらないのです。また苦労すると分かっているのに。

              *

イベント直前の7日、午前3時頃、徹夜で衣装の最終チェックをしていた時、不思議なことが起こりました。その時、大河ドラマ『篤姫』のサントラを部屋に流していたのですが、不意に、篤姫の時代、幕末に生きた江戸時代の人々の気持ちが理解出来たような気がしたのです。
江戸が、純粋な日本伝統文化の時代が終わってしまおうとしていた時。長い長い苦労と江戸時代服飾に対する徹底的な勉強を終えていよいよ本番に向かおうとしている時。その“時機”というものの近さが私の中に何かを発火させてくれたのかも知れません。とても不思議な、シンクロニシティとしか言いようのない体験でした。
その時何を思ったのか、そんなことも、先ほど予告致しました江戸着物ファッションショープロジェクトの記録の中に書きたいと思っています。良かったら読んで頂けたらと願っています。

私は、文章を書くことと、頭の中に浮かんだイメージや企画を、現実世界にプロデュースすること(それには予算管理と人との折衝、資金調達が含まれます)、この二つのことが、心底好きです。これからも、文章と、プロデュース。この二つの道を、誠心誠意究めて行きたい。
文章についてはこれまでそれなりの実績を作って来ましたが、プロデュースについては、単独で行うのは今回がほぼ初めての大型プロジェクトでした。そんな江戸着物ファッションショーを応援下さった皆様、ご協力下さった皆様、本当にありがとうございました。皆様のおかげで江戸着物ファッションショーはこの世に出て来ることが出来ました。心より心より感謝申し上げます。

(ショーの画像は、また後日のブログで発表致しますので、今回はご来場頂けなかった皆様、お楽しみにお待ちください!)


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江戸着物ファッションショー、キャンセル待ちなど最新空席情報 2013/07/03



“江戸着物ファッションショー” お席の現在の状況(更新日:7月5日01:05)

お席ご予約:キャンセル待ち(受付中)
当日のご来場:お立ち見(料金:1000円)

この数カ月準備を重ねてまいりました、7月7日の“江戸着物ファッションショー”、お蔭さまでたくさんの反響を頂き、現在、予約枠がいっぱいとなりました。
本当は全ての皆様にご来場を頂きたいのですが、会場のキャパシティの関係から、これから以降のご予約は、キャンセル待ちとさせて頂きます。
また、当日のご来場は立ち見となってしまいますこと、ご了承頂ければと存じます。

これ以降、今ご覧頂いているこの日記ページの冒頭を随時更新して、最新の空席状況をご報告を入れてまいりますので、チェックを頂ければと存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

そして、皆様より熱い応援、ご期待を頂いていること、心より感謝申し上げます。
キャンセル待ちをご希望の皆さまは、edokimonoshow@gmail.com までメールをお送り下さい。
その際、迅速にご連絡を差し上げるために、電話番号もご明記を頂きますようよろしくお願い申し上げます。

重ねて、皆様のあたたかいご応援、ご期待、そして熱い着物愛、感謝申し上げます。
ありがとうございます。

江戸着物ファッションショー実行委員会代表
西端真矢

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江戸文化の華“元禄小袖”をまとった女が、今週末、浅草に現れる。関東初公開作品です!(画像あり) 2013/07/01



いよいよ今週末に迫りました“江戸着物ファッションショー”。
帯一本を残して全ての着物が決まり(あと一本、帯でまだ悩んでいます)、豪華絢爛から粋の美まで、皆様に心ゆくまで楽しんで頂けるラインナップとなっていますので、ご予約済みの皆様はどうか楽しみにしていて下さいませ!
そして、まだご来場を迷っている皆様に、こんなすごい着物も登場するよ!というお知らせを、本日記でさせて頂きたく存じます。

さて、そのお着物とは‥
下の写真をご覧ください。(雑誌「ふでばこ」に掲載のものを私がスキャンした画像です)

後ろ姿のこの女性が着用しているのは、やや専門的な言葉で言うと、“元禄小袖”。その意味は、元禄時代のお着物、というものです。
元禄時代と言えば、今でも“昭和元禄”などと使われるように、町人が力をつけて経済が活発化した“上げ上げ時代”。染織史的にも、今に続く“友禅染め”が確立され、豪華絢爛なお着物が大爆発した時代でした。
この写真のお着物は、その元禄時代の小袖を現代の最高峰の技術を持つ染め職人さんが再現したもの。
前回の日記で、“雛形(ひいながた)”というデザイン帳のお話をしましたが、このお着物も、元禄時代に出版された『雛形祇園林』の中の一枚を再現しています。
これがその雛形!↓

雛形が指示する図柄と同じようにお着物に文様が入っていることがお分かり頂けるかと思います。もちろん、色も雛形の指示通りに再現しています。

このお着物を再現したのは、京都の職人集団“染技連小袖研究会”の皆さん。
着物の本場京都の中でも最高の技術を持つ染め職人さんたちが、過去の偉大な色、デザインを再現・復原するために結集している集団なのです。
(染技連小袖研究会の詳しい情報は下記URLにて)
http://sengiren.jp/sengirentop2.html

         *

私がこの小袖の存在を知ったのは、全くの偶然からのことでした。前回の日記でご紹介した江戸前期のお着物と同様、江戸中期に当たる元禄時代のお着物も、再現は本当に難しい。どうしたものかと悩んでいる中でこの小袖の存在を知り、こんなすごいものがあるんだ!どうしてもお借りしたい!と、心を込めてメールとお電話でご説明をさせて頂き、使用をさせて頂けることとなったのでした。
 
この小袖の再現には、大変なご苦労があったということです。
例えば雛形が赤と指定していたとして、元禄時代のその赤を再現しようとしても、当時の絵の具がもう手に入らない。元禄時代の黄色に使われていた“雌黄”という絵の具も、今では猛毒に指定されてしまっているために使うことが出来ない‥そんな壁にぶち当たったのだそうです。それをどうやって乗り越えるか?現代最高峰の染色家が、最高の技術と知恵を絞って再現した作品が、この小袖という訳です。

私は本当に運がいい人間だと思っています。ここまでの技術と知恵、そして着物への愛が詰まったお着物を使用させて頂けるなんて!
このお着物、前帯はどうなっているのだろう?と、気になりますよね。
皆様、ゼヒ、7月7日、その姿を目撃しにいらして下さい。
関東初公開のこの元禄小袖姿、着装は、全日本きものコンサルタント協会の素晴らしい着装家集団が。結髪は、自分結い大江戸和髪隊和髪研究会の皆さんが。履き物は辻屋本店さんが‥着物への知恵と技術と愛を込めて、展示ではなく、着装した状態で、皆さんの前にお届けします。それを、道明三保子先生が、やはり着物への愛を込めて解説下さいます。

7月7日、午後2時、浅草・アサヒアートスクエア“江戸着物ファッションショー”へ、皆様のご来場をお待ちしています!
 
江戸着物ファッションショー、詳細は下記URLにて!
http://www.maya-fwe.com/4/000251_J.html


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