西端真矢

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江戸文化の華“元禄小袖”をまとった女が、今週末、浅草に現れる。関東初公開作品です!(画像あり) 2013/07/01



いよいよ今週末に迫りました“江戸着物ファッションショー”。
帯一本を残して全ての着物が決まり(あと一本、帯でまだ悩んでいます)、豪華絢爛から粋の美まで、皆様に心ゆくまで楽しんで頂けるラインナップとなっていますので、ご予約済みの皆様はどうか楽しみにしていて下さいませ!
そして、まだご来場を迷っている皆様に、こんなすごい着物も登場するよ!というお知らせを、本日記でさせて頂きたく存じます。

さて、そのお着物とは‥
下の写真をご覧ください。(雑誌「ふでばこ」に掲載のものを私がスキャンした画像です)

後ろ姿のこの女性が着用しているのは、やや専門的な言葉で言うと、“元禄小袖”。その意味は、元禄時代のお着物、というものです。
元禄時代と言えば、今でも“昭和元禄”などと使われるように、町人が力をつけて経済が活発化した“上げ上げ時代”。染織史的にも、今に続く“友禅染め”が確立され、豪華絢爛なお着物が大爆発した時代でした。
この写真のお着物は、その元禄時代の小袖を現代の最高峰の技術を持つ染め職人さんが再現したもの。
前回の日記で、“雛形(ひいながた)”というデザイン帳のお話をしましたが、このお着物も、元禄時代に出版された『雛形祇園林』の中の一枚を再現しています。
これがその雛形!↓

雛形が指示する図柄と同じようにお着物に文様が入っていることがお分かり頂けるかと思います。もちろん、色も雛形の指示通りに再現しています。

このお着物を再現したのは、京都の職人集団“染技連小袖研究会”の皆さん。
着物の本場京都の中でも最高の技術を持つ染め職人さんたちが、過去の偉大な色、デザインを再現・復原するために結集している集団なのです。
(染技連小袖研究会の詳しい情報は下記URLにて)
http://sengiren.jp/sengirentop2.html

         *

私がこの小袖の存在を知ったのは、全くの偶然からのことでした。前回の日記でご紹介した江戸前期のお着物と同様、江戸中期に当たる元禄時代のお着物も、再現は本当に難しい。どうしたものかと悩んでいる中でこの小袖の存在を知り、こんなすごいものがあるんだ!どうしてもお借りしたい!と、心を込めてメールとお電話でご説明をさせて頂き、使用をさせて頂けることとなったのでした。
 
この小袖の再現には、大変なご苦労があったということです。
例えば雛形が赤と指定していたとして、元禄時代のその赤を再現しようとしても、当時の絵の具がもう手に入らない。元禄時代の黄色に使われていた“雌黄”という絵の具も、今では猛毒に指定されてしまっているために使うことが出来ない‥そんな壁にぶち当たったのだそうです。それをどうやって乗り越えるか?現代最高峰の染色家が、最高の技術と知恵を絞って再現した作品が、この小袖という訳です。

私は本当に運がいい人間だと思っています。ここまでの技術と知恵、そして着物への愛が詰まったお着物を使用させて頂けるなんて!
このお着物、前帯はどうなっているのだろう?と、気になりますよね。
皆様、ゼヒ、7月7日、その姿を目撃しにいらして下さい。
関東初公開のこの元禄小袖姿、着装は、全日本きものコンサルタント協会の素晴らしい着装家集団が。結髪は、自分結い大江戸和髪隊和髪研究会の皆さんが。履き物は辻屋本店さんが‥着物への知恵と技術と愛を込めて、展示ではなく、着装した状態で、皆さんの前にお届けします。それを、道明三保子先生が、やはり着物への愛を込めて解説下さいます。

7月7日、午後2時、浅草・アサヒアートスクエア“江戸着物ファッションショー”へ、皆様のご来場をお待ちしています!
 
江戸着物ファッションショー、詳細は下記URLにて!
http://www.maya-fwe.com/4/000251_J.html


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