西端真矢

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両手にきもの男子の夜 + 桐生の新作反物・帯展へ行って来ました~~久し振りのきもの日記は二つの話題で♪ 2013/11/13



きものを愛する女性の憧れの一つ、それは、“きもの男子ときものお出かけすること”ではないかと思います。
でも現実は、「うちの夫は/彼は/男友だちは、きものに全然興味がなくて‥」と、結局自分だけがきもの。あーあ、という話はよく耳にするところです。
ところが最近、私、あっさりと夢がかなってしまいました。しかも両手にきもの男子!下の写真をご覧ください。むふふです♪
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二人の素敵なきもの男子は、木下恭平さん(左)と、肥留川宇志さん(右)。
木下さんは、きものブランド“千花”のディレクターでいらっしゃいます。“千花”は色無地きもの・浴衣(浴衣は模様あり)・そしてかわいい和装小物を扱うブランド。青山にショップがあるので、皆さんゼヒ訪ねてみてくださいね。ホームページはこちらになります↓
http://chihana.com/
そして、千花オリジナルの文様入り腰紐がとてもかわいいのです。私も買いたいのですが、青海波と七宝つなぎ模様のものがどちらもかわい過ぎて迷っています。両方買うかしかない‥?下のURLでご覧ください↓
http://chihana.com/online/
この日木下さんが着ているお着物も、さすが色無地を扱っていらっしゃるだけあって、白みがかったグレーが素敵な一揃いですよね♪
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そして、お隣りの肥留川さんのご職業は、映像作家。
最近、江戸小紋染め師の・廣瀬雄一さんを撮ったドキュメンタリーが『ブレーン』誌主催の「継承と変革」映像コンテストで賞を受賞。きものサローネ会場でも流れたのでご覧になった方も多いのではないでしょうか。下記youtubeでその作品を閲覧出来るようになったとのことですので、是非ご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=pqIzj7SawBI&feature=youtu.be
この作品をご覧頂けば分かる通り、今の時代の映像感覚で伝統職人の仕事現場を作品にまとめ、世界に発信してくれる‥肥留川さんはそんな稀有な存在です。
これからも日本の染織文化に焦点を当てた作品を撮り続けて行く計画をお持ちなので、新作を楽しみに待ちたいですね。

この日は、他に、きものスタイリストの大竹恵理子さんもご一緒に、四人で熱く“これからのきもの”について語り合っていました。(大竹さんはお洋服だったので、写真の統一感のために一緒に撮影していません。次回はおきものでゼヒ女子2ショットを撮りたいです♪)
最近、三十代、四十代のきもの業界人の方々と深い話をする機会が多いのですが、それぞれの方から、きものを盛り上げて行こう!というとてつもない情熱と実行力をもうくらくらするくらいに感じています。本当に嬉しいことで、私もますます頑張るわよ!ともともと元気いっぱいの女ですが更に力がみなぎって来ることを感じるほど。
そして、街で、レストランで、歩く時、“自分もきもの、横を一緒に歩く男性もきもの”というのは本当に何とも心楽しいものだなと今回強く実感しました。やっぱりきものにはきものが似合う!‥となんだか訳のわからない文章になってしまいますが、きもの男子、もっともっと増えてほしいなと思うのです!

          *

そしてもう一枚、別のきもの男子と一緒に撮ったお写真をご覧ください!むふふ。こちらはもう男子とは言えない素敵なきものおじさまですが‥
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実はこの写真、今日の午前中に撮ったもので、私は洋服なのが残念なのですが、この後に向かった仕事の関係でどうしても洋服で過ごさざるを得なかったのです‥と、そんなことはさておき、ここはどこかと言うと、銀座・歌舞伎座の真ん前にある群馬県のアンテナショップ“ぐんまちゃん家”。
そこで開かれている、桐生の織物の新作展示会に伺ったのでした。

桐生は、言わずと知れた一大織り物どころです。その中で、今回の新作展には、後藤、泉織物、高光織物、井清織物という四つの老舗機屋さんが参加されていました。老舗と言うと古典的なお品ばかり‥?という訳ではないところを、この後ご覧頂ければと思います。

さてさて、上の写真で一緒に写ってくださったのは、泉織物の泉太郎さんだったのですが、その泉織物の新作きものが、下の写真で衣桁に掛かっているものです。一度織った後さらに絞りで文様を入れて、このような大胆且つ味わいあるきものを生み出しています↓
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他にも、こんな新作も↓
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これは、70本もの糸を精密に織って見事な微妙なトーンの色合いを生み出しながら、更に最後に紋織りで上から濃い臙脂の糸を挿し色に入れています。一手間も二手間もかかっている素敵なきものですよね。
一方で泉織物さんでは、こんなかわいい猫ちゃんのお散歩姿の名古屋帯も。
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これは一目見て分かる通り、絞りの帯。猫好きにはたまらないですね‥!

さて、今回出展の四軒の織り元さんの作品が並んでいるコーナーがこちら↓
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手前の下の紺色地の帯、ピアノの鍵盤と音符が織られているのが分かるでしょうか?井清織物さんの新作です。
井清織物の当代・井上さんはまだお若く、こういった楽しい帯をたくさん織られています。サローネにも出展されていたのでご覧になった方もいらっしゃるかと思います。
毎日の洋服のクローゼットから地続きのような、「きものだから」と構えることなく着られる帯を目指している、とおっしゃっていました。
そして、その隣り黒い花柄の帯と更に奥の菜の花の帯は、後藤織物の作品。創業明治三年、既に百四十年以上の歴史を持つ機屋さんですが、古典的でありながら現代感覚もあるすっきりとした意匠が素敵でした。

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素材からして面白かったのが、こちらの白地と紺地反物↑
何と、紙の糸で織っているという、夏の着尺です。ゼヒ会場で実際に指に触れて頂きたいのですが、とても薄くかすかに凹凸もあって、肌にべたつかず涼しく着られそうな布でした。
こちらは、高光織物さんが今年新開発したものだということで、こちらも当代で四代目の機屋さんだそうなのですが、どんどん新しいことに挑戦されている‥!その心意気が本当に素敵ですよね。
ちなみにこの写真に一緒に写っている白地に紫のすっきりとした帯、こちらも紙の糸で織ったものなんです。こちらも軽々と締められそうですよね。

高光織物さんのお品物は、他に、先ほどのお写真の音符の帯の下にかかっている淡い藤色の紬もそう。こちらも、白い音符が織り込まれているんです。音楽会に着て行くのにピッタリですよね。
そして、高光織物さん、裂き織りのシリーズも展開されています。
裂き織りは、みなさん、ご存知ですよね。古くなった布地を裂いて新しい糸と一緒に織ることでよみがえらせる技法ですが、これをプロの機屋さんが手がけるとこんな上質な帯が‥↓
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↑こちらの写真で、上に載っている友禅染めの布が中に織り込まれると、この帯のように生まれ変わります。かすかに以前の布の模様も見えるので、たとえばおばあさまからもらったけれど丈が合わなくて着られないきものなどを織り込めば、おばあちゃんと一緒にまたお出かけ出来る‥そんな気持ちになれるところがいいですよね。
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↑一方こちらは、高光織物さんのひと工夫で、織るときに縦に淡い黒で縞を入れたもの。そうすると、これももう元は古いきものだったことなんて全く分からない、すっきりした現代帯に変身!という訳です。もちろん、この写真で帯の上にかかっているピンク色のきもの地が元の布。大きな大きな変身にうならされるばかりですよね。

‥と、いかがだったでしょうか。まだまだ他にも素敵な作品がたくさん。ご紹介したのはほんの一部です。桐生新作・きりはた展。今週日曜日17日まで開催されているので、ゼヒ足を運んでみてくださいね。メーカー直売ですので、どの反物も、驚きの10万円台です。本当に本当にお得なので、ゼヒ銀座へ!
ぐんまちゃん家へのアクセスなど、詳しい情報は下記URLでご覧ください↓
http://kikaku.pref.gunma.jp/g-info/event_info.php

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そうそう、ここで最初に戻って‥両手にきもの男子写真☆で私が着ていたきもののご説明を忘れていましたので、最後に少しだけ。
この日のコーディネートは、歌舞伎の定式幕の三筋の縞を、山道文様のようにじぐざぐに図案化した横縞のおきものに、市松文様の帯。この市松の中が、一つ一つ違った江戸小紋の文様で染められているという、とてつもなく凝った一本です。
大竹さんが「え、この帯の模様、どうなってるんですか!」とすぐ気づいてくれたのが嬉しかった‥!
それにしても、この日のコーディネート、英語で書けば「ストライプ×チェック」、がちゃがちゃとうるさいコーディネート、ということになってしまいますが、きものならしゃれた遊び心の組み合わせになるところが何とも楽しいですよね!
秋も深まり、どなたの箪笥の中の手持ちも多い、袷の季節本番!あれこれとコーディネートを考えるのが本当に楽しい時期になりました。またきもの日記も随時載せて行きますので、皆様ゼヒこのブログを覗きにいらしてくださいね!

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