MAYA from West End

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*日記は日本語のみで、翻訳はありませんが、時々全文中国語の日記も書きます。
*日記の写真はデジタルカメラと携帯のカメラで撮影したものであり、作品写真ほどのクオリティはないことをご理解下さい。「本気で写真撮る!」と思わないと良い写真が撮れない性質なのです。

*這本日記基本上用日文寫、沒有中文和英文翻譯。可是不定期以中文來寫日記。請隨性來訪。
*日記的相片都用數碼相機或手機相機來攝影的、所拍的相質稍有出入、請諒解。我一直覺得不是認真的心態絕對拍不出好的東西。
© 2011 Maya Nishihata
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お茶席に、貝合わせ文様の訪問着で 2012/02/22

ここのところ仕事が忙しく、日記の更新がままなりません。
そんな訳で少し前のことになりますが、今日の日記では、10日ほど前、水天宮のロイヤルパークホテル内の茶室で開かれた、裏千家茶席に伺った日のお着物をご紹介します。
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*着物は、綸子地の訪問着。地紋は菊、文様には、貝桶と貝が描かれています。いわゆる「貝合わせ」文様ですね。雛祭りも近づいて来ていますから、男女の和合を表す貝合わせ文様は季節にふさわしいかなと着てみました。私の祖母が染めたものです。

*お茶席に参加するときは、裾をやや短めに着つけています。立ったり座ったりが多いので、軽快に動けるようにするためです。

*この着物の地色は、光沢があるとは言えグレーでやや地味なので、帯を派手にしてみました。立湧に桐竹が織られた袋帯。地色がオレンジなのでこれで着物がぐっと派手になりました。

*着物、帯ともに本当は文様のアップの写真も載せたいところなのですが、忙しくてどうにもなりません。また着る機会もあると思いますので、そのときをお待ち下さいませ!

*ロイヤルパークホテルの茶室は、5階屋上部分にあります。この日は造園家の友人も同じお席で、茶席の後一緒に庭を回り、石の種類や組み方など色々解説してもらいました。ビルの上にこれだけ多くの石を配したり背の高い木を植えるのは、ものすごく大きな荷重がかかるので大変珍しいことなのだそうです。(普通は、石を全く使わない庭園など、荷重を軽くする方向で考えるそうです)
全体的に、細部に渡り伝統をしっかり守って作られた良い庭園だとのこと。皆さんも機会があったらゼヒ見学してみてください。茶室の他に料亭もあるので、料亭利用でお庭を見ることも可能です。

*この日のお茶席は、インターネットを駆使してお茶やお茶にまつわる日本文化の普及に向け、たとえば和菓子教室、香道一日体験、そしてもちろんお茶席などなど、多彩な活動を主催しているズキさん(←ハンドル名です)がご亭主。一つ一つ、ズキさんのこれまでの人生の歩みに沿った心のこもったお道具立てを拝見し、美味しい八寸やお菓子、お茶も頂き、大変素晴らしいお席でした。仕事に追われ、何と睡眠時間一時間で駆けつけましたが、正に東京都心の真ん中で、一息、凛とした静かな深呼吸の時間を頂けたのでした!

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美術館へ、江戸小紋に華やかな染め帯で 2012/02/14

先週2月8日から、日本橋の三井記念美術館で「茶の湯への招待」展が始まりました。
国宝の志野茶碗「卯の花垣」と重文の楽茶碗「俊寛」が並んで展示されている‥というところでもう気絶もののこの展覧会。何しろ表千家の大パトロンだった三井家所蔵の茶道具ですから、名品しか出ていない、と言って良い内容です。
特に私は、以前ここの「霞」という銘の斗々屋茶碗を見たことがあって、」それがあまりにも素晴らしくて七回引き返して見に行ったほど!久々の再会に胸も弾み、1日前の7日、内覧会が開かれたので出かけて来ました。
その日のお着物はこちらです↓
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*黒地に小さく桜の花びらがおぼろに散っている江戸小紋。伝統工芸士・金田昇さんの作品です。
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*そして帯はこちら↑祖母が染めた江戸紅型の名古屋帯です。華やかな色合いで鶴、亀、松、竹、梅、霞文などが染め出され、見ているだけで楽しくなる一本。特に亀が雲の中で飛んでいるように見えるのが何ともかわいいのです。
渋い江戸小紋に載せるとちょうどいいバランス。今年はお正月から何度かこの組み合わせで出かけました。

*この日の内覧会には、武者小路千家の若宗匠もいらしていました。紺の長着に同じ紺の羽織を羽織られ、手には白い布バッグ。水色で大きくハートマークがプリントされていました。かわいらしい組み合わせですよね!

*展覧会は予想通り素晴らしく、仁清の茶碗でとても珍しいものも初めて拝見しました。楽のように見える黒いぼってりとした茶碗なのですが、縁に華やかに赤や金で鱗文様が描かれていて、その部分はどうも楽ではないように見えるのです。一体どうやって作ったのか…とにかくあんなお茶碗、一つほしい…

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大寄せの茶会に、松の小紋で~~少し地味な小紋を華やかな帯で若返らせる 2012/02/07

先週末、造園家(日本庭園)の恩田進さんにお茶券をご招待頂き、松戸・戸定邸「松雲亭」で開かれたお茶会に伺いました。その日のお着物は下の写真のように↓
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*落ち着いた藤色の小紋は、飛び文様で松の文様が散っています。その松の表現の仕方は三通り。絞り、金糸、地紋で表されています。下の写真でご確認ください↓
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*実はこの着物、またしても頂き物です。母の知人の方のお母様の遺品のお着物。衿先に「三越」の小さな布が縫い込んであるので、三越で誂えたものと思われます。
藤色も様々ですが、この反物の色は大分渋め。これで地味な帯を締めれば七十歳のおばあさんになってしまうのがお着物世界です。そこで…
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*帯を華やかなものにしてみました!桜の地に丸紋散らしで、丸紋の中には四季の花と蝶が織り込まれています。もちろん袋帯。これで年齢がぐっと若返りました。

*松の文様は季節を問いませんからいつでも着られて重宝。しかもこの着物は表現が控えめで、でも金糸が入っていたり絞り技法を使っていたりと凝っているので、格の高いお出かけ着になります。もちろん大寄せのお茶会にもぴったり。
本当に素敵な着物を頂いてしまいました。これからもどんどん着て行きたいと思います!

この日のお茶会は、松戸茶道会のご主催。会場の戸定邸は徳川慶喜の弟・昭武の屋敷だった所で、茶室だけではなく、見事な邸宅と庭をお茶席の後に楽しむことが出来ました。
有力藩・水戸藩のお膝元だけあって松戸には旧家が多く、文化の香りが高いのだと聞いたことがあります。この日もたくさんの方がお茶会に参加され、流儀違いの私と連れの友人にもとても親切にして頂きました。
そして…小間で出されたすだ・しょううんという人のお茶碗がとても素敵だったのですが、帰宅後ネットで調べてみても全くヒットせず…。お正客様にご亭主が答えていらっしゃったのを、私が聞き間違えてしまったのでしょうか。京焼きの陶芸家のはずですが(おそらく江戸時代)、もしもご存知の方がいらしたらご教示くださいませ!

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今日はシックに。無地の紬に同じく紬の帯を 2012/02/02

華やか着物やはんなり着物が大好きな私ですが、先週日曜日はシンプルシックな装いで出かけました。
場所は、祐天寺にある古民家を改造したシェアオフィス&ギャラリースペース「下馬土間の家」。
そこで或る方と或る方をお引き合わせする‥というのがその日の用件だったため、私はあくまで脇役。控えめな装いにしてみました。
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*着物は、祖母の遺品の結城。焦げ茶一色染めの無地紬です。
厳寒の東京。真綿紬はほっこりと暖かく、さほど寒さを感じずにすみました!

*帯は、太目の木綿紬糸で抽象文様を織り出したもの。
こちらは、母の知人の方のお母様の遺品を頂戴しました。

*実は昨年、「マヤちゃん着物着てるんだって?うちの着物はどうだろう?」
と、二人の方からお着物を頂く機会に恵まれました。昨今はリサイクルショップが盛んですが、
「肉親が着ていた着物を見知らぬ人に売るのは嫌」
という方も結構いらっしゃるのですよね。
そんなとき、そう、チビで痩せの私の出番です。昔サイズの体型なので、何も伸ばしたり足したりせずそのまま着られてしまいます。実は2週間程後にも、もう一方からお着物を譲って頂く予定。
こうしてどんどん増えて行く私の着物ですが、大切な肉親の着物を頂くには一つの条件があります。
そう、それは、“大切に着ること”
これはバッチリ、日々どんどん活用している私ですので、元の持ち主の女性たちも天国できっと喜んで下さっていると思います。この日のコーディネートも気に入ってくれているといいナ。

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社中の初釜には、華やかな付下げで 2012/01/30

前々回の日記では、江戸千家お家元の初釜に行った日のコーディネートをご紹介しましたが、今日の日記は、先々週末、お稽古に通っている教室の初釜の日のコーディネートをご紹介します。
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*着物は、少し光沢ある山吹色の綸子地に正倉院華紋(と思われる文様)を手描きした付下げ。綸子の地紋は大きめの唐花です。
年齢的にちょっと派手な色目なのですが、初釜の日は華やかでも良いよねと選んでみました。このお着物、母の知人の方からの頂き物なのです。むふふ。

*帯は、加納幸の葡萄唐草の袋帯。帯締めもまた別の母の知人の方からの頂き物で、朱鷺色の部分と白の部分が結ぶと左右に水引のように出る一本です。

*帯揚げは白地に赤で梅や紅葉の文様が絞りで表現されているもの。祖母の遺品の桐箪笥の中に入っていたものをそのまま使っています。

*この日はお教室の稽古仲間、ほとんどの全員がお着物での参加でした。初釜ならでは、華やかな色めが多くて“きれい”本能が満たされる‥!
写真で一緒に写っている友だちのお着物は、全て、仲良しの親戚の伯母様のものを譲り受けたのだとか。薄く白で抜いて立湧紋が入った色無地が、彼女の年齢にぴったりですごく似合っていました。かわいい姪っ子にしっかりお着物バトンタッチが出来て、伯母様もことのほかお喜びでしょうね。こんなエピソードが聞けるとちょっとうるっと来てしまいます。
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*この日のお床の飾りつけは、上の写真のように。お正月らしい、裃で着飾り「万歳」踊りをしている人々を描いたお軸に、鶴亀の香炉、炭も飾られて。こういう美しい室礼を見ると、日本人に生まれて良かった…としみじみ思わされますね。
この日は薄茶の点前をさせて頂いたのですが、やはりまだまだ細かいところでし損ないが多々ありました。1月2月は特に仕事が忙しいのですが、合間を見つけて稽古もしなければなりません…


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派手になった着物を帯で落ち着かせる 2012/01/24

洋服同様、着物にも、年齢にふさわしい色や柄というものがあります。
特に着物は、顔のすぐ下から足元まで同じ布が巻きつき、袖の分量も洋服よりずっと多い。上前(前身頃)と下前をたっぷり重ねていることから来る重量感も、見る人の無意識の中ではとても大きな存在感を占めていると思います。
だからこそ、年齢、つまり肌の質感や目元の落ち着き具合、それらと着物が合っていないときのちぐはく感は、洋服以上に大きいのではないでしょうか。そう、何か、痛い感じを見る人に与えてしまいます(そういう人を街中や自分の周りに散見します)。とは言うものの、多少派手めかなと思う着物でも、もう少し着ていたいものもある!
また、今は着物に限らず洋服の年齢基準も、そして何より女性たちの見た目も、昭和の頃の基準より全てがほぼ十歳くらい若くなっているのではないでしょうか。そんな時代の変化の中、昭和基準であまりにも地味な着物を着ているのも、また浮いてしまうかなと思ったりもします。
そう、妙な若作りのちぐはぐも痛いけれど、地味過ぎてもくすんでしまう。年齢にふさわしい着物を着るということは何と難しいのでしょうか!今日の日記は私なりに、そんな試行錯誤を試みてみたコーディネートのご紹介です。
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*上の写真で着ている着物は、少し黒みがかった濃い臙脂色の、色無地お召。母が二十代のときに作ったものです。私の年齢は、今、四十一歳。昔ならこのような色は四十代になったら絶対着ないと思いますが、上述の「十歳若くなっている」基準に照らすとまだ行けるかな、と。地色が黒みがかっていることも幸いしていると言えるでしょう。

*私が二十代三十代なら、白系の帯や大きめの花柄の帯など締めるところですが、四十代の今、着る…ということで、紺色に小さな花柄などが織り込まれた洒落袋帯を合わせることにしました。これでぐっと着物が落ち着いたのではないかと思います。

*帯揚げは、抹茶色のちりめん無地。帯締めは、黒地に赤でぽつぽつとアクセントの飛び文様が入った一本を締めてみました。帯で落ちつかせた空気感(?)をキープする組み合わせにしてみたつもりです。

いかがだったでしょうか?派手を落ち着きに変えるコーディネート。これからも挑戦してみたいと思います!

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初代・龍村平蔵の帯で、初釜へ 2012/01/19

先週、いつもお仕事を頂いている出版社の重役の方のお招きで、江戸千家お家元の初釜に参加致しました。今日はそのコーディネートご紹介日記です。

さて、当日のコーディネートは下の写真のように。
残念ながらお茶席の場では写真を撮ることは出来ませんので、帰宅してから家で撮ったものになります。
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*着物は、祖母が染めた色留袖。菊の地紋の綸子地に流水取り。その中に桐などを染めた一枚です。華やかではありますが格は高く、お家元での初釜にふさわしいかなと思い、選んでみました。
まあ、なかなか色留袖を着る機会もありませんので、ここぞとばかり出してみたという裏事情も!

*実はこの色留袖、三つ紋だと思い込んで当日を過ごしていたのですが、帰宅して衣紋掛けに掛けてみたら、五つ紋でした…!地紋の凹凸に白の日向紋が紛れ、気づけていなかったのでした。
恐らく初釜ですと三つ紋の方がふさわしかったように思いますが、格下げで失礼をした訳ではないので、良かったと思うことにします。
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*この日締めた帯は、我が家の家宝の帯の中の一本。何と、初代・龍村平蔵作なのです!
着道楽で、三越の呉服部がしょっちゅう家に御用聞きに来ていたという母方の曾祖母から受け継いだもの。戦時にも田舎に疎開させていたため、空襲の火を逃れることが出来ました。ひいばちゃま(と呼んでいました)、ありがとう…ひ孫はその着道楽の血を色濃く色濃く受け継ぎ、焼け残った帯をこれからも大切に締めて行きますよ!

*文様は、桐竹紋。昔の上質の絹糸でしっかりと織り込まれているため、軽く、また、体に吸いつくようにしっかりと止まります。あまり着ていなかったのでしょうか、全く汚れもなく、時を経ても新品のようなのです。
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*初代・龍村平蔵作の証は、垂れの裏に↑。しっかりと名前が織り込まれています。
初代以降のお品物はほとんど「龍村美術織物」と織られていると聞いたことがありますので、ここが目印になりますね。
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*また、もう一つの龍村印は、垂れ部分の界切線↑唐織りの豪華な線が入っているのが特徴です。

*帯締めは、淡い藤色の道明。帯揚げは淡い桜色に小さな鹿子絞りの一枚を。でも帯締めは、もう少し濃い色のものでも良かったかなと思います。

*当日は、江戸千家・川上閑雪家元の、高雅で、しかし力強い凛としたお点前を拝見し、また、金泥を施した島台のお茶碗もお正月らしく眼福でありました。
お料理は、吉兆の点心。お酒は越乃寒梅(美味しい!)。若輩の私にも皆様やさしくお話をして下さり、あっと言う間の3時間ほどでした。
一つだけ画竜点睛を欠いたのは、髪が途中で崩れたこと。この日は美容院でセットをしたのですが、途中で後ろの毛が落ちて来て、直しながら過ごさなければならず、大変いらいらさせられたのです。(冒頭の写真ではきれいに見えていますが、後ろは写真のためにピンで上げています)
翌日、下駄引き取りに行ったときに(美容院までがわりと遠いので行きの道は下駄で行ったのです)猛抗議をすると、全額返金になりましたが…全く嬉しくありません。
いつもの美容院が開かない時刻だったので初めての美容院にしたのですが…なかなか難しいものですね。

*とにもかくにもお家元のお席で初釜を迎え、今年も茶道に精進しようと気を引き締めている年の初めです!

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中尊寺について書いた紀行エッセイ、雑誌掲載 2012/01/18

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お仕事ご報告の日記です。
昨秋、岩手県平泉市・中尊寺を訪ねて書いたエッセイがJAL機内誌『SKYWARD』国際版1月号に掲載されています。
JALで旅される方、良かったらページをめくって頂けたらと思います。
  
        *

このお仕事の裏側を少し書きますと‥、歴女ではあるものの東北史、そして奥州藤原氏史には詳しくなかった私はこれを機に猛勉強。入間田宜夫先生、高橋富雄先生、斎藤利夫先生などの著作を読破し、すっかり古代東北史に魅せられてしまいました。
その魅力の理由は、これまで「ど田舎の地方史」とないがしろにされて来たが故に、新発見が多く、まるで推理小説の謎を解くように「東北の地の古代のあり方」が垣間見えて来るところにあるのだと思います。
現在も東北は日本の米どころですが、古代においても同様。それに加えて豊かな山、海、川の幸。鉄や金鉱、名馬の産地でもあり、文明のない「野蛮な蝦夷地」という見方は、肥沃な東北の地を狙って度々侵略を繰り返した中央朝廷側の「戦略的蔑視」だったことがだんだんと分かって来ています。
その東北の地に、父・母・妻・子を失うなど、幾多の悲劇と危機を乗り越えた後、覇者として君臨した藤原清衡。彼は朝廷側にぶざまに屈することもなく、かと言って表立って反抗してわざわざ戦乱を呼び込むこともせず、実に知的に政治力を駆使して、東北を実質上の独立王国に仕立て上げたのでした。この知将っぷりに私は心から敬服してしまったのです。

平泉の地を歩くと、まだここにも、ここにも、ここにもきっと歴史的遺産が埋まっているに違いないと思わされる「史跡の予感」をそこここに感じます。実際、藤原氏の宮殿があった柳之御所すら、発掘は完全に終わっていないのです。
今回、諸事情で編集者とフォトグラファーは先乗りで取材に向かい、私は一人で平泉を回りましたが、町の中で私と同じように、一人、歴史の跡、そう「兵どもが夢の跡」にじっとたたずむ歴男・歴女を見かけました。
世の趨勢に抵抗し、やがて勝ち抜き、そして百年の栄華の後に滅びて行った東北の覇者・奥州藤原氏の町は、一人しみじみ歩くのに最もふさわしい町なのかも知れません。

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大好きな梅の小紋、今年は帯締めを換えて 2012/01/11

お着物愛好家の皆様、新年明けましておめでとうございます。
今年もたくさん着物を着て行きますので、どうぞ時々このブログを覗きに来て頂けますようよろしくお願い申し上げます!

そう言えば先日、写真の仕事で現場に入ったときにこんなことがありました。当日、カメラを構えて準備をしていると、部屋に撮影対象者の方々が入って来られました。中に知人が二人がいたのですが私に気づいていないようなので、軽く手を振ると、
「え、マヤさん?」
「着物じゃないから全然分からなかった」
「ねー」
と言われ、これが何だかちょっと嬉しかった私です。そう言えばこのお二人とは、着物でしか会ったことがありません。仕事の都合で毎日とは行かないのが残念ですが、今年も週2~4回は着物を着たいと思っていますので、ブログも応援よろしくお願い致します!

          *

さてさて、新年初のお出かけは、上野の東京国立博物館へ。中国の国宝中の国宝であり、中国ですらほとんど公開されることのない『清明上河図』がやって来ると言うので、絶対見なければ!!と駆けつけました。
…結果、2時間半も行列に並ぶことになりましたが、でも、現在では3時間半という日もあるそうですし、私の中国人の友人は上海で出たときに5時間近く並んで見たそうですから、2時間半ならまだ良い方だったと思います。
私は日本の古美術が大好きな人間ですが、日本美術好きこそ、この展覧会には足を運んだ方が良いように思います。日本美術に中国からの影響があるのは自明のこと。日本人は中国の何を取り入れ、何を選ばず、何を独自に切り開いたのか、それを理解することで、日本人の美意識とは何かを本当に考えることが出来ると思うのです。
この展覧会、『清明上河図』を見なければ待ち時間ゼロで回ることが出来ます。『清明上河図』以外にも素晴らしい作品がたくさん出ていますから、ゼヒ足を運んでみてください。もちろん、出来れば、本・お茶など携えた上、列に並び、『清明上河図』もゼヒ!

          *

さてさて、この日のお着物はこちら↓

*祖母が染めた梅鉢文様の小紋です。この着物があまりにも好きで、大学時代から数えたら一体何回着ているのか…痛快で明るいけれどちっとも騒がしくない絶妙な色の取り合わせ。我が祖母ながら天晴れな作品です。
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*このブログをよく見に来て下さっている方は、これまでに何回かこの梅鉢小紋の着こなしをご覧頂いていたと思います。今年は昨年と同じく、紅花染めの、その紅の色が薄っすらと乗った生成りの帯を締めてみたのですが、帯締めだけは変えてみました。比較写真をご覧ください↓
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*上が昨年。下が今年の取り合わせです。
昨年は青の帯締めでちょっと色が着物とばっちり合い過ぎていて「粋じゃない」と反省。縹色、緑、茶などの糸が複雑に組まれた一本に変えてみました。

*この帯締めは、昨年末、母の知人のお母様の遺品を頂いたもの。亡くなったお母様のお着物のサイズが小さく着られる人がいないということで、チビ痩せの私が大量のお着物、帯、帯揚げ、帯締め、草履、下駄、コートを頂いて来ました。これから折々ご紹介して行きます!

*冒頭の写真の後ろに写っている花は、華道「真生流」副家元・山根奈津子さんの作品です。
私は大学時代から6、7年(←昔のことで年数忘れました‥)真生流のお家元教室でお花を習い、その頃奈津子さんはまだ中学生で、晃華学園の上品なグレーの制服を着てバレー部の活動に熱心に取り組みながら、お花の稽古にも励んでいらっしゃいました。当時から、お喋りをすると「聡明な女の子だな」ということが感じられ、将来をとても楽しみにしていたのですが、立派にこんな大作を生けられていて感無量です。月日の過ぎるのは本当に速いですね。

ではでは皆様、本年もよろしくお願い申し上げます!

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2012年 私の抱負 2012/01/05

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皆様、新年明けましておめでとうございます。
昨年2011年、私は自分自身が納得の行く仕事を幾つか成し遂げることが出来、プライベートでも昔からの友だちとは変わらず仲良く、そして新しい素敵な出会いも幾つもあり、個人としてはとても充実した1年を過ごすことが出来ました。
しかし、それでもやはり、昨年1年は私にとって今まで生きて来た人生の中で、最もつらい1年だったと思います。それはひとえに、原発事故という恐怖と悲劇とを体験し、愛してやまないこの国の文化の根幹であるもの…そう、日本の美しい自然が汚されて行く姿を目の当たりにしなければならなかったからです。

新しい一年を迎え、恐らく日本に住むほとんど全ての方が、この国はこのままではいけない、この国を変えて行かなければならないと思われているのではないでしょうか。
しかし振り返って日本を取り巻く現状に目を向けてみれば、隣国北朝鮮はいつ暴発するか分からない爆弾のようなもの、ロシアと中国の軍事的脅威は日に日に増し、世界経済はいつ大恐慌へ突入するかも知れないという綱渡りを続けています。こんな中でどうやって国を立て直して行けば良いのか?それでも、原発事故が私たちに露呈したものは、戦後70年弱の歳月をかけて築き上げて来たこの社会の仕組みそのものの中に、事故を引き起こした原因があったということ、その残酷な真実だったのだと思います。

このような状況の中、一体日本に幾つの職業があるのか、幾つの地域グループがあるのか、それは私には分かりませんが、それぞれの人がそれぞれの持ち場の中で決して希望を捨てないこと。どんな小さな一歩でも良いから現状を変えようという意志を持ち、その小さな意志に沿ってに本当に自分の生活の一部を変えてしまうこと。大きなデモをしたり政治家に働きかけたりすることももちろん大切ですが、自分が実際にお金を稼ぐ場でその意志をどう表すのか、自分の生活圏の中でどう表すのか。その一つ一つの集積の中から、希望の道が立ち現れて来ると私は思うようになりました。何故ならば私たちが無意識にあきらめたり、無意識に自分を騙して受け入れて来たものの中にこそ、福島事故を引き起こした原因が存在していたからです。だから、逆にあきらめないこと、徹底的にこの残酷な現実を見つめ、小さくても具体的な行動に変えること、その中にこそ、希望もまた存在し続けると思うのです。

         *

…と、とても大きな範囲のことを書き綴りましたが、では、私個人が新しい1年をどう過ごして行くかということを考えたときに、上記の大きなパースペクティブを常に和ずれずに保ちながら、自分の一つ一つの仕事に落とし込んで行くこと…これに収斂して来るかと思います。
少し具体的なことを書きます。
まず、幸いにも昨年から私は中国語圏、英語圏の方々へ向け、日本文化の魅力を伝える媒体に発表の場を頂けており、今年も私が良い切り口さえ提案出来れば、引き続き機会は与えられることが分かっています。そのためには私自身が常に勉強を続け、日本文化への理解をいっそう深いものにして行かなければなりません。
そして、ただそれだけではなく、その中で得たものを、常に日常の中へと返すこと――例えば私が着物を着るようになったことで、周囲に着物教室に通い始めたり、通おうと考え始めた友人知人がどんどん増えて来た現実を目の当たりにすると、大きな媒体に打って出ることだけが大切なのではない。自分が愛するものを自分の生活の中に取り入れ、自然に呼吸することで、周囲の現実を変えて行くことが出来るのだということを学びました。
或る一つの理想、自分のファンタジーをただ机上のものとして扱う、或いは広告ポスターのように派手に祭り上げる…おそらくそれだけでは十分ではないと思うのです。自分の生活の中にそのファンタジーそのものを取り入れてしまうこと。今年もそんな毎日を続けて行きたいと思います。

私のファンタジー、それは今年も着物をめぐって行われ、また、もしもこの世に何か茶道の神様のようなものが存在しているのだとしたら、その神様に今は小指でも少し引っ張ってもらっているかなと思うくらい、不思議と昨年後半頃から次々と、茶道との縁が深まるような出来事が起こり続けています。この波の中に身を任せ…もちろん真面目に勉強と稽古を繰り返し…どこへたどり着いて行けるのか?自分でもこれから始まる新しい一年が楽しみでたまりません。
そう、もう一度まとめて言えば、着物と茶道、この二つの領域について、出来る限り貪欲に勉強し、実践すること。これが私の今年の目標の一つです。

また、初めて中国文化に興味を持ってから既に16年。両国間に何があっても中国への愛は家族への愛のように変わらない私にとって、もう一つのファンタジーは、やはり中国です。
私の今年の“中国夢”、それはズバリ、日中関係に関する本を出版したい、ということ。現在出版社との間に企画が進行中で、この本をゼヒとも今年中に世に送り出したいと思っています。
そして、今年は、中国・台湾・香港どこかの地域に最低1度か2度は渡航したいと思います。また、今までにも毎日40分ほどは中国語のブラッシュアップのために時間を使っていましたが、今年は更に文学的な読解能力を上げることにも力を振り向けて行くことが大きな目標です。良い中国語の文章を書こうと思うなら、その前にたくさんの良い中国語の文章を読んでいなければなりません。つまり、中国語の文学作品をもっともっと読むこと。ああ、時間はいくらあっても足りません…

            *

このように書くと“真面目な努力家”と誤解されてしまうかも知れませんが、実はすぐだらだら楽な方に流れがちな私は、こうして表に発表することでやっと自分に鞭を打つことが出来ます。
そう、もう一度ここに、声に出して読み上げるつもりで敢えて列挙して自分を叱咤激励すると、今年の私の目標は、
一、頭を振りしぼって着物(=染織史)の勉強をする
二、頭を振りしぼって素敵な着物のコーディネートを考え、
   週3~4回は自分が実際に着て人に会う
三、頭を振りしぼって茶道史の勉強をする
四、こつこつと真面目に茶道の稽古を行い、多くの茶会に出席する
五、日本史の本を読みあさる(古代から現代史まで)
六、中国語会話と中国語読書の勉強を日々休まずに実践する 
七、中国、台湾、香港のどこかに今年中に1回か2回は渡航する
八、日中関係論についての本を出す
九、一から八の全てを通じて考察したことを、随筆、創作文章作品、或いは写真作品として発表する

ああ、めまいがするほど高く険しい目標です。でも、1年365日この全てをきっちり実践するつもりです。何故ならこれら全ての行為は冒頭に書き記したこと、“日本を変えて行くための努力”の私なりの実践方法だからです。日本を変えて行くためには、自分たちの国土と国民性がどのようなものなのかを理解しなければなりません。そして日本の未来には中国が大きな関わりを持っています。一人の人間に出来ることにはおのずから限界があるけれど、でもその限界の中で、そう、私は私の守備範囲の中で、最大限の努力をしたいと思います。2012年が私にとっても、この日記を読んで下さったどなたにとっても、実り多きものとなりますように。

(冒頭の写真は、1月2日「故宮博物院展」を見に行った東京国立博物館にて)
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