西端真矢

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「東京キモノショー」開幕。訪問レポート! 2017/04/29



黄金週間、開幕。
今日は日本橋三井ホールで5月7日まで連日開かれている、「東京キモノショー」へ遊びに行って来ました。
http://tokyokimonoshow.com/
(現在、私のブログシステムに不具合があり、リンクを飛ばせなくなっています。お手数ですが、上のURLをそのままコピー&ペーストして検索頂き、当該ページへと飛んでください)

キモノを中心に、和の様々なコンテンツが揃うこのイベント。内容が盛りだくさん過ぎてすべてを書くことは難しく、詳しくは上のURLを参照頂きたいのですが……中核となるのは、「キモノスタイル200」。日本全国のキモノ店、染織作家、キモノスタイリスト、キモノライターなどなどの方々が、思い思いのキモノスタイルをトルソーで発表。その様子はまるでキモノの森のようです↓
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会場では自分の好きなスタイル10体への人気投票も行われています。どのスタイルに入れようかと考えながら見て回ると、よりしっかりとそれぞれの特徴に目を配ることになり、楽しいと思います。
中には5月より公開の野村萬斎さん主演の映画「花戦さ」の衣裳も展示されています。戦国時代を生きた華道家・池坊専好が信長・秀吉・利休など戦国の英傑たちと切磋琢磨しながら己の花を完成させて行く様を描く映画のようです↓
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↑下の段の紺のキモノは、私の大・好・き・な、萌えキモノ「直垂(ひたたれ)」ではありませんか!
映画では石田三成が着るようです。三成は好きな武将ではありませんが、直垂は大・好・き。生け花ももちろん大好きなので、この映画は観なければ、とまんまとパブリシティに乗せられた私です。

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↑それほど大きくはないキモノ業界、会場ではたくさんの方とお会いしましたが、二人だけ。東京キモノショー実行委員長の中野光太郎さんと、副実行委員長の木越まりさん。中野さんはふだんは目白のキモノ店「花想容」店主であり、絞り染め作家であり。まりさんは「加花」という、昨年スタートしたキモノブランドのデザイナーです。
お二人とも、ご自分の事業がありながら、キモノの活性化のために頑張っていらっしゃる。いや、お二人だけではなく、このイベントに関わっている総てのスタッフの皆さんがそうですね。頭が下がります。
上の同じコラージュに上げているかわいいキモノ人形は、人形作家宇山あゆみさんの作品。また、もう一枚の写真は、会場に設けられたステージの様子を撮ったもの。7日まで連日、日本舞踊、若手能楽師によるお能、キモノトークショー、和太鼓、キモノファッションショー、三味線、銭湯ペインティング…などなど、日々10以上のプログラムが入れ代わり立ち代わり行われています。上の写真に掲載したのは、池坊の若手男性作家グループIKENOBOYSのトーク&生け花パフォーマンスショーの様子。毎日のステージタイムテーブルは、こちらからご覧ください↓
http://tokyokimonoshow.com/eventstage/

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会場の真ん中には、木と紙で作られた球形の茶室があり、「ひかりの茶会」と名づけられ、裏千家茶人による茶会が朝から夕方まで30分おきほどに開かれています。(詳しい時間は会場にお問い合わせください)
私は夕方の最終回、16:30の回に参加しました。かわいい女の子のお運びさんもいて‥↓
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お菓子は、神楽坂「梅花亭」によるもの。毎日違うお菓子が登場するそうです。今日は、会場のこの茶室をイメージしたもの。ふるふるとしたゼリー状の部分と餡の部分とのバランスが絶妙でした。
そう言えば、この茶室は、実行委員長の中野さんが設計したのだそう。バックミンスター・フラーの建築理論を実践したとかで、それは、三角錐を集めてどうとかこうとかしてドーム型になる???といったような理論のようです。中野さんから模型を見せてもらって説明を受けましたが、立体に弱い私にはさっぱり。分かったふりをしてニコニコ聞いていました。一つ前のコラージュ中で中野さんが手に持っているのが、その模型。絞り染めだけではなく数学も得意だなんて、中野さん、すごい…
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そうそう、会場には、和菓子だけではなく洋菓子のカフェもあります。ミシュラン一つ星の白金「TIRPSE」が出店。お店の名物の「富士山カヌレ」を頂けます↓
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フリー編集者の小林佳代子さんと。甘いものに異様にうるさい私。カヌレもあれこれ食べ比べていますが、現在日本で主流のふわっとしたカヌレではなく、こちらのお品は、どっしりとした重厚な食べごたえをしていました。オーナーさんがいらしたので感想をお伝えすると、シリコン製ではなく、鉄の型を使って焼くことが味に影響するんですよ、とのお話。なるほど‥!

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↑今日の私のきものは、米沢「新田」の紅花紬に、祖母が染めた塩瀬の名古屋帯を。花籠に柳と牡丹、その周りを燕が飛んで…という、初夏の予感の一本です。足元はこんな風に…↓
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浅草「辻屋」の女将りえさんに選んで頂いた、塗りの舟形下駄。変わり麻の葉?柄の鼻緒との相性が、何とも素敵なのです。バッグはアタバッグを持ちました。初夏の頃から、籠バッグで出掛けたくなります。
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いかがでしたでしょうか、初日レポート。「東京キモノショー」は日本橋三井ホールで、7日まで毎日開催しています。ぜひお出かけください!

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頂き物の着物と水屋着で、社中の茶会。お床の花を担当の巻。 2017/04/27



先週の日曜日は、社中の温習茶会でした。
毎回、駒場東大前の旧前田侯爵邸和館内にある茶室を借りて行っています。下の写真が、その前田邸和館の門構え↓
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以前は総て先生のお道具をお借りしていたのですが、前回より、勉強も兼ねて、社中メンバーの持っている道具で使えるものは使い、組み合わせていこうということになりました。
今回、私は、水指と床の花入れを提供しました。水指はこちら…↓
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奈良の赤膚焼の松田正柏の作。以前、奈良に長く住んでいた祖父が松田さんと交流があったようで、我が家で所有しているものです。春の日にふさわしいすっきりとした白色系の肌に、底の部分に釉薬の垂れを残した点が見どころです。
棚は、江戸千家の棚、米棚。棗は先生がお持ちのもので、角野亮斎作。美しい螺鈿細工で二人静を表現しています。
花入れと、そして花はこちら↓
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これも毎回のことなのですが、二十代の頃、真生流で生け花を学び、(腕は大分錆びついていますが)師範免状を持っているため、常にお花担当を仰せつかっています。以前は花も花入れも先生がご準備下さっていたのですが、前回からやはり勉強のため、自分で調達することに。これがなかなかに相当大変です。
思案の末、大分前から、今年は籠を使ってみようと考えていました。籠は初夏から秋の初め頃と使う機会が限定されるため、花を習っていた当時から、練習の機会が少ない花器。今回は敢えて挑戦してみたいと思ったのです。
幸い、半年ほど前に、地元の骨董屋さんに、祇園「西村」という竹細工店の老舗の籠が入り、状態も良かったので即購入。花はどうするか、これもあれこれ考えましたが、我が家の庭に楓(もみじ)の大木があり、子どもの頃はしじゅう登っていたので、懐かしさもあり、久し振りに木登り復活して枝を切ろう!と思いたちました。茶会前日、斜め掛けポシェットに木鋏をしのばせ、懐かしい木の股に足を入れ、以前より太くなった幹をよじ登ったのですが…写真を見て頂いてもお分かり頂ける通り、結局、茶器当日は、同じ庭から切った山吹の方を使いました。折角苦労して登ったのに…でも、花は生きもの。現場でお軸との相性具合などを見て修正するのは、当然のことと思います。もう一種生けている紫の花は都忘れ。こちらは、木登りの後青山の「花長」へ遠征し、購入したものです。ちなみに、お軸は、池大雅の弟子の系譜の大雅堂月峰の富嶽図です。先生がお持ちのもの。
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↑折角木登りまでして切った楓の枝も活用しないともったいないと、受付の小さな三島手の花入れに生けてみました(写真が若干ピンボケです)。ツツジも、我が家の庭から切ったものです。
それにしても、花当番は何が大変と言って、調達もですが、家から会場まで、花や葉を傷めないように運ぶことが一番大変だと実感します。朝早く起きて髪と着付けを終え、それから花の茎に水を含ませたチリ紙を巻いて、更にサランラップを巻いて…花材は多めに準備しているので、この準備が大量でまず本当に一苦労。そして、車を運転しない私は、電車で運ばなければならない訳です。人にぶつからないように、物にぶつからないように、前後左右に気を配りながら歩き、更に前田邸が駅から遠く…生けることより何より、無事花を運搬する、このことに毎回疲労困憊です。
それでも、花はまあまあの出来でほっと一安心。安心したせいか自分のお点前も、平常心でさらっとつつがなく終えることが出来ました。
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そんなこの日の着物は、こちら。母の知人のお母様の遺品を頂いたもので、そのお母様もお茶をされていた方ということで、まさにお茶にふさわしい、控えめで瀟洒な一枚。藤色地に小さな松が、絞りと金糸刺繍でぽつぽつと表現されています。とても気に入っており、ありがたく着用しました↓
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帯周りはこんな風に↑
小葵文様の、名古屋を合わせました。定番とも言える組み合わせ方ですが、定番ならではの安心感。
ちょっと面白く思って頂けるかな、と思うのが、水屋着。一枚は写真が暗く写ってしまっているのですが、こんな黒色の水屋着を着用しました↓
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実はこれ、水屋着として作られたものではないのです。一年中着物を着ていたという、これもある方のお母様からの頂きもので、その方は対丈でこのお着物(単衣です)を着て、みやつのところに縫いつけた紐で腰周りを締め、その上に半幅を結んで一日を過ごしていたそうです。毎日着物時代の“ふだん着物の知恵”!
その方は私より背が小さかったのでしょう、私が着るとくるぶしより少し上の丈になります。これをそのまま水屋着として着てしまうことにしました。大島なので、撥水も良く、足元まで長さがあるため水はねや花粉が着物についてしまうかも…という心配もありません。

…ということで、頂き物のお着物と水屋着で、今年もつつがなく終えられた温習会。また日々の稽古に励みたいと思います。

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紅花紬で、東博「茶の湯展」鑑賞1回目(あと3回参上予定♪) 2017/04/20



暖かな春の陽の今日、東博で開催中の茶道美術展「茶の湯」展へ、第一回目の遠征をして来ました。
37年前、茶の湯で用いられる名品の数々が、全国の美術館、そして全国の数寄者のもとから一同に会した「茶の美術」という展覧会が、やはり同じ東博で開かれています。今や伝説となったこの展覧会が、平成の今年、復活。しかも、37年前に一切を取り仕切った林屋晴三先生が今回の初日の数日前に逝去、というドラマチックな幕開けをしています。
私自身は37年前、母に連れられてこの展覧会に行った記憶がうすらぼんやりとあり、しかしその時十歳、まだ展示作品の意味も真価も分からず‥‥ただ光悦の茶碗を眺めたことだけが目の記憶の中に残っています。
今回の「茶の湯」展は、
1章「足利将軍家の茶湯 唐物荘厳と唐物数寄」
2章「侘茶の誕生」
3章「侘茶の大成 千利休とその時代」
4章「古典復興 小堀遠州と松平不昧の茶」
5章「新たな創造 近代数寄者の眼」
の5部構成。ものベースではなく、茶の湯の歴史を時間軸に沿って見つめながら、その中で各道具がどのように賞玩されていったかが理解出来るよう構成されています。
各章で細々と展示替えがありますが、明治以降の近代大茶人のコレクションに光を当てた5章が2週間ごとに茶人を変えて、大きく展示替えとなるので、勉強のため、4回すべて足を運ぼうと思っています。今日はその1回目という訳なのでした。
気合を入れて、入口の大きな看板の前で↓(お着物好きの皆様へ、着物の詳細は後ほど)
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実は、今日を初回に選んだのには理由があり、会場の平成館1階ホールで、4月中連日開催されている茶道各流派持ち回り呈茶席で、武者小路千家東京支部のお友だち二人がお点前をする!とのこと。足休めにお茶もいただきたくなるだろうし、ぜひ20日に!と決めたのでした‥が、あっと言う間に茶券が売り切れ、私が着いた時にはもう‥泣。それでも気を取り直し、友人の雄姿を写真に収めました。お点前のときではなく、お運びを担当されている時の様子です↓
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左は吉田雪乃さん、右が渡辺みずほさん。お二人とも、着物好きの方はご存知かもしれません。吉田さんは伝統色彩士協会の代表であり着付け師であり、渡辺さんも着付け師として活動しています。
呈茶席のお床はこちら。武者小路千家十一代お家元一指斎の「柳緑花紅」のお軸がかかっていました↓
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さて、展覧会の話に戻ると、会場内には、古田織部作の国宝茶室「燕庵」の復元茶室も展示されています。撮影OKなので、公開↓
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こちらは点前座からの景色↓
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方向音痴、且つ展開図の読み解きが極度に苦手な私は、これまでこの「燕庵」の図面+一部写真+文章での解説に何度もトライしているのですが、どうしても理解出来ず‥しかし実物が立ちあがったものを見て、ようやく理解することが出来ました。私のような立体バカには、このような展示は本当に貴重なものです。
今回の「茶の湯」展は、この茶室展示のほか、茶の湯がどのように同時代の風俗絵に描かれているかを見るコーナーがあったりと、37年前より、より多角的に茶の湯を捉える意欲的な構成です。出品作品もとてつもなく多く、一日ではとてもとても総てをしっかりと味わい、咀嚼することは出来ません。
私は今日は、午後いっぱい使って、1章、2章、3章の初めの1コーナーのみ、5章、茶室展示…を見ました。これからの3回を使って、残りの章を見たり、一度見た章も再度振り返るなどして、内容をしっかり味わい、しっかりと目と頭に定着させて行くつもりです。特に3章の分量が膨大なので、スケジュールの都合で1日しか足を運べない方は、時間配分を考えて回ると良いと思います。
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こちらは、会場を出たお庭の花水木の前で。後ろに、大好きな本館が映っています。
帝冠様式と呼ばれる、洋風建築の上に瓦の屋根が載った建築スタイルが大好きで、日本でも中国でも見かけては一人萌えているのですが、特にこの東博本館は、その最もお金のかかった威風堂々スタイル。萌え度マックスです↓
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お着物ファンの皆様のために、帯周り写真も↓
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着物は、米沢「新田」の紅花紬。紅花染めはピンク色(紅色)がスタンダードですが、紅花の花びらを最初に絞った時に出る色は、黄色。その黄色で染めた糸を主にした紬です。格子柄の筋に、一部紅色も使われています。
帯は、13日のブログでも締めていた、春の里山風景の名古屋帯。祖母が型染したものです。桜の季節は終わりましたが、ちょうど今日の写真の花水木のように、桜の後に咲くピンク色の花の木が満開の様子…ということで(*^^*)
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いかがでしたでしょうか、見どころのいっぱいの「茶の湯」展。ぜひ皆様もお運びください。
現在はバックナンバーとなりましたが、私が担当しました「婦人画報」4月号中のこの展覧会の特集も、お取り寄せいただいて参考にして頂けたら幸いです♪

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中村勇次郎訪問着で、GINZA SIX内覧会へ。 2017/04/18



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今週木曜日、20日にオープンする「GINZA SIX」。
連日開かれている内覧会に足を運びました。
240店舗ほどもお店が入っているということで、とても総てを回ることなど出来ず、とてつもない人出。その中をかき分けかき分け、ご招待を頂いた「OKANO」さんへ。博多織の「岡野」さんの東京旗艦店です。
……と言っても、着物・帯は少なく、スカーフが中心。例えばこちらは、エルメスなどのようなスカーフの生地に、友禅で鳳凰を染めたもの。100万円超えのお品です(@_@)↓
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こちらは、アーティスト小松美羽さんが手描きしたもの↓
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こちらはシフォン生地のスカーフで、着物のぼかし染の技法で染められたものです。10万円台。美しい…!↓
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こちらのシリーズは、エルメスなどのスカーフと同じような、プリントもの。雪輪、博多織の独鈷模様など、日本の伝統模様を大胆にアレンジした大判スカーフです。上のシフォンスカーフと合わせ、海外の方にも人気を呼びそうですね。5万円台↓
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お友だちのまりなさんと遭遇↓
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まりなさんは、タレントプロダクションを経営されています。2年前、きものイベントの裏方運営を一緒に回して親しくなったのですが、前に出るべきところは前に出、サポートに回るところは回ってくれる、こんなに働きやすい人は滅多にいないというくらい、素晴らしい仕事人でした。女性でも男性でも、私は仕事の出来る人が好き…なので、まりなさんが大好き。最近は尾上流日本舞踊を始めたそうで、そのうち舞台に伺うのを楽しみに♪

旧友のライター“きたもっち”こときたもとゆうこ嬢にも遭遇。日経スタイルなど様々なメディアでトレンド情報を発信しています(写真、ピンボケ気味です)↓
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私の着物は、伊勢型紙彫りの人間国宝・中村勇次郎の型を染めた江戸小紋。染めの段階で訪問着になるよう色を染め分けたものです。全身の写真がないのでちょっと分かりにくいのですが…またそのうち別の機会に着用して撮影したいと思います。今日は帯の寄りを。「加納幸」の葡萄唐草+華紋柄の帯に、「道明」のインパクトある帯〆を入れることでコーディネイトのアクセントにしました。この写真ではあまり見えていませんが、「ゑり正」の紫の輪出し絞りの帯揚げを締めています↓
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GINAZA SIXには「OKANAO」の他に、もう一店着物店が入店しています。
その「JOTARO SAITO」にも足を運びました。ディスプレイがとてもスタイリッシュです。ご覧ください↓
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銀座の真ん中で、海外からの顧客も取り込むべく出店した2店。着物ファンとして、その勇気とチャレンジ精神に大きな大きなエールを贈りたいと思います。「OKANO」「 JOTARO SAITO」の発展を祈って!

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楽焼き「茶碗の中の宇宙」展 2017/04/15



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東博、近美、出光と、茶の湯美術展が目白押しのこの春、まずは近美の楽茶碗展を制覇。
茶陶とは美術なのか、茶陶という別の領域にあるものなのか、ということに思いをめぐらせる…

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着物で青梅へ。「鷹取麻利子友禅染」展と青梅の美しい枝垂れ桜 2017/04/13



今年に入ってから、ほとんどきものを着る機会もなくバタバタしていたのですが、一本納品を終えて、今日はきもので青梅へ。青梅在住の東京友禅作家の鷹取麻利子さんの作品展を拝見に伺いました。
鷹取さんと出会ったのは、3、4年前きものサローネでした。ブースを出していらっしゃったので作品を拝見し、しばしお喋り。以来、お友だちの片隅に加えて頂いています。サローネには何かと批判を言う方もいらっしゃるようですが、作家と着物愛好者の出会いの場として、私のような(常に取材対象者を探している)マスコミの人間との出会いの場として、貴重な一面を持っているのではないでしょうか。

さて、その作品をご覧ください↓
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ご本人と一緒に↓
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こちらは帯地↓
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写真上の左端の帯は、マーラーの肖像を意匠化しています。一見、中小模様のように見えて、よく見ると肖像という、素敵なデザイン。

他にもこんな素敵な作品たちが‥
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秋のコーナー。すすきなどの草は、総て、鷹取さんがご自宅周辺の青梅の里山から集めたものだとか↓
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作品展が行われているのは、「繭蔵」という素敵なカフェ。土蔵を改築して作られています。
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玄関の三和土も陶片?タイル?を使った素敵なもの。
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以前、広告系のお仕事で毎年のように青梅に行っていたことがあり、青梅は大好きな町です。夕方、鷹取さんのご案内で、近くの桜の名所へ出掛けました。「梅岩寺」の枝垂れ桜。樹齢150年とのことで、7,8メートルほどの枝が山から垂れている姿は圧巻です。
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桜の下で、鷹取さんと♪
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今日のコーディネイトのご紹介もしなければ、ですね。春の青梅に締めていくのはこれしかない!と、祖母が染めた、春の里山風景の帯を合わせました。着物は桐生の泉太郎さん作の蛍絞りの紬。ちょっと分かりにくいのですが、紺色の帯揚げを入れています↓
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最後に、青梅の町を流れる多摩川の夕焼け。ああ、美しい…
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東京友禅の修業時代のお話、青梅の自然のお話など聞かせて頂き、とても楽しい時間でした。鷹取さん、ありがとうございました!
「鷹取麻利子 友禅染展」は、今週末4月16日まで、青梅「繭蔵」で、連日11時~5時まで開催。
青梅の美しい自然やかわいらしいカフェ、かんざし美術館、澤乃井酒造見学などと併せて、週末足を延ばすのと楽しいと思います。ぜひお運びください。


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「婦人画報」にて、「夢の学校」企画、3つの夢のレッスンを取材しました。 2017/04/13



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昨日に引き続き、発売中の「婦人画報」5月号で担当したお仕事のご紹介です。
今月号の第一特集「夢の学校」は、え!こんな方に教えて頂けるの?という豪華な講師に、その専門領域を教えて頂いちゃおうという企画。今号で生徒募集をかけ、数か月以内にレッスンが実現されます。取材では、読者の皆様にその内容をお伝えするため、講師になって頂く方にお話を聞いたり、実際のレッスンの様子を再現して頂きました。
私が担当したのは、三つの授業。

☆野村万蔵先生に直接狂言を教えて頂くという、豪華過ぎる「太郎冠者になる狂言教室」は、画家・女優の蜷川有紀さんが体験入学した様子をレポートしています。発声から始まり、野村家所蔵の衣装を着て台詞を言ったり狂言独特の所作を学んだり、本当に豪華です。

☆そしてそして、「高橋真琴先生に習う、少女絵スーパー塗り絵レッスン」。
顔の三分の一ほどもある大きな瞳、その中にきらきら光る星、長いまつ毛、縦ロールの髪…という、少女漫画の女の子像を作り上げたのが、今年八十九歳の高橋真琴先生。その真琴先生に少女絵塗り絵を直接習っちゃおう!という夢のレッスン企画です。
千葉県佐倉市にある先生のご自宅へうかがい、模範作として塗り絵を仕上げて頂く様子をレポートしているのですが、先生が、本当にチャーミングな方で、大ファンになってしまいました。
現在では世界中に熱狂的なファンがいて、毎年開かれる個展では5分で作品が完売してしまうという先生。メーカーとコラボした真琴グッズも売れているので大金持ちのはずなのですが、よれっとしたようなセーターを着て、ご自宅もとても質素で、とにかく絵さえ描いていれば幸せなんだ、ということがひしひしと伝わって来ました。今でも毎日写生をし、画材を試し、作品に向かっているそうです。まさに真の芸術家。大変に大変に心に残る方でした。

☆三つ目の授業は、「一度亡くなってみませんか」というショッキングなタイトルでお送りする、「死の体験旅行」という授業です。
仏教僧侶の浦上哲也さんが主宰するワークショップで、或る日、病院で進行性癌が発見され、死に向かい衰えて行く日々を仮に体験してみる、という内容。現在、数か月に一度ほど行われているこのワークショップを、特別に「婦人画報」読者の皆様のために開催していただきます。
私もこのワークショップに参加して原稿を書いたのですが、他の参加者の中には涙ぐむ人もいました。参加することで、自分にとって本当に大切なものが何かが見えて来る仕掛けになった、とても意義のあるワークショップです。より詳しい内容を、ゼヒ本誌でご高覧頂ければと思います。

これらの授業の他にも、有元葉子さんに習う簡単オーブン料理教室、美しい歩き方レッスン、水墨画を銀閣寺で習う授業等々、夢の授業がいっぱいです。皆様どしどしご応募ください!


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「婦人画報」5月号にて『大人のkawaii』企画を取材執筆しました☆ 2017/04/12



今月1日の発売以来、早くご紹介したい!ご紹介したい!と思いながら諸々ばたばたしていて今日になってしまった大好きなお仕事のご報告です。発売中の「婦人画報」にて、大人の「かわいい」を考える企画を担当しました。
一般に「わーかわいい!」と女子が叫ぶときの「かわいい」は、サンリオに代表されるような、「ファンシーなかわい」ではないかと思います。実は私自身はそんな「かわいい」も大好きなのですが、よくよく考えてみれば「かわいい」の範囲はもっと幅広い。
ファンシーなかわいさは、大人の女性の場合、自らの年齢をわきまえて、前面には好き!を出さず、部屋でこっそり眺めるものであるような‥そんな、若さ、未熟さと結びついている側面があるのではないかと思います。
そうではなく、大人の女性が身につけていて、部屋に何気なく置いていて、それでもセルフイメージとずれて行かないような「かわいい」。今回は、独自のセンスを持った六人の大人の女性にインタビューし、実際に何をかわいいとかんじていらっしゃるか、お持ちのものを見せていただきながらそれれぞれの方に「かわいい観」を語っていただいています。
中で、私がお会いして取材したのは、お三方。
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↑先ごろ「亀倉雄策」賞を受賞された、デザイナーの渡邊良重さん…日本橋三越などで大人気のチョコレート店「Audrey」の、あの悶絶かわいいパッケージをデザインした方です! 
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↑それから、「Olive」少女だった方なら、きゃ!と反応してくださるはず。「マチルド・イン・ザ・ギャレット」店主の酒井しょうこさん。10代の頃、私も「Olive」を片手に代官山をうろうろしたものですが、現在は田園調布にお店を移していらっしゃいます。
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↑そして、青山でアートギャラリーを経営する川崎淳与さん。
このお三人に、それぞれ、「ひねりのあるkawaii」「ホーリーなkawaii」「アートなkawaii」と題したような「かわいい観」をお聞きしました。ここでその内容を書きたいところですが、もちろん、書店で、電子書籍でご購入くださいね☆
どの方とも本当にお話が弾んで、そして、編集の方もカメラの方も女性だったので、みんなで「かわいい!」を連発しながらの楽し過ぎるお仕事でした。ぜひご高覧ください。きゃ!(かわいいつもり)
(明日は、もう一つ担当した企画のご紹介をします)

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雪柳を生ける 2017/04/01



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雪柳は好きな花の一つです。
可憐に見えて雑草のように力強くどんどん繁殖して行く、その生命力に惹かれます。
そして、我が家の庭の雪柳の花が今年もご多分に漏れず、もう、爆発的と言うしかないほど爆発的に咲いているので生けてみました。
今月下旬の社中の温習茶会で花担当を仰せつかっており、この籠を使う予定。口の広さなど、体でつかむための練習を兼ねて。

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