西端真矢

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帝国ホテルで取材中。 2017/01/30



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今日は取材で朝日賞の贈呈式に来ています。
帝国ホテルの巨大な宴会場が満員。華々しい限りです。
受賞者のお一人である浅田次郎先生とすれ違いましたが、紋付き袴でカリスマ光を発しておられました!

久しぶりに「道明」へ 2017/01/24



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今日は朝から大きな、そして楽し過ぎる取材・撮影を終え、近くまで来たので久しぶりに「道明」へ。
このところ多色の帯締めを求めることが多かったのだけれど、最近急に紺色系の無地の冠組がほしくなり、微妙な差の二色で迷った末に深縹色を購入。
その後、店内で買い物後恒例のお茶を頂きながら、葵一郎社長と30分ほどお話し。様々な最近の動向などお聞きする。ああ、充実の一日。
しかしお店に伺うと、次々とほしい帯締めが出て来てしまう。引き続き頑張って働こう…
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徹夜明けにて 2017/01/20



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本日、久々の徹夜で三日間ほど苦しんでいた原稿を書き上げ、先ほど編集部にメール送りした。
不思議なもので、取材も楽しく、書きたいこともたくさんあってうずうずしているのに何故か上手く書けない原稿があり、いま一つ盛り上がらない取材だったり内容が複雑重厚だったりしているのに、するっとまとまってしまうものもある。
今回は完全に前者の方で、難航した原因は、書き出しがどうにも上手く行かなかったこと。最初の二日はほぼ書き出しに使ってしまい、三日目の深夜、と言うか本日早朝4時を過ぎてもどうしてもまだ気に入らず、そのまずさのせいで中盤から後半も調子が出ていないことにひしひしと自分が一番気づいている。
「もうこのまま出すしかないのか‥」
敗北感に打ちひしがれながら、あまりの敗北感のためか気づくと40分くらい眠ってしまっていて更に高まる敗北感。けれど、目が覚めた後、突然するすると冒頭がまとまり、後半までそのまま波に乗って書き直すことが出来た。ああ、ご機嫌である。眠っている間に脳の中で何かが起こっていたのだろうか‥

ともかく、今日のところは一仕事終えてまた次の原稿に向け頭を切り替えていこう。「こんなもの書いていないで、早く寝なさい!」というやさしい友人たちの声が耳鳴りがするほど聞こえて来るが、今、お風呂が沸くのを待っている間に、眠ってしまわないようこの文章を書いているのだ。お風呂に入らずに眠ったことは、人生で二度ほどしかない。

(写真は、ダミー文章が入ったページレイアウトと、原稿を書くために使った資料を重ねたもの。赤文字の数字は、レイアウトから字数を計算したもの。雑誌の仕事は常に字数との闘いである)


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モダンな付下げで、初春歌舞伎「しらぬい譚」へ 2017/01/18



きもの日記3日目、今日は、先週日曜日、お友だちの厚子さんが主宰する「着物で歌舞伎」というイベントに参加して、“国立劇場での初春歌舞伎「しらぬい譚」を観劇後、中村時蔵丈のトークショー”という、楽し過ぎる一日のきものコーディネイトをご紹介します。
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今月の国立劇場は、76年ぶりの上演という珍しい演目、「しらぬい譚」。(上の写真データをご提供くださった有紀さん、ありがとうございます!)
菊之助さんの宙乗りあり、化け猫集団とのアクロバティックな大立ち回りあり、松緑さんの清廉な演技が素晴らしい…と、見どころ満載のとてつもなく楽しい筋立てで、場内は満席。新春らしい雰囲気に、もう、その場にいるだけで高揚した気分になりました。そして菊之助さんの宙乗りの時には、あまりの美しさにじわっと涙があふれたのでした。
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↑そんな私は、最後に舞台から投げられた手ぬぐいをキャッチ。実は松緑さんが投げたものが手に当たって床に落ちたのですが(←小学校以来の球技下手がここでも‥)、隣席の友人が「真矢さんが獲ったもの」と認定してくれました。ありがとうございます♪今年50周年を迎えた国立劇場のその記念の手ぬぐいを手に入れられて、嬉しい限りです。
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↑こちらの写真は、トークショーでの時蔵さん。特別に、羽織裏を見せて下さいました。版画、水墨画など多彩に活動した木田安彦画伯による墨書きの不動明王図です。すっきりと渋い江戸前の着姿の裏に、こんな勢いのある神様を背負っていらっしゃるなんて、さすがに何とも言えずイキでいらっしゃいますね。
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↑その時蔵丈と一緒にお写真を撮って頂きました。幸せ♪
私のきものは、お正月らしく華やかに、と淡い卵色地の付下げを選びました。祖母が染めたもので、おそらく型紙から自分で起こしたと思われる、洋蘭の柄です。
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↑帯は、「加納幸」の葡萄唐草柄の袋帯。帯〆は「道明」の水色から藤色への暈し冠組。
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↑そして、帯揚げが下ろしたてです。「ゑり正」の「白場取り輪出し絞り」。「若草色に黄枯れ茶」の取り合わせはあまりなく、また、意外と多くのきものに合わせやすいのでは、と非常に気に入っています。
‥と、またもや新春から仕事が忙しくなっているのですが、別世界に遊ぶと胸がすっとして活力が湧いて来ますね。ご一緒に鑑賞したきもの仲間の皆様とのお喋りもとても楽しくて。そして、情報盛りだくさんの特別プログラムまで手作りくださったお世話役の厚子さん、本当にありがとうございました。

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「歳寒三友」柄の帯で、「竺仙」の展示会と新年食事会へ 2017/01/17



先週土曜日は浅草で開かれた老舗「竺仙」の展示会へ、きもの友だちとお邪魔しました。
会場は、浴衣をはじめ、江戸小紋、縞など、逸品がいっぱい↓
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こちらは、その逸品のデザインや色を決定する部門「竺仙」の「商品課長」である友人の對馬さんのコーディネイト。もちろん、竺仙製の江戸小紋付下げを着ているのですが‥↓
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↑このおきもの、大変に複雑な作りで、ん?ん?と引きつけられ質問してしまいました。
ご説明によると、まず、「通し+松」の柄の江戸小紋型を付け、その後に、金で松の柄を肩から裾に向け大きくなるよう型染め、そして、青、オレンジなどの染料を叩き染め(だったかな‥)‥と、何とも手が込んでいます。ああ、素敵‥


また、友人が悩んでいたこちらの摺り匹田は、よくよく見ると地の色に濃淡があるのですが‥、↓
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その秘密が、反物下部に証拠のように染められている、九つの型。上から、匹田柄がごくわずかしかでない型から多数出るものまで、九枚の型で何度も染めることで、たくさん染料が染みる箇所と染めない箇所の濃淡が生まれるという仕掛けです。何とも手が込んでいますね。友人は買おうか買うまいか悩んでいましたが、その後、買うと決めたことを祈ります!

この日の私のきものは、こちら↓
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ピンクや紫のぼかしのきものに、祖母が染めた「歳寒三友」柄の帯。お正月を過ぎると明るい色を着たくなります。帯〆は水色を入れましたが、同じ笹浪組で鶸色も持っていて、そちらの色の方が良かったかもしれません。きものコーディネイト、常に試行錯誤の連続ですね。
この日は展示会の後、浅草のロシア料理老舗「MANOS」で、きもの仲間での新年会。ロシア料理は独特の形や小物がかわいい‥↓
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ご一緒した皆さん、ありがとうございました!


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裾濃の訪問着を、帯二本で着回し~~万之丞襲名公演と初釜へ 2017/01/16



今日から三日間、年始にきもので出かけた日のコーディネイト日記をお送りします。初日の今日は、同じ一枚の着物を帯で着回した、二つのコーディネイトをご紹介♪

一つ目は、国立能楽堂で行われた、和泉流狂言野村万蔵家の飲む虎之介さんの万之丞襲名公演の際のコーデです。発売中の「婦人画報」2月号で取材をさせて頂いたご縁で伺いました(下の写真、とにかく門松が大きい!)。
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↑着て行ったのは、裾にかけて濃色に染める、「裾濃」と言われるぼかしの柄付けの訪問着です(一つ紋を入れています)。昨年作ったもので、やや大きめの牡丹唐草の地紋に、肩から膝下ほどまでは淡い藤色。膝下からやや黄色みが入って、裾部分では濃い紫色に変わります。
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この染めは、「近江屋藤兵衛」によるもの。「吊り染めぼかし」と言われる、染液に反物を吊るして漬け込んでぼかし染めをする技術を持つ老舗工房で、天保年間の創業。江戸時代は紅花商を商い、明治期に吊り染めぼかし技法を考案して、現在まで技術を守っています。
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↑この日は、蘇州刺繍で正倉院華紋を表した袋帯を締めました。大きな華紋ではありますが、金糸銀糸が少なめなので、控えめな印象。お茶の先生に頂いた金の雲柄の帯〆、薄紫色の綸子地の帯揚げを合わせて。
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↑足元&コートはこちら。最大に温かいアルパカコートを母から借り、草履は神田胡蝶。同じく正倉院華紋柄の利休バッグを持っています。

そして、同じきもので、社中の初釜にも参加しました↓
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↑この日は、丸紋に蝶や四季の花を詰めた、持っている中で最大に派手な袋帯を合わせました。何しろ初釜ですから! 帯〆は「道明」の御岳組亀甲。紫、ペパーミントグリーンなどが入ったこの色の組み合わせが本当に大好きで、最も気に入っている帯〆かも知れません。帯揚げは「えり正」の紫梅柄の輪出し絞りです。

今年の初釜は濃茶の点前を仰せつかり、年末年始、毎日家で二回ずつ通しで稽古をして心がくたくたになりました(何しろ仕事が忙しいのです‥)‥が、これだけやったので、少しは点前が身体に染みついたかなと思います。いや、身についていますように!
明日、明後日はもう少し軽めのお出かけの日のきものコーデをお届けします♪


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伊勢丹にて丹後「小林染工房」のぼかし染め・引き染め実演見学!~9日まで 2017/01/07



9日まで伊勢丹7階呉服売り場にて開催中の、丹後「小林染工房」さんの実演を見て来ました(訪れたのは今日ではなく、昨日です)。昨年、一昨年の「きものサローネ・100体コーデ」で1位を獲得するなど、大人気の染め工房さんなので、ご存じの方も多いかと思います。
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上は、実演中の様子。ごく淡いブルーの縞を引いた後、濃いブルーを引いています。
この後、染料のついていない乾いた刷毛で上をなぞることで、境界の柔らかなぼかしの風味が生まれるのですが、そんなことを解説して下さりながらの実演なので、大変よく理解出来、何とも言えず充実した時間でした。
下の写真は、ふむふむとメモを取る私。昨日は打ち合わせから回ったため、洋服姿です。この写真からも、小林さんがいかに真摯に質問に答えて下さっているかが伝わって来るかと思います。ご一緒に拝見した友禅染め作家の鷹取麻利子さんがいつのまにか撮影下さっていました(≧▽≦)
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出来上がった帯揚げがこちらです。締めると、濃色の部分と淡い部分が帯の中で交互に出てとてもおしゃれな着姿になる訳です↓
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(写真右端が鷹取さんです)

小林さんの実演は、毎日2時と4時。ぼかし染めの他に、しけ引きの実演も行っています。どちらに出会えるかはその日の運次第!もても優しい小林さんが、どんな質問にも丁寧に答えてくださいます。染色好き必見のイベントですよ☆


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「今年こそ!気軽に楽しむ男の着物入門」執筆しました~読売オンラインにて 2017/01/04



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今年最初のお仕事ご報告です。
読売新聞のオンライン版「読売オンライン」にて、「今年こそ!気軽に楽しむ男の着物入門」を執筆致しました。上の画像は当該記事のトップページのスクリーンショット。下記のURLからそのページに飛べます。ぜひご高覧下さい↓
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20161228-OYT8T50092.html?seq=02

お正月、初詣や街歩きに出かけると、時折りきもの姿の男性を見かけます。「俺も着てみたいなあ」と思う方も結構いらっしゃるようなのですが、何となく勇気が出ないまま松の内も過ぎ日常生活に紛れてしまい‥なんてことがないよう、「着てみたい」を応援する記事を作ってほしい、と編集部から依頼を受け、頑張って書いたものです。
当初は一般的な「初心者向け男の着物ガイド」を、というオーダーだったのですが、実際に着ている方の着こなし写真や実感コメントがあった方が良いなと思い、二名の男性着物愛好家の友人に、取材とお写真提供のご協力を頂きました。原田昌和さん、藤桝啓志さん、本当にありがとうございました。
また、大正時代の着こなし写真をご提供頂いた「民族衣裳文化普及協会」様、ありがとうございました。

多くの女性にご納得頂けると思うのですが、日本男児は全員、着物が似合う!そして、男前がぐっと上がる!
「着物を着てみたいな」と思っている男性の皆さん、そして、「彼(夫orお父さん)と一緒に着物で街を歩きたいな」と思っている女性の皆さん、ぜひ本記事をお薦め頂き、今年を「男着物元年」にして頂けたら幸いです!


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新年にあたり今年の抱負を。 2017/01/02



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皆様、新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年、私は、前半半年は国会図書館での調べもの以外ほぼどこへも外出せず、ひたすら家で本の原稿を書く日々。
後半からは、その本の初稿の修正や校正をしつつ、日々大変多くの雑誌のお仕事を頂き、これ以上にないほど充実した一年を送ることが出来ました。
新しい、丁酉平成二十九年の今年は、まず、まだ校正の続いているその本の最終校正を終え、出版をすること(2月頃の発売になると思います)。そして、引き続きたくさんの編集者、プロデューサーの皆様から声をかけて頂けるよう、より質の高い仕事を目指して行きたいと思っています。

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一方、仕事以外の時間については、まず、今年は、書道元年にしたいと思っています。
元来読書好き、そして中国に留学していたこともあって無条件に「字」というものが好きなわりに、とにかく不器用なせいでどうにも書道を敬遠して来てしまいました。しかし、やはりこれではいけないと一念発起。今年は書の稽古を始めます!
‥と、いかにも自発的なようですが、昨年秋に或る茶会に招かれ、お持ちするお祝いの熨斗紙に名前を書こうとしたもののあまりにもまずい字のため結局フェルトペンで書いて持って行った‥という挫折体験が深く心に染み込み、やっと重い腰を上げたのでした。
本当は、ずっと習いたかった先生がいたのですが、教室が家から若干遠く、しかも日にちが固定しているとなると、私の性格、そして仕事の都合上からも、どうしても通うことが出来そうにない。家の近所で通える良い先生が見つかりそうで、そんなこともあって何年来の課題に取り組んで行けそうです。まあ、何しろ縦線、横線から始めるので、多少なりともましな字が書けるようになるにはまだまだ時間はかかるでしょうが‥
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そして、もう一つ、今年は、「自由な文章を書く機会を作る」ことを心がけたいと思っています。
文筆業をしていますから、もちろん文章は常に書き続けている訳なのですが、仕事で書いている以上、媒体・編集者さん・取材対象者さんの意向が反映され、実は、常に100パーセント自分の思うことを思う通りに書ける訳ではありません(もちろん、書ける場合も多くあります)。そして、驚かれるかもしれませんが、時には文体を一部変更されることさえもあるし、もちろんそもそも字数の制限もあります。
これらのことは仕事である以上不可抗力ではあるのですが、それとは全く別の世界として、やはり自分の思うことを100パーセント自分の文体で書く時間を作らなければいけないということを、この頃つくづくと実感するようになりました。そうしないといつか心を病んでしまうでしょう。

振り返ってみればこの3年程は、次々とお仕事をいただけるというこの状況に、やはり自分がまだ慣れていなかった。新しい状況に自分を順応させることで手一杯でやって来ましたが、今年は、自分の暮らしと心の状態をもっと上手にコントロールして、書きたいことを書きたいように書く時間を作って行きたいと思っています。
具体的には、5,6年前のこのブログや、もっとさかのぼったmixi全盛の頃に書きまくっていたコラム的な文章を、またこのブログ上で発表して行きたい。この3,4年程はほとんどきものコーディネイト日記とお仕事のご報告だけになっていた状況を改善し、mixiの頃からずっと応援してくださっている方々に、また楽しんで頂けるようなものを書いて行きたい。そしてそれが長年の夢であるエッセイの出版に結びついて行ければいいなと願っています。やはり私は文章を書くというただそのことが、本当に単純に好きで好きでたまらないのです。

‥という訳で、新しい年も胸の中は自分なりの野望でいっぱいです(他にもここに書いていない夢もあります)。不束者ではありますが、どうぞ今年も応援、お導き、お仕事のご発注、そして時には一緒にお茶やお食事を、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。

(画像は、祖母が染めた帯地から。昨年、「もうないだろう」と思っていたのに、まだ仕立てていない反物が見つかった、その中の一本です)

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