西端真矢

ARCHIVE:

創業103年の履き物店「辻屋」さんを訪問。商品ディスプレイと顧客心理について考えた夜 2015/04/30



先日、浅草伝法院通りの履き物屋さん「辻屋本店」に遊びに伺いました。
「辻屋」さんの創業は大正元年ですから、今年でその暖簾は103年目。以前は新仲見世通りにお店を構えていたのですが、昨年暮れ、現在の伝法院通りに移転しました。
今回、新装「辻屋」へ、初めての訪問。雷門をくぐって仲見世通りを浅草寺まで真っすぐ歩き、境内に入る直前の左右の道が、伝法院通りで、右に曲がってすぐ、道の右側に新店舗がありました↓
%E8%BE%BB%E5%B1%8B%E5%A4%96%E8%A6%B3.jpg
↑こんな風に、2階のウィンドウからもたくさんの履き物の様子が分かるディスプレイが目を引いていました。

私と「辻屋」さんのご縁は、2年前の夏、私が企画制作した時代きものイベント「江戸着物ファッションショー」で女将の富田里枝さんに下駄と草履を担当頂いて以来です。
この日は「辻屋」さんでちょっとした集まりがあり、履き物の購入に伺った訳ではないのですが、次に草履を買う時は是非こちらで、と思っています♡
そんな新装「辻屋」さんの、店内のディスプレイが下の写真なのですが、私はここに新しさを感じました

%E8%BE%BB%E5%B1%8B%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A41.jpg
一足一足が個別に際立つように飾られているため、「ああ、この草履の特徴は、ふっくらした台で、きっと歩いても疲れにくいんだな」とか、「側面に切り返しのデザインがあるのだな」といったように、それぞれのお品の個性が良く分かるのです。
これは里枝さんのアイディアだそうで、「たくさんの商品をお客様に見せる」という観点からすれば、点数は減ってしまうけれど、意外にも以前より「他にもっとありませんか?」という声が少なくなったのだとそうです。
一つ一つの商品の特徴がよく分かってしっかりと頭の中に刻み込まれれば、お客様は精神的に満足する、ということなのかもしれません。マーケティング上、とても重要な気づきなのでは?と思いました。
             *

こちらは、そのお店の一角で撮った写真。後ろには、男性ものの草履が写っています。女性もの、男性もの、共に充実の品揃えの辻屋さんなのです↓
%E7%B6%B2%E4%BB%A3%E3%81%8A%E5%8F%AC%EF%BC%8B%E5%A1%A9%E7%80%AC%E8%8A%B1%E7%B1%A0%E5%B8%AF.jpg
私のきものは、「洛陽織物」の網代お召。きものに詳しい方ほど、「この織り、面白い」と手に触れたり、「これは何と言う織りですか?」と質問の出る通好みのおきものです♡辻屋女将の里枝さんからももちろん質問が出て、むふふと思った私なのでした。
%E7%B6%B2%E4%BB%A3%E3%81%8A%E5%8F%AC%EF%BC%8B%E8%8A%B1%E7%B1%A0%E5%B8%AF%E5%AF%84%E3%82%8A.jpg
帯は、祖母が染めた型染。牡丹の花籠に、柳が垂れ、燕が飛んでいる、この季節にぴったりの柄です。帰宅後に床置きして、お太鼓のアップも撮ってみました↓
%E7%87%95%E5%B8%AF%E3%81%8A%E5%A4%AA%E9%BC%93.jpg
かなり長く模様を染めているので、実はいつもお太鼓の出し方に悩みます。花を少し犠牲にすると燕が二羽とも入るけれど、花も見せたいし‥と。祖母はそもそもどんな風に締めていたのか、亡くなっているため訊けないのが残念です。
帯揚げは、古布を帯揚げとして使っているもの。帯〆は、道明の笹浪組紫ぼかしです。
%E9%87%91%E5%BD%A9%E5%AE%9F%E6%BC%94.jpg
%E8%BE%BB%E5%B1%8B%E4%B8%8B%E9%A7%84%EF%BC%8B%E9%87%91%E5%BD%A9.jpg
↑この日は、金彩職人の伏見奈津子さんも来店。金粉と金泥の違いや、金彩をするための筒道具についての説明を伺いながら、実演も見せて頂きました。辻屋さんとのコラボ商品が下の写真。こんな風に、木目の上に家紋を描くことも出来るんです!新しい知識を得られ、大変勉強になりました。
…とこんな風に、とても楽しかった辻屋でのひと時。里枝さん、ありがとうございました!(里枝さんとの写真を撮り忘れましたが、近々またお会いする予定ですのでその時に…)
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 40代の生き方へ
にほんブログ村

モダンな付下げで根津美術館レセプションへ 2015/04/23



先週金曜日は二つの美術展のレセプションをはしごしました。もちろんきものを着て行きましたので、コーディネイト+美術展の内容ご紹介も少し、な日記をお届け致します。

            *
%E3%81%A1%E3%82%89%E3%81%97.jpg
さてさて、当日会場でお会いした旧知の美術ライターの洲之内啓子さんのお話によれば、この日はレセプション・ラッシュで、四つ五つと回る美術関係者の方が多かったのだとか。
(洲之内さんの美術展解説サイト「今見られる全国のおすすめ展覧会100」はこちらから↓
http://katycom.info/museum/ )
私も母とともに二つ回り、そのチラシを撮ったのが上の写真です。
一つ目は、青山の根津美術館で開催の「燕子花と紅白梅」展。もう一つが、渋谷の実践女子大学香雪記念資料館で開催の「華麗なる江戸の女性画家たち」展です。
根津の展覧会は、尾形光琳の「燕子花図屏風」と「紅白梅図屏風」が同時に並ぶということで、現在、連日入場制限も行っていると聞きますが、レセプション当日もものすごい数の来客数でした。確かになかなかこのようなチャンスはないですものね。
もちろんこの二作の素晴らしさは言う間でもいのですが、「光琳のデザイン感覚」という視点で組まれたこの展覧会、私は、同じ琳派の「蔦の細道図屏風」(伝俵屋宗達)や、光悦の傑作蒔絵作品「群鹿蒔絵笛筒」にも、そのデザイン性という観点から惚れ惚れと見惚れておりました。更に、服飾史好きの方には、「雁金屋」のひな形本の実物を見られるチャンスでもあります!

もう一つ回った実践女子大学内香雪美術館(実践女子大の渋谷新キャンパス内にあります)、こちらはそれほど大きな美術館ではないのですが、日本美術史界きっての目利きであられる仲町啓子先生が館長であり作品購入の責任者ということで、筋の良い作品が粒揃い。
一般に、江戸時代と言うと女性の画家はいなかった印象があって、恥ずかしながら私は、池大雅の奥さんが文人画家だったナ~ということしか知らなかったのですが、こんなにいたんだ!と作品を見渡せる楽しみがある展覧会でした。
狩野派あり、武家や公家のお姫様が教養として描いていたものあり、文人画家あり。しっかりとした正統の技術に裏打ちされた、目に楽しい日本画ばかりです。何しろ入場無料ですので、皆様渋谷方面に行かれた時はゼヒ覗かれてみて下さい。

          *

この日の私のきものは‥
%E5%8D%B5%E8%89%B2%E4%BB%98%E3%81%91%E4%B8%8B%E3%81%921.jpg
この春の初めの一時期、むしょうに黄色を着たくなるのは私だけでしょうか?この日も迷わず淡い卵色の付下げを選びました。祖母が染めたもので、恐らく蘭と思われる花を意匠化した、モダンな一枚です。当日は荒天で、かなり強めの風が吹いていたため、裾が若干膨らんでいますがご容赦ください。
%E7%8E%89%E5%AD%90%E8%89%B2%E4%BB%98%E3%81%91%E4%B8%8B%E3%81%92.jpg
帯に寄った写真がこちら↑
華紋と葡萄唐草を銀糸などで織り出した洒落袋帯なのですが、葡萄の部分は出さず、華紋と唐草を前帯にして。この華紋、葵の葉を意匠化したようにも見えますよね。
帯揚げは、龍工房。帯〆は道明製。淡いピンクをベースにした段染めぼかしの冠組です。
         *
これから5月いっぱいくらいまで、東京は街歩きに最も気分のいい季節。また他の美術展にも足を運びたいと思います!
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 40代の生き方へ
にほんブログ村

「道明」の新ライン「DOMYO」誕生レセプションへ――「伝統」と「変革」、「継承」について考えた夜 2015/04/16



今日は青山の小原流会館地下1階にあるギャラリー「利菴ART’S COLLECITON」へ、帯〆・組紐の「道明」から誕生した新ライン「DOMYO」のお披露目レセプションへお邪魔しました。

「道明」と言えば、あの帯〆の「道明」。きもの好きなら知らない人はいない、江戸時代からの老舗中の老舗ですが、その「道明」から新ライン?しかも名称が横文字とは?と興味津々です。
何しろ、商品パンフレットの表紙がこんなロゴなんです↓
%E9%81%93%E6%98%8E%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88.jpg
ヨーロッパなどのおしゃれブランドの雰囲気。さてさてどんなお品と出会えるのでしょうか。頁を繰ってみると‥
%E9%81%93%E6%98%8E%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E4%B8%AD1.jpg
%E9%81%93%E6%98%8E%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95%E4%B8%AD2.jpg
ネクタイや、イヤリング、ブローチなど。そう、日本では飛鳥時代からの伝統を持つ、組紐。その技術を応用して、洋装にも楽しめるラインとして誕生したのが、「DOMYO」という訳なのです。

私の写真があまり良くないので恐縮なのですが、今日の展示会に並んだお品が下の一連の写真です。
%E9%81%93%E6%98%8E%E8%9D%B6%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%82%A41.jpg
↑蝶ネクタイ。「安田組」という組み方で組まれています。正倉院に「安田組」で組んだ帯が残っており、日本人とはざっと1300年!の付き合いの組み方!それが、現在の世界のファッションの主流である洋装にも応用されるのは、非常に非常に刺激的なことだと思います。色合いもとてもおしゃれですよね。
%E9%81%93%E6%98%8E%E8%9D%B6%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%82%A42.jpg
↑こういったシンプルな配色のものも。
%E9%81%93%E6%98%8E%E3%83%8D%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%82%A4.jpg
↑こちらは、ネクタイ。本当に私の写真が下手でごめんなさい。お品を一点一て見て頂くと、とてもセンスの良い配色だということが分かると思います。締めた状態は、先ほど挙げたパンフレットの写真でご確認くださいね。

さて、ここからは女子の皆様必見。組紐を応用したアクセサリーです。写真が3枚続きます↓
%E9%81%93%E6%98%8E%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB1.jpg
%E9%81%93%E6%98%8E%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB2.jpg
%E9%81%93%E6%98%8E%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%EF%BC%93.jpg
二つ対になっているものは、イアリング。一つのものはブローチ。手のマネキンに掛けてあるものが、バングルです。それぞれ、「安田組」「高麗組」「唐組」という、千年以上の歴史を有する伝統的な組み方で、でも、そういう歴史の話なんか、着る人にとってはぶっちゃけて言えばどうでもいいと言えばいい。直感で「かわいい!」と思えることが大事で、正にそういうお品ばかり。私は、これを応用して「ゼヒ帯留にもして頂いたらめっちゃくちゃかわいいのすが‥!」と思い、早速「道明」の皆様に意見としてお伝えしてみました。商品化されたらいいナ~。
もちろん、イアリングやバングルなど、洋風アクセサリとしても本当に素敵ですよね。全て1万円台~3万円台までですから、その価値に比べて決して高くないと思います。プレゼントにも良さそうです。

そして、これらのお品をデザインされた、デザイナーさんのお写真も撮らせて頂きました。イアリングをなさっています↓
%E9%81%93%E6%98%8E%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%81%95%E3%82%93.jpg
うっかりお名前を伺うのを忘れてしまったのですが、ヴィヴィアン・ウェストウッド(アナ・スイだったかも…すみません)などの有名メゾンでデザインをされていたキャリアをお持ちということで、「道明」の組紐から本当にクリエイティブに発想されて、「DOMYO」をデザインされた、ということになります。
実際につけていらっしゃるご様子も素敵ですよね。
こちらの展示会は、青山の小原流会館地下1階「利菴ART’S COLLECTION」で20日(月)まで開催されていますので、是非皆様足をお運びください。

            *

蛇足ですが、今日の私のコーディネイトはこちらです↓
%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%96%E3%82%93%EF%BC%8B%E9%87%91%E7%B3%B8%E8%8A%B1%E6%9F%84%E5%B8%AF.jpg
バックに写っているのは、「道明」製のタペストリ。こちらは「一間組」という組み方で組まれています。素敵ですよね~。
私のおきものは、「しょうざん」製。紬の訪問着です。地紋に水色で「氷割れ」文様を染め、同じ水色の「流水取り」の中に、黒で草花模様を染めている凝ったもの。いかにも「しょうざん」らしい模様ですよね。
%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%96%E3%82%93%EF%BC%8B%E9%87%91%E7%B3%B8%E8%8A%B1%E6%9F%84%E5%B8%AF%E5%AF%84%E3%82%8A.jpg
↑帯に寄ったのがこちらの写真なのですが‥
実は今日のコーディネイト、ちょっと着付けを失敗したなと思っています。上の寄りの写真で見て頂くと分かるのですが、この帯は、金色の部分と紺色の部分があり、紺色の地の部分は紬製。こちらの部分をもっと出して、金色の部分を、そう全体の3分の1くらいにどちらかに寄せた方が、調和の取れたコーデになったと思います。
うーん、悔しい。またその着方でリベンジしたいと思います。
帯〆は、もちろん「道明」の笹浪組紫ぼかし。帯揚げは、前回の日記でしているのと同じ、古布を帯揚げに応用したものです。

           *

創業1652年。かれこれ362年もの歴史を誇る老舗が、新しいラインを出す。この冒険心は、けれど、決して初めてのことではないことを、今夜、しみじみと思いました。
私は、昨年、「美しいキモノ」冬号で帯〆特集を担当した際、一生懸命帯〆と組紐の歴史を勉強し、また、道明三保子先生にも組紐に関するたくさんの知識を教えて頂きましたが、その中で深く感動を覚えたことは、江戸から明治へ、という大転換期に、道明が勇気を持って変革の道を歩んだ、という事実でした。
先生によれば、何かと言うと番付を作ることが好きだった江戸時代の人々は、「組紐商番付」も出しており、そこにはもちろん「道明」も載っているのですが、横綱ではないのだそうです。けれど、今、その横綱の組紐商は消滅してしまい、名前すら全く知られていません。もっと悲しいことに、その卓越した技術も何も伝わっていないのです。
それでは、何故「道明」が生き残れたのか。
そもそも江戸時代には今のような帯〆はなく、しごき(今の腰紐に近い紐)などを使い、帯を結んでいました。その頃の組紐商は帯〆は組まず、武士の刀に下げる「下げ緒」が一番の収入源。他に、様々な箱類などに締める紐を組んでいたのです。
けれど明治の世になり、武士は消滅。廃刀令が出たのですから、当然下げ緒の需要はなくなります。このままでは収入の道が‥という時、当時の財界茶人・益田鈍翁などの薦めで組紐を帯〆にしてみたらどうだろう、という話が持ち上がり、それに応えたのが「道明」でした。

ここからは私の想像ですが、恐らく当時、他の組紐商も帯〆に組んでみることを考えたのではないかと思います。けれど、「私らはれっきとした武士の刀の一部分を担って来たんだ。そんな、女の腹を巻く紐なんか組めるか!」――そう思った組紐商も多かったのではないでしょうか。
そして、そう考えた組紐商は、歴史の渦の彼方へ消えて行ってしまったのではないか。私はそんな挿話を想像しています。
けれど「道明」は帯〆、やってみるか、と変革の方へ足を踏み出した。
そのおかげで今、我たちは、飛鳥時代以来伝わる組みの技術を着付に必ず必要な小物として、身につけ、その美しさを愛でることが出来るのです。この変革は、決して、伝統の歪曲ではなかったと私は思います。勇気を持って新しい「場」を開拓し、「時代の空気を読んだ」からこそ、古き良きものが残せたのだ、と。

道明の現在の若社長がどのようなお考えから今回のラインを作られたのか、今日はレセプションの会場でしたから深くお話は出来なかったので分かりませんが、期せずして、祖先と同じ変革の道を歩まれていることに、やはり「老舗の血」というものを感じました。
老舗は、ただ歴史に固執するから老舗なのではないと私は思います。変革を恐れない、その勇気が屋号を継続させる。老舗とは、「残り続ける」こととは、常に変革を続ける存在であるなのだと私は感じています。
アルファベットの「DOMYO」が、これから洋装の世界へと、そしてグローバルな市場へと雄飛して日本の卓越した組紐技術を広く伝え、残し続けることを、「道明」のために深く念じます。そして、きものを深く深く愛する一きものファンとして、日本の染織技術が絶えず変革と継承を続けて行くことを、心より願ってやみません。
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 40代の生き方へ
にほんブログ村

「蝶」の字をデザインした楽しい帯に紅花紬で、美しいキモノ・アカデミーへ 2015/04/13



先週末は、雑誌「美しいキモノ」が主催する染織文化講座「美しいキモノ・アカデミー」で、からむし(苧麻)の糸作り体験に参加しました。

きものが好きで、あれこれ反物に触ったり織りや染めの歴史について資料を読んだりしていると、時々、しみじみと感動してしまうことがあります。非常に根本的な感動なのですが、植物の茎から糸を取ろうと思った古代の人々って、何てすごいのだろう、と。
他の哺乳動物と違って、我々人類は体毛が異常に薄く、冬場が寒くて寒くてたまらない。恐らく命を落とす大きな原因の一つだったのではないかと思います。その冬を乗り切りたい、命をつなぎたい、という思いが、人間を、植物の茎やつるをはぎ、中から繊維を取り出すという考えへと導いたのでしょう。当時の人々にとって、現在のコンピューターやロケットに匹敵する技術革新だったのだと思います。
%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%80%E3%81%97%E8%AC%9B%E7%BE%A9.jpg
↑そんな植物繊維の一つ、からむしは、伝統的に福島の奥会津地方で盛んに栽培され、越後上布や小千谷縮へと織られる麻糸の一つです。今回の「美しいキモノ・アカデミー」では、一時限目が講義。からむしの栽培の歴史、実際の栽培法、そして、皮をはいで繊維を取り出す「苧引き(おびき)」という作業についてなど、学びました。講師はからむしの産地・昭和村から来られた、奥会津昭和村振興公社の渡辺さんです。渡辺さんご自身もからむし畑をお持ちでの「からむし農家」さんです。
%E3%81%8B%E3%81%92%E3%81%9D%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%80%E3%81%97.jpg
↑苧引きを終えた糸は等級に分けられ、越後などに出荷されます。上の写真は、その中でも最上級のもの。きらきらと輝くようで、そして、どこにも傷んだ箇所がなく、すっきりとしています。
%E4%B8%A1%E5%8F%A3%E5%B1%8B%E3%81%8A%E8%8F%93%E5%AD%90%E3%81%A8%E3%81%8A%E8%8C%B6.jpg
↑1時限目終了後は、一旦休憩。
毎回楽しみな、両口屋是清の上生菓子を、他の受講者の皆さんと頂きました。
今回は、右に桜、左に柳をイメージしたお菓子。正に今の季節のお菓子ですね。お茶は、両口屋さんが新たに開発したという、八女茶。どちらも美味でございました。

さて、2限目は実習です。先ほどの写真でもお分かり頂けた通り、苧引きを終えた状態はまだまだ太く、これでは緻密な織物を作ることが出来ません。ここから更に細く裂き、更に機にかけられるように、裂いた糸の一本ずつをつないで行く作業「苧績み(おうみ)」をしなければなりません。実習では、この「苧績み」を体験しました。
%E8%8B%A7%E7%B8%BE%E3%81%BF%E6%89%8B%E3%81%A4%E3%81%8D.jpg
↑写真は、講師として指導くださった先生。「織姫制度」という制度を利用して、実際に昭和村に住み、布を織っている若手の方々が指導してくださいました。
写真は、糸を裂く時の手つき。裂いた糸を次々と指に掛けて行く、その決まりの手つきがあるのです。この後、糸と糸とをつなぐ作業にかかりますが、その時にもまた別の決まった手つきがあります。長い時間をかけて編み出されたものなのでしょうね。
実は先週は、また別の植物布「大麻布」の苧績み体験が伊勢丹で行われていたので参加したのですが、績み方はからむしとは若干異なっていました。けれど、ベースになっている考え方は同じです。「糸同士を、撚りながらつなぐ」。はるかはるか昔の祖先たちは、まず植物の皮をはいで繊維を取り出すことを考え出し、そして、身体を覆えるだけの面積の布を織るために、その繊維をつないで行く方法をも考え出したという訳ですね。
その原理を自分の手で知ることが出来た素晴らしい体験でした!
          *
%E6%96%B0%E7%94%B0%EF%BC%8B%E3%81%A6%E3%81%B5%E3%81%A6%E3%81%B5%E5%B8%AF.jpg
↑講座終了後、会場内に展示されていたからむし織の反物の前でパチリ(講義終了直後で口紅全部落ちしていてお見苦しいですが‥)。奥会津のからむし糸の多くは越後へと出荷されて越後上布などに織られますが、地元に残しているものもあり、「からむし織:が織られています。肌につかず、涼しそう。デザインも素敵でほしくなりますね。
%E3%81%A6%E3%81%B5%E3%81%A6%E3%81%B5%E5%B8%AF%E5%AF%84%E3%82%8A.jpg
↑私のコーディネイトは‥
きものが、「新田」の紅花紬。紅色で有名な紅花染めですが、黄色も出ることは、きもの好きの皆さんは良くご存知かと思います。その黄色を中心に、紅色や他の草木染の糸などを混ぜてランダムな淡い格子を織り出したものです。
帯は、私の祖母が染めたもの。帯〆がかかっていて若干分かりにくいのですが、漢字の「蝶」の字をデザインしています。
そして、お太鼓がこちら↓
%E3%81%A6%E3%81%B5%E3%81%A6%E3%81%B5%E5%B8%AF%E3%81%8A%E5%A4%AA%E9%BC%93.jpg
前帯はシンプルですが、後ろはこんな風に蝶尽くし。前と同様の漢字の「蝶」もあれば蝶の絵もあり、そして、「てふてふ」とひらがなも書いてあります。祖母が楽しんで描いていた姿が目に浮かぶようです。センスいいな~と大好きな帯。
帯〆は、組紐を学んでいる友人に頂いたもの。淡いオレンジ色の笹波組は、出過ぎず地味過ぎず絶妙の存在感が良いですよね。
帯揚げは、古布を帯揚げとして使っています。

実は、不器用さなら誰にも劣らない私、規定時間内に頂いた分量の苧績みが終わらずまだまだ残っているので、原稿書きに煮詰まった時などにつないでみようかなと思っています。そういう時はめちゃくちゃ熱中してしまいそうです!
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 40代の生き方へ
にほんブログ村

桜ともみじが一つの幹になった大変珍しい「桜楓の木」と、春の雪と、誕生日 2015/04/08



%E9%9B%AA%E6%A1%9C%E6%A5%93.jpg
四月八日、花祭りの今日、東京には本当に珍しいことに朝から雪が降り、我知らず三島由紀夫の名作『春の雪』を想い返してしまいます。
そして実は今日は私の四十五回目の誕生日でもあるのですが、この日に雪が降っていたのは、本当に、生まれて初めてのことです。
実は、我が家の庭には、とても珍しい木があります。
日本人は古来より、春は桜の花見、秋は紅葉狩りを楽しんで来たのは皆様もご存知の通りで、よく絵画や歌の題ともなっていることもご存知のことかと思います。私は特に、上野の東京国立博物館が所蔵する桃山時代の屏風絵『花下遊楽図』が、何とも言えないけだるい憂いをたたえている――と、とてもとても好きで、最も愛している日本絵画の一つですが、この桜ともみじという主題はきものや帯の画題としてもよく描かれ、桜と楓(もみじのこと)を一枚に描く桜楓模様は、春にも秋にも、緑の楓なら初夏にも着られて重宝だったりもします。
ところで、実は我が家の庭には、この桜の木も紅葉の木も植わっているのですが、何と、二つの木の枝が下の写真のように、根元の方で一体化しているものがあるのです↓
%E6%A1%9C%E6%A5%93.jpg
左がもみじの木、右が桜の木の幹となります。
実は、私が小学生の頃、この桜はまだほんの細い木で、あまり日が良く差さない日陰に立っていたため、大きくは育たないのではないかと心配するほどでした。
それがいつからか立派な青年の木となり、そして、たぶん10年ほど前からだったでしょうか、その桜の下に、庭の大きなもみじの木から落ちた種が芽を出して育ち、やがて二つの幹がくっついて共生するようになったのでした!
桜楓が一つの幹として伸びている‥これはもう奇観と言って良い、かなり珍しい姿ではないかと思っています。

毎年、四月八日、私の誕生日の頃にはこの珍しい「桜楓の木」に桜の花が咲きもみじにも葉が芽吹き、真の桜楓模様となって大変おめでたいのですが、今年は更にこの珍しい春の雪が舞うという三重のおめでたさが重なったので、ゼヒ写真に、と思い撮影したのがブログの一番上に上げた写真です。残念ながら雪は上手く写すことが出来ませんでしたが、こんな珍しい誕生日を迎えられた今年、四十代も半ばとなり、実は今が人生で最も楽しく、充実した日々を過ごしています。新しい一年も、今自分の手につかんでいるこの流れを継続出来るように、そしてもっともっと大きなことを実現したいと、まるで桜と楓と雪とを腕にかかえるように欲張りに幾つかの夢を持っていますので、一つ一つ地道に努力を続けて行きたいと思います。
どうぞ皆様良かったらこれからもお見守りを頂けたらと存じます。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 40代の生き方へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
にほんブログ村

「婦人画報」5月号「東京」特集にて、5ページ取材・執筆しました! 2015/04/06



ただ今発売中の「婦人画報」5月号にて、5ページ取材・執筆を致しましたので、ご紹介の日記です。
%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E7%89%B9%E9%9B%86.jpg
5月号は、「東京」特集。
1960年の第1回目ほどではないにしろ、近づくオリンピックを前に変わりつつある東京の新スポット、そして、昔からあるけれど、新しい視点で眺めた時見逃せないスポットを紹介しています。
別冊付録で「東京ベストレストラン2015」も!

私が担当したのは、三つのテーマ。
第1は、3D写真館
studio.jpg
写真館で写真を撮ると、自分そっくりのフィギュアを作ることが出来る!という3D写真館。この最新分野に写真家の桐島ローランドさんが参入されていると聞き、そのスタジオ「AVATTA」を訪ねてお話を伺いました。
ページにはローランドさんそっくりのフィギュアもご紹介しています。写真は、升谷玲子さん。

第2のテーマは、ハイブリッド・ギャラリー
H%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC.jpg
がらんとした白い空間に絵がかかっていて、マルジェラか何かを着た気難しそう~なギャラリストがしかめっ面で控えている‥といった従来のギャラリーのイメージを裏切り、最近の現代アートギャラリーは、場自体が“たくらみ”を持っている。
そんな四つのギャラリーをご紹介しています。

*白金アートコンプレックス(白金/児玉画廊、山本現代、ARATANIURANO、ロンドンギャラリーの四つのギャラリーが一つのビルの中に)
*バー・ジンガロ(中野/村上隆さん率いるカイカイキキがプロデュースする四つのギャラリー+カフェが中野ブロードウェイに登場!)
*イマコンセプトスタジオ(六本木/写真芸術に特化したギャラリー兼カフェ)
*カネザンマイ(高円寺/アート集団Chim↑Pomが自ら経営・展示するギャラリー)

実は私は6年ほど前から「日本の現代アート、ほんっとつまらない」と思い、一切見るのを止めていたのですが、今回各ギャラリーを回って・作品を見て・ギャラリストの方とお話をして、いい作品がいっぱいあるし、面白くなって来ているなと思いました。
皆様もゼヒこのページをご参考に回って頂けたらと思います。

そして最後、第3のテーマは、プレミアム予防医療
yobouiryo.jpg
プレミアム人間ドッグ、寺院の中で受ける漢方治療、遺伝子検査、スーパー精緻な血液検査‥病気になる前に病気の芽を摘む、新しいコンセプトの元に運営されているクリニックをご紹介しています。
どんな夢も野望も健康でなければ達成は難しいことを考えれば、何よりも体のメンテナンス、そして病気の予防に投資するべきなのかも知れない‥そんなことを思い知らされた取材でありました。

私のページは、全体の中のごくごく一部。他にもたくさんの見所が、「婦人画報」ならではの一ひねりある視点でピックアップされています。ゼヒお手に取ってご覧ください!

***応援しているイベントです。こちらもゼヒご覧ください***
きものと和のイベント「わーと日本橋」
5/2~5/10・ コレド室町にて
https://www.facebook.com/wanihon

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 40代の生き方へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
にほんブログ村

廣瀬雄一さんの江戸小紋をあつらえに 2015/04/03



 今日は強風吹きすさぶ中、母と二人、江戸小紋染め師・廣瀬雄一さんのお宅を訪ねていました。お喋りをしに‥出掛けた訳ではなく、もちろん、廣瀬さんのお作のあつらえの相談に伺ったのです。
 昨年秋発売の雑誌、「いろはにキモノ」。私が、廣瀬さんの制作哲学と作品をご紹介する6ページの特集記事「江戸小紋新時代 廣瀬雄一」を担当したその誌面を見て、母が、
「記念に、この方の江戸小紋を我が家でも作りましょう!」
と嬉し過ぎる提案を。ところがなかなか、廣瀬さん、母、私三人の日程が合わず、やっと今日実現の運びとなったのでした。
%E5%BB%A3%E7%80%AC%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8.jpg
 さてさて、上の写真が、廣瀬家での相談中の様子です。母は写真に写りたくないというので、私と廣瀬さんだけでパチリ。
 客間に、たくさんの新作反物と“刷り絵帳”という刷り見本の紙を束ねた冊子を準備して頂き、三人で侃侃諤諤と「この一枚」を選んだ午後でした。

こちらは、既に染め上がっている生地の見本たち↓
%E7%94%9F%E5%9C%B0%E8%A6%8B%E6%9C%AC.jpg
刷り絵帳はこんなに大量!でもこれは廣瀬家型紙コレクションのまだまだ一部に過ぎません↓
%E7%B5%B5%E5%88%B7%E3%82%8A.jpg
気に入った型の刷り絵を床に並べて遠くから眺め、きものになった様子を想像したり‥↓
%E7%B5%B5%E6%AF%94%E8%BC%83.jpg
色見本を見てまたまた出来上がりの色を想像したり…↓
%E8%89%B2%E8%A6%8B%E6%9C%AC.jpg
‥などということを繰り返すこと3時間。遂に、「この一枚」が決まったのですが‥まだお見せすることは出来ません。
 実は、我々親子、廣瀬家訪問の前は、「中型」と言われるやや大きめの柄の型の中から染めてもらおうと考えていました。
「いろは」の廣瀬さん特集でも中型を2点紹介しましたが、廣瀬家の型紙コレクションの中に多数存在する、大正~昭和にかけて彫られた中型の型紙には、非常に特徴的な粋な美意識と強い躍動感があり、「ゼヒ中型で染めて頂きたい!」という思いを持っていたのです。
‥が、結局二転三転の後に選んだのは、「ザ・江戸小紋」とも言うべき、極小の美を追求した作品でした。周囲の友人知人に「今度廣瀬さんの小紋作るんです~敢えて中型にするつもりです~」と散々言いまくったのに、「全然違うじゃん!」と笑われそうですが、とてもとても素敵な反物を、
「そうだ、これ、新作なんですよ‥」
と見せて頂き、見事に転びました!笑
 いや、お金が無尽蔵にあるなら中型でほしい作品もたくさんあり、実は最後の最後まで迷ったもう一枚は中型のものだったのですが‥またお金を貯めて、中型くんもいつかお迎え出来るよう、仕事に励みたいと思います。
 さてさて我が家にお迎えすることになったその反物は、結局、色も廣瀬さんが現在染めているこの色で行くのが一番良いということになり、そのままお持ち帰り。この箱の中に入っているのですが‥↓
%E5%8F%8D%E7%89%A9.jpg
 秋以降、仕立て上がってからお見せしたいと思います。
 もちろん、廣瀬さんの江戸小紋ですから、古典を踏まえた上で現代の感覚を併せ持っている、とてつもなくとてつもなく素敵な「廣瀬江戸小紋」です。もう、家に帰ってから何回も鏡に当ててにっこにこしていますが、お披露目はもう少し先に…新作中の新作、私が日本で(つまり世界で)初めて着ることになる廣瀬小紋です☆
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 40代の生き方へ
にほんブログ村

桜の江戸小紋に、羽織からリメイクした絞りの帯で 2015/04/01



 毎年日本人が楽しみに待つ、桜の花。この間の週末は正にほぼ満開を迎えようとする頃で、そんな中、外出に極小の桜柄の江戸小紋で出かけたのでコーディネイトご紹介のブログです。
%E5%86%99%E7%9C%9F%20%2810%29.JPG
 上の写真で私が着ているのが、その江戸小紋。先ほど定規で計ってみましたが、長さほぼ1ミリの桜の花びらが無数とも言えるほど散りばめられています。正に技術の極地。型紙に彫るのも、しっかりと模様が出るよう染めるのも、熟練した職人技がなければ不可能なことですよね。彫った方の名前は分からないのですが、染めたのは、江戸小紋の伝統工芸士、金田昇(二代目)さんです。
%E6%A1%9C%E5%B0%8F%E7%B4%8B%E5%85%AB%E6%8E%9B.jpg
↑こちらの写真は、床置きした後、裾を折り返して八掛が見えるようにしてみたものです。八掛にはもっとずっと大きな桜の柄が染められていて、ちらり、と見える仕掛け。裏地まで含めたこんな演出は、正に江戸時代に発達した日本独特のいきの美意識ですよね。
      
           *
%E7%BE%BD%E7%B9%94%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%B8%AF%E5%AF%84%E3%82%8A.jpg
↑さて、そんな桜柄のきもの、とても地味な黒地なので、帯に桜の花の色の一本を締めてみました。
 この帯、実は元は総絞り柄の羽織でした。祖母からの伝わりものだったのですが、経年のしみが出ている部分もあり、思い切って帯に作り変えることにしたのです。ちょうど袖の部分に竪筋に柄が入っていた部分が、前帯の下半分に出るように仕立て変えています。まるで元からこのデザインで絞った帯のように見えませんか?いつもお世話になっている渋谷の和裁所「プロきものスクール」の海老原校長先生にご相談して仕立て変えて頂きました。もう、大のお気に入りの一本になりました!
%E5%86%99%E7%9C%9F%20%283%29.JPG
↑こちらの写真、右に一名加わって写っているのが、その、エビ先生こと海老原美智子先生です。前回の日記にもご登場頂いていたので、覚えていらっしゃる方も多いでしょうか。
 そのエビ先生のおきもの、何だか不思議なことがいっぱいあると思いませんか?よく見ると衿の辺りにファスナーがついているし、柄も、南国の椰子か何かの木???
 実は、このおきもの、下の郷ひろみさんの衣装をきもの化したものなのだそうです↓
%E9%83%B7%E3%81%B2%E3%82%8D%E3%81%BF.jpg
 エビ先生は大の郷ひろみファンで、毎年のコンサートに「郷さんの衣装のきもの版」で現れることで、郷さんファンの間ではつとに有名なのだとか。和裁も名人になると、こんなすごいことが出来てしまうんですね‥!郷さんもきっとステージ上から気づいているのではないかと思います。

          *

 この日は、プロきものスクールの修了式を原宿のレストランで行い、その後、渋谷の教室に戻って、来週、ご著書「いちばんやさしい和裁の基本」(4月7日発売・DVD付き)が発売となる前校長の松井扶江先生を囲み、皆さんでわいわいお食事をしていらっしゃいました。私もそこに混ぜて頂いた、という次第です。
 松井先生は、修了式から回られたので、竹の柄の訪問着をお召しでした(お膝にはハンカチを載せられています)。
 私は以前、「江戸着物ファッションショー」というきものイベントを企画制作した際に、先生に一本江戸時代の特殊な帯の再現制作をお願いしたことから、ご縁を頂きました。まだまだ「女は家庭に」だった時代に、和裁士として一本立ち。そして自らの和裁所兼和裁スクールを立ち上げた先生。でもとってもかわいらしい先生なんです。
%E3%81%84%E3%81%A1%E3%81%B0%E3%82%93%E3%82%84%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%84.jpg
 まだ発売前だけどチラ見せ。先生のご本はこちらです↑
 懇切丁寧に、運針から始まって、単衣の縫い方までを解説してくださっています。他に、嘘つき襦袢の袖の付け替えや、お直しの縫い方についても!7日発売の予定とのことですので、ゼヒ皆様もお手に取ってみてくださいね。不器用ナンバー1の私も、お直しくらいまでなら自分で、この本で学ぼうと思っています☆
にほんブログ村 ファッションブログ 着物・和装へ
にほんブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 40代の生き方へ
にほんブログ村