西端真矢

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桜の江戸小紋に、羽織からリメイクした絞りの帯で 2015/04/01



 毎年日本人が楽しみに待つ、桜の花。この間の週末は正にほぼ満開を迎えようとする頃で、そんな中、外出に極小の桜柄の江戸小紋で出かけたのでコーディネイトご紹介のブログです。
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 上の写真で私が着ているのが、その江戸小紋。先ほど定規で計ってみましたが、長さほぼ1ミリの桜の花びらが無数とも言えるほど散りばめられています。正に技術の極地。型紙に彫るのも、しっかりと模様が出るよう染めるのも、熟練した職人技がなければ不可能なことですよね。彫った方の名前は分からないのですが、染めたのは、江戸小紋の伝統工芸士、金田昇(二代目)さんです。
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↑こちらの写真は、床置きした後、裾を折り返して八掛が見えるようにしてみたものです。八掛にはもっとずっと大きな桜の柄が染められていて、ちらり、と見える仕掛け。裏地まで含めたこんな演出は、正に江戸時代に発達した日本独特のいきの美意識ですよね。
      
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↑さて、そんな桜柄のきもの、とても地味な黒地なので、帯に桜の花の色の一本を締めてみました。
 この帯、実は元は総絞り柄の羽織でした。祖母からの伝わりものだったのですが、経年のしみが出ている部分もあり、思い切って帯に作り変えることにしたのです。ちょうど袖の部分に竪筋に柄が入っていた部分が、前帯の下半分に出るように仕立て変えています。まるで元からこのデザインで絞った帯のように見えませんか?いつもお世話になっている渋谷の和裁所「プロきものスクール」の海老原校長先生にご相談して仕立て変えて頂きました。もう、大のお気に入りの一本になりました!
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↑こちらの写真、右に一名加わって写っているのが、その、エビ先生こと海老原美智子先生です。前回の日記にもご登場頂いていたので、覚えていらっしゃる方も多いでしょうか。
 そのエビ先生のおきもの、何だか不思議なことがいっぱいあると思いませんか?よく見ると衿の辺りにファスナーがついているし、柄も、南国の椰子か何かの木???
 実は、このおきもの、下の郷ひろみさんの衣装をきもの化したものなのだそうです↓
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 エビ先生は大の郷ひろみファンで、毎年のコンサートに「郷さんの衣装のきもの版」で現れることで、郷さんファンの間ではつとに有名なのだとか。和裁も名人になると、こんなすごいことが出来てしまうんですね‥!郷さんもきっとステージ上から気づいているのではないかと思います。

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 この日は、プロきものスクールの修了式を原宿のレストランで行い、その後、渋谷の教室に戻って、来週、ご著書「いちばんやさしい和裁の基本」(4月7日発売・DVD付き)が発売となる前校長の松井扶江先生を囲み、皆さんでわいわいお食事をしていらっしゃいました。私もそこに混ぜて頂いた、という次第です。
 松井先生は、修了式から回られたので、竹の柄の訪問着をお召しでした(お膝にはハンカチを載せられています)。
 私は以前、「江戸着物ファッションショー」というきものイベントを企画制作した際に、先生に一本江戸時代の特殊な帯の再現制作をお願いしたことから、ご縁を頂きました。まだまだ「女は家庭に」だった時代に、和裁士として一本立ち。そして自らの和裁所兼和裁スクールを立ち上げた先生。でもとってもかわいらしい先生なんです。
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 まだ発売前だけどチラ見せ。先生のご本はこちらです↑
 懇切丁寧に、運針から始まって、単衣の縫い方までを解説してくださっています。他に、嘘つき襦袢の袖の付け替えや、お直しの縫い方についても!7日発売の予定とのことですので、ゼヒ皆様もお手に取ってみてくださいね。不器用ナンバー1の私も、お直しくらいまでなら自分で、この本で学ぼうと思っています☆
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