西端真矢

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「美しいキモノ」夏号、黒柳徹子さん、馬場あき子先生、鈴木登紀子さん(ばあば)のインタビューを担当しました 2015/05/20



本日発売の「美しいキモノ」夏号にて、黒柳徹子さん、歌人の馬場あき子先生、“ばあば”こと料理研究家の鈴木登紀子さんに、きものにまつわるお話を伺うインタビューページを担当致しました。

黒柳さんと馬場さんには、「戦後七十年を迎えて あのときの私ときもの」という特集で、戦前、戦中から戦後の混乱期まで、きものにまつわる思い出を中心に、どのようにあの苦しい時代を生き抜かれたのかを伺っています。謂わば、きものから語る、戦争。ゼヒ読んで頂けたらと思います。
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皆さん、黒柳さんがどんな方か知りたいと思いますので、インタビュー当日の私の印象を少し書くと、黒柳さんという方は、テレビで見る通り、とてつもなく明るい、プラスの力を、体の中心から発していらっしゃるような方です。
お背は小さく、テレビの収録の後にインタビュー場所にいらして頂いたので、たぶんお疲れでもあったかも知れないはずなのに、ひとたび黒柳さんがお話を始めると、何故だか分からないのですがその場にいる人の目が、耳が、自然とすーっと糸ででも引っ張られて行くような、そんな力をもっていらっしゃいます。
私はこれまでに仕事で様々な方にお会いし、黒柳さんと同じような、強い「惹きつけ力」をお持ちの方にお目にかかったことがありますが、或る場合には、その力は、暗く支配的であったりもします。けれど黒柳さんの場合は、心の底から明るい。これほどの陽の力を放っていらっしゃる方には、本当にお会いしたたことはありません。ああ、天はこの人に特別な力を与えたのだ、光の束のような人であり、人を幸せにする方なのだなと、しみじみと思わされました。
そして、そんな黒柳さんが当日お話し下さった内容は、あの永遠のベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」で人々の心に深く焼きつけられた天衣無縫な少女“トットちゃん”が、そのたった数年後、戦争の時代をこんな風に生き抜いて行ったのか‥と、強く心を揺さぶられるものでした。お話を聞いていて、私は二度ほど、涙が目の縁にあふれて来てとても困ってしまったほど。
そして、この、「トットちゃんと戦争の物語」を何とか読者の皆様に真っすぐに伝えられるよう、一生懸命原稿にまとめたつもりです。ゼヒお読み頂ければ嬉しく思います。
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そして、同じ戦後七十年企画でもうお一方インタビューをした馬場あき子先生は、日本を代表する歌人であり、能や日本の染織にも深く通じ、また、不朽の名著「鬼の研究」をはじめ、民俗学と文学とを統合したような素晴らしい著作を著わされている方です。
一体、これほどの文学者の言葉を、私のような者がまとめて良いものなのか?恐れに近い気持ちもありましたが、この大役を務めさせて頂きました。
今回のページを読んで頂ければお分かり頂けるのですが、優れた文学者というものは、その人生さえも文学の色彩を帯びるものなのかしら‥?そう思わされるほど、一つ一つの先生の思い出のお話が、まるで少し影を帯びたトーンの昭和期の映画の一場面のように、目の前に情景が浮かび上がって来るものばかりなのです。そしてその総ての場面を、先生が憧憬された、或る「きもの」がつないで行く‥非常に美しく、悲しい、鋭敏な感性を持った一人の少女と、きものと、戦争の物語を、ゼヒ皆様にお読み頂ければと思います。

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一方、NHK「今日の料理」や「キューピー3分間クッキング」などの人気料理番組で、“ばあば”の愛称で親しまれる国民的料理研究家、鈴木登紀子さんには、「きものmy style」というコーナーでインタビューをさせて頂きました。
テレビでは、きものに前掛け姿がお馴染みのばあばですが、では、ふだんはどんなおきものを着て過ごされているのか?コーディネイトの‘レシピ’は?愛用の和装小物や購入時のエピソードも含めてご紹介しています。こちらは、ゼヒ、楽しくお読み頂けたらと思います。

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「美しいキモノ」夏号は、私の担当ページ以外にも、夏紬や浴衣のコーディネイトが満載で、きものloverの強い味方に。
また、染織好きには必携の、徹底的な詳しさで産地を網羅する「染織レッドリストを救え!」関東編、染織研究家の富澤輝美子さんが明治から昭和まで時々の流行を解説する連載(毎回とても楽しみ)では、今回は「女子の袴」が採り上げられていたり。また、本当にきものの似合う木村多江さんの芭蕉布や麻きもののファッションページなどなどなどなど…見ごたえ、読みごたえある記事がいっぱいです。
また、地味な存在ではあるかも知れませんが、実は、「英語できもの」も、私がとても楽しみにしている連載。通り一遍ではなく、驚くほど徹底的に、英語できものを説明するための言い回しや用語を解説してくれています。外国人の友人の多い私にはもう、非常にお役立ち!の保存版。また、今は「外国の人とは接しないから関係ないわ」と思っているきものloerの皆さんも、この時代、きっと必要になる場面がやって来るはずですよ。今から購入して保存しておいてくださいませ!
‥と、大好きな「美しいキモノ」ですので、つい熱くなってしまいました。皆様、ゼヒ本屋さんに急いで頂ければ幸いです!そして、良かったら私のページも読んでくださいね♡
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