西端真矢

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白地の浴衣で、“東京二大水羊羹食べ比べ会”へ 2014/07/29



私が通っているお茶の教室で、週末、ちょっと面白い試みをしました、
実は私の社中は、もしかしたら東京一お菓子に命を懸けているのでは?と思うくらい、毎回毎回のお稽古からお茶会まで、お茶菓子に力を入れています。
そんな我々の社中で、数年来、一つの懸案事項がありました。
それは、夏を代表する和菓子と言えば水羊羹だけれども、では、「東京で最も美味しい水羊羹はどこのものだろう?」というもの。
実はかねてから、両国の越後屋若狭と大久保の源太が双璧なのではないか、と、我が先生や特にお菓子に詳しい“お菓子重鎮”たちから意見が出ており(ちなみに私などは、我が社中においては全くお菓子が詳しい方には入りません‥)、毎年七月のお稽古ではどちらかの水羊羹を頂いていたのですが‥、そうだ、どうせなら同じ日に同時に食し、どちらが美味しいか審査しようじゃないか!と、“東京二大水羊羹食べ比べ会”を開くことにしたのです。
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その天下分け目の?審査?の様子が、上の写真です。‥じゃーん!左が越後屋若狭、右が源太の水羊羹。源太のものは、かなりおぼろ状なのがお分かり頂けるでしょうか。
その日、総勢十八名、自分が美味しいと思った方のお皿を畳の縁の前に出す‥という形式で行った、まあ、たかがお菓子ごときでばかばかしいと言われてしまえばそれまでなのですが、何とも楽しい催しでした。

     *

気になる結果は‥もちろん、どちらも美味しい‥!最高レベルの水羊羹でございました。
その味を舌の上でじっくりと吟味・精査してみれば、越後屋若狭の方が甘味をやや抑えめにした、渋い味わい。源太の方が甘味が強く、でも決して下品な強さではない、そんな両雄それぞれの良さを持ったお味に、本当にどちらも美味しく甲乙つけがたかったのですが‥私個人の好みでは、源太の方に軍配を上げました。
おぼろ状ということは、舌に触れる一つ一つのかたまりの大きさは必然的に小さくなり、印象も小さくなるはずです。そこを計算して配したやや強い甘味成分、その配し具合が絶妙に思えたので一票を投じたのですが‥、でも本当に、好みの問題だと思います。
社中全体では、十対八で源太に票が多く集まりましたが、これは決して若狭がダメだったということではありません。若狭も本当に本当に美味しいのです。そうなのです。皆様も良かったら夏の酔狂に、こんな楽しい会を開かれてみてはいかがでしょうか。

      *
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さて、楽しい催しに、浴衣での参加がOKでしたので、私は白地の浴衣で参加しました(室内では失礼になるので足袋を履いていました‥足袋ソックスでしたがw)。
大柄の蝶が配された、実は頂きものの浴衣で、「染と織 藤井」というたとうに入っていたので、そこのものだと思います。池之端にあるお店ですね。
帯は、7月4日の日記で締めていたものと同じ、黄色の博多半幅帯を合わせました。浴衣の模様がかわいらしく、色も白地なので、赤系の帯では私の年齢では甘くなり過ぎてしまうかな、と、黄色を入れて全体を引き締めてみたものです。
それにしても、大の甘党の私がたまたまこれほどまでにお茶菓子を追究するお教室に出会えたこと、本当に幸せに思う週末の午後でした♪

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「美しいキモノ」アカデミー出席の日のきもの 2014/07/24



大分前のことなので恐縮なのですが、今日の日記は、雑誌「美しいキモノ」が開催するきもの講座「美しいキモノアカデミー」に参加した日のコーディネイトをご紹介します。
何せ6月の開催だったので、きものはまだ単衣です。ちょうどこの頃仕事が立て込んでいて、アップデート出来ないまま時間が過ぎてしまったのでした。
当日は、こんなきもので参加しました↓
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きものは、私の祖母が東京紅型の技法で染めたものです。
ちりめんではなく紬地に染めているのがやや珍しいかも知れません。丸紋つなぎ文様を、茶系の同系色で染めていて、祖母の趣味全開!の一枚です。
帯は、もう6月の後半でしたし、絽を締めました。ちなみに襦袢も麻の襦袢を着て、半衿も絽にしていました。帯の文様は、片輪車。絽刺しで表現されています。

このきものは、6月10日の日記で着ていたのと同じものです。
この時は若竹色の帯に黄色の帯締めを合わせていました。やはり帯で大分印象が変わると思います。
http://www.maya-fwe.com/4/000289_J.html

ところで、今回の写真で私と一緒に写っている裃は、小千谷縮で織られています。ものすごく薄いのがお分かり頂けるでしょうか。江戸時代より続く小千谷縮の名門“西脇商店”が所蔵するもので、江戸時代、当主が正装用に作ったものだということ。今はここまで薄い小千谷縮は織ることが出来ないのだそうです。

       *
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この日の講座では、西脇商店の現当主(十一代目)西脇一隆氏から、小千谷縮の歴史を直接学ぶことが出来ました。西脇商店は徳川御三卿の田安徳川家の御用も務めていたということで、貴重な「田安御用」の看板を生で見ることも出来、歴女…特に徳川歴史好きの私は大感激だったのでした!
看板の横にあるのは、西脇商店の縞帳。これも大変貴重なもので、何時間も見ていたい思いでした。

       *

この日はもう一講座、友禅染めの人間国宝・田島比呂子氏の作風や人柄について学ぶレクチャーも開催されました。その中で田島さんの制作風景を記録したドキュメンタリー映画が上映されたのですが、私がとても感動したのは、田島さんがあまりにも普通で・質素な環境の中で次々と傑作を生み出されていたという事実でした。
人間国宝と言うと、何か非常に立派な工房をお持ちで、広々とした風格ある作業台にばーんと反物を広げて創作に励んでいるような、そんな風景を思い描きがちです。けれど田島さんが住んでいらしたのは、ごく普通のマンション。しかもそれほど広くもないお家のようで、本当にごく普通のリビングルームのようなお部屋の小さな机で、少しずつ少しずつ反物を広げて作品を描かれているのです。
そして、染め物では、描いた後に“水元”と言って反物を洗う作業が必ず入りますが、私たちが染織の教科書でよく見るのは、長いプールのような専門家らしい装置を使って水元を行う姿。けれど田島さんはマンションの中のごく普通のお風呂場で、その傑作友禅作品を洗っていらっしゃるのです。
私などはええかっこしいのところがある低級な人間ですが、田島さんは違う。これこそ純粋な芸術家の姿だな、とその場面を見た時、ちょっと涙がこぼれそうになりました。芸術作品は環境によって生み出されるのではない。作家の才能と情熱があれば、どこからでも傑作は生まれるのだということを思い知らされた場面でした。

       *

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この日の講座では、休憩時間に両口屋是清の上生菓子と抹茶(お薄)を頂くという嬉しいおまけもありました。
何と、両口屋の職人さんが朝から出張で来られていて、六十人分作って下さっていたというお菓子!更に余分の材料で、その場で作り方の実演もして下さり、甘いもの好きの私はうっとり‥でした。
実は両口屋の上生菓子を食べたのは今回が初めてだったのですが、さすが、こちらは御三家の尾張徳川家御用達だっただけあって、とてもとてもとてもとても美味しい上生菓子でございました!

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また、この日もう一つ感激したのが、お茶があまりにも美味しかったことでした。
写真を撮るのを忘れたのが大失敗だったのですが、裏千家の桂宗裕さんが六十名分点ててくださったもので、裏千家らしくきれいに立った泡が、正に「名人が作る食べ物は見た目も良い」を地で行き、芸術的に美しく、お茶碗の中で均等に泡立っていたのでした。
そしてお味も‥!私もそこそこ茶会などに出ている方だと思いますが、間違いなく“人生ナンバー1お薄”のお味でした。
桂宗裕さんは、「美しいキモノ」にもよく登場されておきものコレクションをご披露されているので、ご記憶の方も多いと思います。きっと気配りもとてつもない方で、そうでなければとてもこんな味は出る訳がないだろうと思わされる一服でございました。
本当に、こんな方がされるお茶会はどんなに行き届いて素晴らしいのだろう‥と、ずぼらな私などは生まれ変わったらこんな女性になりたい、或いはこんな方を妻に持つ旦那さんになりたい、或いは、こんな方を部下に持つ女社長になりたい‥などといつものよけいな空想癖をぼわわんと頭に浮かべ、それにしても初夏の半日、たくさんの学びと“口福”を味わえたレクチャーだったのでした!

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黒地の浴衣に麻の半幅帯で、BBQパーティーへ 2014/07/21



もう昨日のことになってしまいましたが、“寝るまでが今日”と思っているので、今日ということにしてしまいます!今日・20日、都内は、夜になって激しい雷雨に見舞われましたが、午後はまずまずのお天気でした。私は、その都内某所にある素敵な素敵な友人宅で開かれたバーベキューパーティーにお招きを受け、浴衣で参加していました。そのコーディネイトご紹介ブログです。
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浴衣は、黒のぼこぼこと凹凸のある木綿地(紅梅地やしじら地ではありません)に、絞りで、変わり麻の葉文様にも見える菱と十字を表したもの。生地の凹凸が空気を通し、さらっとした肌触りが嬉しい一枚です。
その浴衣に、帯は、ややピンク色がかった茶色に一本縞の、麻の半幅帯を結びました。写真では帯の上部に皺が寄ってしまっていて、お見苦しくてすみません。

      *

上の写真は友人宅内で撮ったので、足元は別カットで↓
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日本の色の名前は人によってかなり感じ方が違うことが多く、決めるのは難しいなと感じますが、この鼻緒の色は「柳色」が一番近いでしょうか?やや鼠がかかった鶸色の鼻緒のついた、右近下駄です。そして、お茶を学んでいると、手の爪は派手な色には出来ないので、足だけは現代風に、華やかなマニキュアを縫っています。お稽古の時は足袋を履くので、見えませんから!
黒の浴衣は、帯の色次第で、女らしい印象にも粋にも見えるのが嬉しいもの。この夏中にまた他の帯を当てて楽しもうと思っています!
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アキラ(寺尾聰)に夢中!  2014/07/12



皆様、土曜日の午後、ご機嫌麗しくお過ごしでしょうか。
ところでワタクシ、この1週間ほど、「早く週末が来ないかしら」と楽しみに待っておりました。
と言いますのも、歴女の私は毎週大河ドラマ「軍師官兵衛」を楽しみに見ているのですが、先週より登場した徳川家康に心を鷲づかみにされてしまったのです。

今回の徳川家康は、寺尾總さんが演じています。
寺尾聰さんと言えば、私が小学生の頃夢中になって見ていた「ザ・ベスト10」で、「ルビーの指輪」が15週連続1位を獲得してルビー色の特別シートが出来るなど、私の世代にはまず歌手・作曲家の印象が強い方でした。
けれど同時に俳優でもあり、「半落ち」や「博士の愛した数式」などの名演技で映画賞も数々受賞している名優だとは、情報として認識していました。それからまた、とにかく黒いスーツとサングラスが似合う“おしゃれなおじさま”という認識もあったのでした。

「官兵衛」で、徳川家康は誰が演じるのだろう?と、一時期ネット上では竹野内豊さんの名前が取り沙汰されたりもしていましたが、結局寺尾さんに決まり、その時の私の感想は、だから、「ふーん、寺尾聰って素敵な人だし演技も上手いと思うけど、ちょっと徳川家康をやるには痩せ過ぎてるんじゃない?」といった程度のものでした。
なので、それほど期待せずに先週の放送を見ていたのですが‥

…そう、見た瞬間に心を奪われてしまいました。
徳川家康と言うと、我々の心の中にあるのは、子ども時代に人質として辛酸を嘗めたが故に容易に本心を明かさない、じっと最良の機が熟すのを待つことの出来る“たぬき爺”。正にそのイメージそのままの、腹の底に何重もの企みを隠し持った狡猾、且つ大胆な野心を持つ武将が姿を現していたのでした‥!
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(テレビ画面を映したのが上の写真です。余計な青い光が写り込んでいることお見逃しください)

    *

世の中には、ただ外見が自分の好みであればその俳優さんなり女優さんなりのファンになる、という方も多いと思うのですが、私は、演技力を絶対重視しています。いくら好きな外見でも、演技が稚拙なら全く魅力を感じません。
これまでに好きだった俳優さんと言えば、香港のレスリー・チャン、トニー・レオン、チャウ・シンチー、韓国のイ・ビョンホンさんなどがいますが、どの俳優さんも役ごとに全く別の人格を作り出せる、抜群の演技力を持った人。その才能と外見のバランスに惚れ惚れしてしまうのです。
日本の俳優さんだとこれまでに、野村萬斎さんが素晴らしいなと思っていましたが、先週以来、すっかり寺尾聰さんに心奪われることになったのでした。
早速wikipediaで調べてみると、「ルビーの指輪」をはじめほとんどの曲を自ら作曲。あれだけの大ヒットを出した上に、黒澤明に演技を認められた愛弟子で、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞も受賞。日本の芸能界史上、レコード大賞とアカデミー賞最優秀賞を共に獲得しているのは寺尾さんしかいないのだそうです。素敵過ぎます‥!
早速なつかしい「ルビーの指輪」や名曲「予期せぬ出来事」の入ったアルバム「Reflections」も購入したのでした♡

    *

背中を丸めながら
指のリング抜き取ったね‥

何しろ「ルビーの指輪」が流行った頃は小学生だったので、訳も分からず歌詞を丸暗記していましたが、今になってから聴くと大人の悲しい恋を唄った曲だったんですね‥

俺に返すつもりなら
捨ててくれ…

街でベージュのコートを見かけると
指にルビーのリングを探すのさ
あなたを失ってから‥

かっこいい‥
そしてyoutubeに映像がないか探してみると、当時、四十歳くらいでしょうか、コンサートで「ルビーの指輪」を唄う映像が上がっていました。

これがもう、「ルビーの指輪」の歌詞の中の男性そのものです!日本歌謡曲史上、ここまで歌詞と唄う人のイメージが一致したこともなかったのではないでしょうか!

*

…と言う訳で、にわかに總さまのファンになった私です。
聰さまのような方に、

誰も邪魔は出来ないぜ
あなたをさらった  (予期せぬ出来事)

…言われてみたいです!
…下らな過ぎてすみません!!
もともと「官兵衛」は脚本が面白く毎回楽しく見ていましたが、ますます週末が楽しみになって来ました。
ストーリーは今週が本能寺の変で、これからいよいよ家康が実力をじわじわと伸張して行く展開になるのは必定ですから、出番もきっと多いハズ。日曜夜8時は私に電話しないでください♪
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色無地のきもので茶会へ 2014/07/09



今日は朝から新幹線に乗って、一路、小田原へ。と或る日本美術関係者の方に茶会にお招きを頂き、楽しいひと時を過ごしました。
茶会が開かれたのは、松永記念館という美術館の中にある茶室です。
この美術館は、明治から昭和にかけて、主に電力業で財を成した松永安左ヱ門(宗名は耳庵)が晩年に住んだ邸宅と茶室を、小田原市がそのまま保存して運営しているもの。当時の成功した財界人の財産は桁違いですから、庭にはこんな素敵な蓮池があったりもします。
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実は、私は蓮の花が大好きで、好きな花第2位にランク付けしているほどなのです。朝、会場に着いた時は花が開いていたので、うっとりとしばし見とれてしまいました。あいにく朝方は茶会の前ですから、写真を撮るほどの時間はなく、この写真は午後遅く、閉じた状態の写真です。…が、それでもこの池や庭の美しさは伝わるかと思います。

        *

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さて、今日のきものは、絽の色無地です。
私は、きものは、藤色からワインレッドまで紫がかった色が好きで、気がつくとよく着ているのですが、今日の色は、江戸紫(写真だとやや青みが強めに出ています)。紫系は着た時にどこか甘い雰囲気になることが多いものですが、江戸紫にはいさぎよい、言ってみれば男っぽさがあるような気がします。やはり、江戸の人の好みの色なんだなということを実感させれられました。後姿は撮っていないのですが、一つ紋が入っています。
そのきものに、前々回のブログでも締めていた、ひなやの格子文様の袋帯を締めました。帯締めは、紫系や黄色など色々試したのですが、茶会ということですっきりと白の冠組を入れました。
帯揚げは、写真ではあまり見えないのですが、淡い灰色にかすかに金色の水玉模様が入った“布”を入れています。実は、これ、帯揚げではなく、母のシフォン地のスカーフなのです。「合いそう!」と直感が働いたので、貸してもらって入れてみました。こういう遊びも楽しいですね。

       *

茶会のご亭主の了承を得て、茶会の様子を一部ご紹介します。
下の写真は、寄付の様子。現代アートと古伊万里の共演が新鮮です。
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こちらの写真は、茶室で、薄茶まで総て終わった後、もう一度茶入を見せて頂いた時にお床に置いて撮ったもの。
まず、花入は、有松の現代アート作家の作品で、小学校などで使うパイプ椅子!の脚の廃材に手を加え、美しい花入れにしたもの。蕾の百合と見事に調和していました。侘茶らしい味のあるいい作品を見つけられたな、と感心して眺めておりました。
そして、茶入は、江戸初期の瀬戸の肩衝。写真には撮っていないのですがお茶碗も素晴らしく、眼福の茶会でありました。

週半ば、平日のお昼間に、お茶やお道具を愛する方々とのひと時。雨の合間を縫っていかにも日本人らしい遊びの時を過ごせたこと、お招き頂いたご亭主と連客の皆様に深く感謝しています。

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婦人画報社の浴衣デーに参加しました! 2014/07/04



今日は、最近お仕事をさせて頂く機会の多いハースト婦人画報社の浴衣デーにお招きを頂き、参加して来ました。
浴衣デーとはどういう催しかと言うと、何と社員の皆さんが一日浴衣を着てお仕事をされ、夕方からは噺家さんを招いて臨時の高座を作って寄席。その後は、軽食・お楽しみ屋台付きで歓談を楽しむ、というもの。
社長のイヴ・ブゴンさん(フランス人)が乾杯の挨拶で「きもの文化を残したいから企画しました」と仰っていて、何と、社長の肝煎りで実行された企画だということでした。さすがは「婦人画報」や「美しいキモノ」「いろはにキモノ」を送り出す出版社ですね。
イヴ・ブゴンさんは大変に流暢な日本語をお話しになり、並みの日本人よりもずっと日本文化通。先ごろ京都市から“京都国際観光大使”にも任命されています。こんなにも日本を愛してくれる外国の方がいらっしゃること、本当に嬉しい限りですね。
そのブゴン社長と一緒に写真を撮って頂きました♡
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何と、背中の紋が入る位置には蚊取り線香の洒落紋が入っている粋な浴衣です。もちろん、特注なのでしょうね。後ろ裾の方に蚊の文様が入っていたらしいのですが、蚊取り線香に気を取られて撮っていません。ごめんなさい‥
   
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↑こちらの写真は、いつも大変大変お世話になっています!「美しいキモノ」と「いろはにキモノ」編集長の富川匡子さんと。大変な美人でいらっしゃり気が引けてしまいますが‥一緒に♡
富川さんの浴衣は、おそらく竺仙のものだと思います。竹にふくら雀文様‥かわいい!

あ、申し遅れましたが、私の浴衣は、菊唐草文様です。讃岐の保多織りという木綿地で、紅梅織りなので、肌につかず離れず。紅梅の凸凹に帯が引っかかり、すべりくいという利点もあります。本当に着心地が良くて、もう一枚保多織りの浴衣か単衣を作りたいな、と思うほど。「美しいキモノ」編集部の皆さんにも、「この生地はいいねわ~」と褒めて頂きほくほくでした♪

       *

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浴衣デーには子ども連れの社員さんもちらほらいらっしゃり(素敵な試みですね!)、綿あめを自分で作れる機械が人気。私も童心に帰って作ってみました。楽しい‥♪今日の帯結びは、割り角出しです。

また、本日の寄席に噺家さんを派遣された落語協会さんよりじゃんけん大会の景品も出て、私は結構勝ち進み、こんなかわいい手拭いを頂いてしまいました↓
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「噺家」と「鼻が目立つ鹿」をかけています。かわいいですね。

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会場には、人気きものショップ“くるり”の皆さんもいらしていました。一緒にぱちり。
広報の大川さん(私の左隣り)には、昨年「いろはにキモノ」で取材をさせて頂き、大変お世話になりました。現場がぱっと明るく楽しくなる素敵な方なんです。
今日は皆さん、くるりオリジナルの浴衣を着てらっしゃって、楽しく拝見。そして、きもの談義に花が咲き楽しい時間でした。古典文様を現代的な色合いの中に落とし込むくるりの思想、素敵ですね。オリジナルかんざしを買いに行きたいので、近々地元・吉祥寺のショップ“くるりkesa”に伺いますね~!

…と、今年最初の浴衣を楽しんだ夜でした。
それにしても、毎度夏に思うことですが、ふだんきものを着慣れていると、浴衣って本当に着付けが簡単で、あっけない。襦袢を着ないだけでこんなに簡単に思えるのが、何だか魔法のようです。
こちらの編集部とは、これから秋まで、新しい号を作って行くハードな日々が始まります。現在鋭意企画中。皆さんにお届け出来る日まで、楽しみにお待ち下さいませ!
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絽のきもので寛永寺見学ツアー記(篤姫のお墓も参拝!) 2014/07/02



昨日、上野の寛永寺の特別参拝に参加して来ました。
本当は、台湾旅行記などなど書きたいことも山積みなのですが、ありがたいことになかなかに仕事が忙しく、書くのに長くなりそうな日記はちょっと後回し。まずは、さらっと書けるものからアップして行きたいと思います。
  
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さて、今回特別参拝に参加した目的は、徳川家墓所にお詣りするためでした。
非公開のこちらの墓地は、事前に特別参拝に申し込みをしなければ入ることは出来ません。月に何度か参拝日があるので、寛永寺のホームページから申し込みをします(この日記の末尾にURLを記しています)。一緒にツアーを回る方は、昨日は十人くらいいらっしゃいました。

ツアーでは、まず、根本中堂という本堂で住職さんと一緒に般若心経をあげ、その後、30分くらい住職さんのお話をうかがいます。
「え、私、般若心経なんて暗誦出来ないよ!」ともちろん多くの方が心配になると思いますが、大丈夫。ちゃんとお経にふり仮名を振った紙を配ってくださるのです。
余談ですが、私は中国語を学んでいるため、こう言ったお経もどうしても中国語の発音で読みそうになったり意味を中国語で取ろうと頭が働いてしまいます。「色即是空、空即是色」、これ、中国語ですから。‥が、「いやいや、今は日本語の音読みで読むのだから」と、あわてて振り仮名の日本語発音に戻る‥でもまた中国語で読みそうになる…と数秒ごとに頭が行ったり来たりの大混乱で、これはかなり面白い体験でした。

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‥と、そんなことはいいとして、その後の住職さんのお話は、法話ではなく寛永寺の歴史にまつわるお話で、歴史好きには「へー」と言いたくなるような徳川エピソードがちらほら披露され、楽しい時間でした。
その後、一番目の見学場所として、「葵の間」というお部屋に行きます。ここは、徳川慶喜公が鳥羽伏見の戦いに敗れて江戸に戻って来た後、2か月間蟄居した部屋。昨年末に改修工事を終えたばかりで、新しい畳が敷かれとてもきれいでした。(撮影禁止なので写真はありません)
部屋は、八畳と十畳の二間続きの小さなもの。「本来ならあの巨大な江戸城にいたはずの人が、これほど小さな部屋で‥」と感慨深いものがありました。
更に、「さっきまで慶喜公が座っていました」という風に床の間の前に座布団と火鉢が置かれている演出に、歴女としてはますます感動してしまうのでした。

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その後、いよいよ徳川家の廟所見学に向かいます。江戸時代、将軍とごく側近しか入れなかった場所。もし庶民が入ろうものなら、即、打ち首だったそうです。
将軍はこのような立派な唐門から参詣に入るのですが↓
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重要文化財のため、今は眺めるだけ。我々は左脇の新しい門から入ります。先ほどの唐門を背景に撮ったのが下の写真です↓
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昨日から、きもの界では夏!絽の小紋に、一見羅のようにも見えるひなやの組紐帯を締めています。襦袢は、麻。草履だけが袷と同じままですが、これが一番疲れにくいので、歩く距離が多い昨日はこちらを履きました。神田胡蝶のものです。(日記後半でもっと寄った写真もご紹介しています)

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さて、廟の中には、四代将軍徳川家綱公、五代・犬公方の綱吉公、八代・暴れん坊将軍でもおなじみの吉宗公、十一代・艶聞家の家斉公、十三代家定公と、篤姫、明治以降の徳川宗家初代で貴族院議長だった家達公が眠っています。
綱吉公のお墓は銅製で青く、家定公は柿が好きだったとのことで柿の木が、篤姫は枇杷が好きだったということで枇杷の木がお墓の後ろに植えられていて大きく育っていました。
本当は、これらのお墓の写真をお見せしたいところなのですが、個人の家のお墓ですからもちろん撮影は禁止。それぞれのお墓のまわりだけではなく廟所の全体が高い木々におおわれて立派な石灯籠が並び、さすがは将軍家の墓所、という趣でした。
また、明治以降、一時徳川家の権威が落ちていた時に墓荒らしをもくろむ輩がいたそうで、防御のために立派な石垣が築かれているのですが、何とその石垣は、勝海舟がポケットマネーで造ったということでした。実は私は“日本の偉人ベスト3”に勝海舟を入れているほどの勝様ファンなので、ああ、勝様はまた素晴らしく義に篤いことをしていらっしゃる‥と一人うっとりしてしまったのでした。

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こうして大満足の寛永寺ツアーが終了した後は、同じ上野公園内にある上野東照宮に詣でました。
こちらの神社がお祭りしているのは、名前からも分かる通り、東照大権現。そう、日光東照宮と同じ、徳川家康公です。境内の様子も、日光と似た雰囲気。ばーんと金の扉が眩しく、周りの彫刻は日光の眠り猫と同じ、名工・左甚五郎によるものです。

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そして、参道には巨大な灯篭が四十基以上も並び、近づいてみると安永二(1773)年などと彫られており、歴史を感じさせられました。
寛永寺の大部分は幕末の彰義隊の合戦で焼失してしまいましたが、上野東照宮はその火にも巻き込まれなかったのですね。灯篭と一緒にぱちり↓
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帯揚げには絽を、半衿も絽であることがお分かり頂けるかと思います。きものの柄は、昼顔の花を散らした小紋の模様付けです。
    
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いかがでしたでしょうか、上野で見る、徳川家の栄華。前半でも書きましたが、寛永寺特別参拝は月に数回行われています。必ず予約が必要ですので、下記URLからお申し込みください。志納として千円以上が必要です。
http://kaneiji.jp/worship/

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