西端真矢

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絽のきもので寛永寺見学ツアー記(篤姫のお墓も参拝!) 2014/07/02



昨日、上野の寛永寺の特別参拝に参加して来ました。
本当は、台湾旅行記などなど書きたいことも山積みなのですが、ありがたいことになかなかに仕事が忙しく、書くのに長くなりそうな日記はちょっと後回し。まずは、さらっと書けるものからアップして行きたいと思います。
  
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さて、今回特別参拝に参加した目的は、徳川家墓所にお詣りするためでした。
非公開のこちらの墓地は、事前に特別参拝に申し込みをしなければ入ることは出来ません。月に何度か参拝日があるので、寛永寺のホームページから申し込みをします(この日記の末尾にURLを記しています)。一緒にツアーを回る方は、昨日は十人くらいいらっしゃいました。

ツアーでは、まず、根本中堂という本堂で住職さんと一緒に般若心経をあげ、その後、30分くらい住職さんのお話をうかがいます。
「え、私、般若心経なんて暗誦出来ないよ!」ともちろん多くの方が心配になると思いますが、大丈夫。ちゃんとお経にふり仮名を振った紙を配ってくださるのです。
余談ですが、私は中国語を学んでいるため、こう言ったお経もどうしても中国語の発音で読みそうになったり意味を中国語で取ろうと頭が働いてしまいます。「色即是空、空即是色」、これ、中国語ですから。‥が、「いやいや、今は日本語の音読みで読むのだから」と、あわてて振り仮名の日本語発音に戻る‥でもまた中国語で読みそうになる…と数秒ごとに頭が行ったり来たりの大混乱で、これはかなり面白い体験でした。

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‥と、そんなことはいいとして、その後の住職さんのお話は、法話ではなく寛永寺の歴史にまつわるお話で、歴史好きには「へー」と言いたくなるような徳川エピソードがちらほら披露され、楽しい時間でした。
その後、一番目の見学場所として、「葵の間」というお部屋に行きます。ここは、徳川慶喜公が鳥羽伏見の戦いに敗れて江戸に戻って来た後、2か月間蟄居した部屋。昨年末に改修工事を終えたばかりで、新しい畳が敷かれとてもきれいでした。(撮影禁止なので写真はありません)
部屋は、八畳と十畳の二間続きの小さなもの。「本来ならあの巨大な江戸城にいたはずの人が、これほど小さな部屋で‥」と感慨深いものがありました。
更に、「さっきまで慶喜公が座っていました」という風に床の間の前に座布団と火鉢が置かれている演出に、歴女としてはますます感動してしまうのでした。

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その後、いよいよ徳川家の廟所見学に向かいます。江戸時代、将軍とごく側近しか入れなかった場所。もし庶民が入ろうものなら、即、打ち首だったそうです。
将軍はこのような立派な唐門から参詣に入るのですが↓
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重要文化財のため、今は眺めるだけ。我々は左脇の新しい門から入ります。先ほどの唐門を背景に撮ったのが下の写真です↓
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昨日から、きもの界では夏!絽の小紋に、一見羅のようにも見えるひなやの組紐帯を締めています。襦袢は、麻。草履だけが袷と同じままですが、これが一番疲れにくいので、歩く距離が多い昨日はこちらを履きました。神田胡蝶のものです。(日記後半でもっと寄った写真もご紹介しています)

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さて、廟の中には、四代将軍徳川家綱公、五代・犬公方の綱吉公、八代・暴れん坊将軍でもおなじみの吉宗公、十一代・艶聞家の家斉公、十三代家定公と、篤姫、明治以降の徳川宗家初代で貴族院議長だった家達公が眠っています。
綱吉公のお墓は銅製で青く、家定公は柿が好きだったとのことで柿の木が、篤姫は枇杷が好きだったということで枇杷の木がお墓の後ろに植えられていて大きく育っていました。
本当は、これらのお墓の写真をお見せしたいところなのですが、個人の家のお墓ですからもちろん撮影は禁止。それぞれのお墓のまわりだけではなく廟所の全体が高い木々におおわれて立派な石灯籠が並び、さすがは将軍家の墓所、という趣でした。
また、明治以降、一時徳川家の権威が落ちていた時に墓荒らしをもくろむ輩がいたそうで、防御のために立派な石垣が築かれているのですが、何とその石垣は、勝海舟がポケットマネーで造ったということでした。実は私は“日本の偉人ベスト3”に勝海舟を入れているほどの勝様ファンなので、ああ、勝様はまた素晴らしく義に篤いことをしていらっしゃる‥と一人うっとりしてしまったのでした。

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こうして大満足の寛永寺ツアーが終了した後は、同じ上野公園内にある上野東照宮に詣でました。
こちらの神社がお祭りしているのは、名前からも分かる通り、東照大権現。そう、日光東照宮と同じ、徳川家康公です。境内の様子も、日光と似た雰囲気。ばーんと金の扉が眩しく、周りの彫刻は日光の眠り猫と同じ、名工・左甚五郎によるものです。

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そして、参道には巨大な灯篭が四十基以上も並び、近づいてみると安永二(1773)年などと彫られており、歴史を感じさせられました。
寛永寺の大部分は幕末の彰義隊の合戦で焼失してしまいましたが、上野東照宮はその火にも巻き込まれなかったのですね。灯篭と一緒にぱちり↓
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帯揚げには絽を、半衿も絽であることがお分かり頂けるかと思います。きものの柄は、昼顔の花を散らした小紋の模様付けです。
    
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いかがでしたでしょうか、上野で見る、徳川家の栄華。前半でも書きましたが、寛永寺特別参拝は月に数回行われています。必ず予約が必要ですので、下記URLからお申し込みください。志納として千円以上が必要です。
http://kaneiji.jp/worship/

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