西端真矢

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廣瀬雄一さんの江戸小紋をあつらえに 2015/04/03



 今日は強風吹きすさぶ中、母と二人、江戸小紋染め師・廣瀬雄一さんのお宅を訪ねていました。お喋りをしに‥出掛けた訳ではなく、もちろん、廣瀬さんのお作のあつらえの相談に伺ったのです。
 昨年秋発売の雑誌、「いろはにキモノ」。私が、廣瀬さんの制作哲学と作品をご紹介する6ページの特集記事「江戸小紋新時代 廣瀬雄一」を担当したその誌面を見て、母が、
「記念に、この方の江戸小紋を我が家でも作りましょう!」
と嬉し過ぎる提案を。ところがなかなか、廣瀬さん、母、私三人の日程が合わず、やっと今日実現の運びとなったのでした。
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 さてさて、上の写真が、廣瀬家での相談中の様子です。母は写真に写りたくないというので、私と廣瀬さんだけでパチリ。
 客間に、たくさんの新作反物と“刷り絵帳”という刷り見本の紙を束ねた冊子を準備して頂き、三人で侃侃諤諤と「この一枚」を選んだ午後でした。

こちらは、既に染め上がっている生地の見本たち↓
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刷り絵帳はこんなに大量!でもこれは廣瀬家型紙コレクションのまだまだ一部に過ぎません↓
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気に入った型の刷り絵を床に並べて遠くから眺め、きものになった様子を想像したり‥↓
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色見本を見てまたまた出来上がりの色を想像したり…↓
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‥などということを繰り返すこと3時間。遂に、「この一枚」が決まったのですが‥まだお見せすることは出来ません。
 実は、我々親子、廣瀬家訪問の前は、「中型」と言われるやや大きめの柄の型の中から染めてもらおうと考えていました。
「いろは」の廣瀬さん特集でも中型を2点紹介しましたが、廣瀬家の型紙コレクションの中に多数存在する、大正~昭和にかけて彫られた中型の型紙には、非常に特徴的な粋な美意識と強い躍動感があり、「ゼヒ中型で染めて頂きたい!」という思いを持っていたのです。
‥が、結局二転三転の後に選んだのは、「ザ・江戸小紋」とも言うべき、極小の美を追求した作品でした。周囲の友人知人に「今度廣瀬さんの小紋作るんです~敢えて中型にするつもりです~」と散々言いまくったのに、「全然違うじゃん!」と笑われそうですが、とてもとても素敵な反物を、
「そうだ、これ、新作なんですよ‥」
と見せて頂き、見事に転びました!笑
 いや、お金が無尽蔵にあるなら中型でほしい作品もたくさんあり、実は最後の最後まで迷ったもう一枚は中型のものだったのですが‥またお金を貯めて、中型くんもいつかお迎え出来るよう、仕事に励みたいと思います。
 さてさて我が家にお迎えすることになったその反物は、結局、色も廣瀬さんが現在染めているこの色で行くのが一番良いということになり、そのままお持ち帰り。この箱の中に入っているのですが‥↓
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 秋以降、仕立て上がってからお見せしたいと思います。
 もちろん、廣瀬さんの江戸小紋ですから、古典を踏まえた上で現代の感覚を併せ持っている、とてつもなくとてつもなく素敵な「廣瀬江戸小紋」です。もう、家に帰ってから何回も鏡に当ててにっこにこしていますが、お披露目はもう少し先に…新作中の新作、私が日本で(つまり世界で)初めて着ることになる廣瀬小紋です☆
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