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「蝶」の字をデザインした楽しい帯に紅花紬で、美しいキモノ・アカデミーへ 2015/04/13
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先週末は、雑誌「美しいキモノ」が主催する染織文化講座「美しいキモノ・アカデミー」で、からむし(苧麻)の糸作り体験に参加しました。
きものが好きで、あれこれ反物に触ったり織りや染めの歴史について資料を読んだりしていると、時々、しみじみと感動してしまうことがあります。非常に根本的な感動なのですが、植物の茎から糸を取ろうと思った古代の人々って、何てすごいのだろう、と。
他の哺乳動物と違って、我々人類は体毛が異常に薄く、冬場が寒くて寒くてたまらない。恐らく命を落とす大きな原因の一つだったのではないかと思います。その冬を乗り切りたい、命をつなぎたい、という思いが、人間を、植物の茎やつるをはぎ、中から繊維を取り出すという考えへと導いたのでしょう。当時の人々にとって、現在のコンピューターやロケットに匹敵する技術革新だったのだと思います。
↑そんな植物繊維の一つ、からむしは、伝統的に福島の奥会津地方で盛んに栽培され、越後上布や小千谷縮へと織られる麻糸の一つです。今回の「美しいキモノ・アカデミー」では、一時限目が講義。からむしの栽培の歴史、実際の栽培法、そして、皮をはいで繊維を取り出す「苧引き(おびき)」という作業についてなど、学びました。講師はからむしの産地・昭和村から来られた、奥会津昭和村振興公社の渡辺さんです。渡辺さんご自身もからむし畑をお持ちでの「からむし農家」さんです。
↑苧引きを終えた糸は等級に分けられ、越後などに出荷されます。上の写真は、その中でも最上級のもの。きらきらと輝くようで、そして、どこにも傷んだ箇所がなく、すっきりとしています。
↑1時限目終了後は、一旦休憩。
毎回楽しみな、両口屋是清の上生菓子を、他の受講者の皆さんと頂きました。
今回は、右に桜、左に柳をイメージしたお菓子。正に今の季節のお菓子ですね。お茶は、両口屋さんが新たに開発したという、八女茶。どちらも美味でございました。
さて、2限目は実習です。先ほどの写真でもお分かり頂けた通り、苧引きを終えた状態はまだまだ太く、これでは緻密な織物を作ることが出来ません。ここから更に細く裂き、更に機にかけられるように、裂いた糸の一本ずつをつないで行く作業「苧績み(おうみ)」をしなければなりません。実習では、この「苧績み」を体験しました。
↑写真は、講師として指導くださった先生。「織姫制度」という制度を利用して、実際に昭和村に住み、布を織っている若手の方々が指導してくださいました。
写真は、糸を裂く時の手つき。裂いた糸を次々と指に掛けて行く、その決まりの手つきがあるのです。この後、糸と糸とをつなぐ作業にかかりますが、その時にもまた別の決まった手つきがあります。長い時間をかけて編み出されたものなのでしょうね。
実は先週は、また別の植物布「大麻布」の苧績み体験が伊勢丹で行われていたので参加したのですが、績み方はからむしとは若干異なっていました。けれど、ベースになっている考え方は同じです。「糸同士を、撚りながらつなぐ」。はるかはるか昔の祖先たちは、まず植物の皮をはいで繊維を取り出すことを考え出し、そして、身体を覆えるだけの面積の布を織るために、その繊維をつないで行く方法をも考え出したという訳ですね。
その原理を自分の手で知ることが出来た素晴らしい体験でした!
*
↑講座終了後、会場内に展示されていたからむし織の反物の前でパチリ(講義終了直後で口紅全部落ちしていてお見苦しいですが‥)。奥会津のからむし糸の多くは越後へと出荷されて越後上布などに織られますが、地元に残しているものもあり、「からむし織:が織られています。肌につかず、涼しそう。デザインも素敵でほしくなりますね。
↑私のコーディネイトは‥
きものが、「新田」の紅花紬。紅色で有名な紅花染めですが、黄色も出ることは、きもの好きの皆さんは良くご存知かと思います。その黄色を中心に、紅色や他の草木染の糸などを混ぜてランダムな淡い格子を織り出したものです。
帯は、私の祖母が染めたもの。帯〆がかかっていて若干分かりにくいのですが、漢字の「蝶」の字をデザインしています。
そして、お太鼓がこちら↓
前帯はシンプルですが、後ろはこんな風に蝶尽くし。前と同様の漢字の「蝶」もあれば蝶の絵もあり、そして、「てふてふ」とひらがなも書いてあります。祖母が楽しんで描いていた姿が目に浮かぶようです。センスいいな~と大好きな帯。
帯〆は、組紐を学んでいる友人に頂いたもの。淡いオレンジ色の笹波組は、出過ぎず地味過ぎず絶妙の存在感が良いですよね。
帯揚げは、古布を帯揚げとして使っています。
実は、不器用さなら誰にも劣らない私、規定時間内に頂いた分量の苧績みが終わらずまだまだ残っているので、原稿書きに煮詰まった時などにつないでみようかなと思っています。そういう時はめちゃくちゃ熱中してしまいそうです!
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