西端真矢

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創業103年の履き物店「辻屋」さんを訪問。商品ディスプレイと顧客心理について考えた夜 2015/04/30



先日、浅草伝法院通りの履き物屋さん「辻屋本店」に遊びに伺いました。
「辻屋」さんの創業は大正元年ですから、今年でその暖簾は103年目。以前は新仲見世通りにお店を構えていたのですが、昨年暮れ、現在の伝法院通りに移転しました。
今回、新装「辻屋」へ、初めての訪問。雷門をくぐって仲見世通りを浅草寺まで真っすぐ歩き、境内に入る直前の左右の道が、伝法院通りで、右に曲がってすぐ、道の右側に新店舗がありました↓
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↑こんな風に、2階のウィンドウからもたくさんの履き物の様子が分かるディスプレイが目を引いていました。

私と「辻屋」さんのご縁は、2年前の夏、私が企画制作した時代きものイベント「江戸着物ファッションショー」で女将の富田里枝さんに下駄と草履を担当頂いて以来です。
この日は「辻屋」さんでちょっとした集まりがあり、履き物の購入に伺った訳ではないのですが、次に草履を買う時は是非こちらで、と思っています♡
そんな新装「辻屋」さんの、店内のディスプレイが下の写真なのですが、私はここに新しさを感じました

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一足一足が個別に際立つように飾られているため、「ああ、この草履の特徴は、ふっくらした台で、きっと歩いても疲れにくいんだな」とか、「側面に切り返しのデザインがあるのだな」といったように、それぞれのお品の個性が良く分かるのです。
これは里枝さんのアイディアだそうで、「たくさんの商品をお客様に見せる」という観点からすれば、点数は減ってしまうけれど、意外にも以前より「他にもっとありませんか?」という声が少なくなったのだとそうです。
一つ一つの商品の特徴がよく分かってしっかりと頭の中に刻み込まれれば、お客様は精神的に満足する、ということなのかもしれません。マーケティング上、とても重要な気づきなのでは?と思いました。
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こちらは、そのお店の一角で撮った写真。後ろには、男性ものの草履が写っています。女性もの、男性もの、共に充実の品揃えの辻屋さんなのです↓
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私のきものは、「洛陽織物」の網代お召。きものに詳しい方ほど、「この織り、面白い」と手に触れたり、「これは何と言う織りですか?」と質問の出る通好みのおきものです♡辻屋女将の里枝さんからももちろん質問が出て、むふふと思った私なのでした。
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帯は、祖母が染めた型染。牡丹の花籠に、柳が垂れ、燕が飛んでいる、この季節にぴったりの柄です。帰宅後に床置きして、お太鼓のアップも撮ってみました↓
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かなり長く模様を染めているので、実はいつもお太鼓の出し方に悩みます。花を少し犠牲にすると燕が二羽とも入るけれど、花も見せたいし‥と。祖母はそもそもどんな風に締めていたのか、亡くなっているため訊けないのが残念です。
帯揚げは、古布を帯揚げとして使っているもの。帯〆は、道明の笹浪組紫ぼかしです。
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↑この日は、金彩職人の伏見奈津子さんも来店。金粉と金泥の違いや、金彩をするための筒道具についての説明を伺いながら、実演も見せて頂きました。辻屋さんとのコラボ商品が下の写真。こんな風に、木目の上に家紋を描くことも出来るんです!新しい知識を得られ、大変勉強になりました。
…とこんな風に、とても楽しかった辻屋でのひと時。里枝さん、ありがとうございました!(里枝さんとの写真を撮り忘れましたが、近々またお会いする予定ですのでその時に…)
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