西端真矢

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お正月らしいにぎやかな染め帯で、「美展」へ 2016/01/24



先週金曜日、水天宮のロイヤルパークホテルで開かれた「美展」へ伺いました。
丸紅主催で、昭和二年から開催されているという「美展」。綺羅星のような染織作家・工房の新作と共に、丸紅所蔵の博物館級の染織コレクションが展示されるのが素晴らしいところ。
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今年は「大名家 衣装の共演」と題し、前田家、細川家、伊達家など、六家から出た姫様の振袖や打掛六枚が展示されるということで、この展示を第一のお目当てに出掛けました。(写真撮影は禁止だったので、パンフレットの写真でご容赦ください。こちらは加賀前田家所蔵の小袖です)
2013年に、私が「江戸着物ファッションショー」というイベントを主宰したことを覚えて下さっている方もいらっしゃるでしょうか。あの第2弾をやらないんですか?という声を良く頂いていて、自分でもやらなければなと思っているのですが、本の仕事が入ったりしてなかなか取り組めていません。が、やりたい気持ちはあり、この展示が大変参考になるため駆けつけた次第です。丸紅のご担当の方ともあれこれ細かいところまでお話し出来、充実の時間。
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さて、私のきものは、二代目金田昇さんの桜文様の江戸小紋に、祖母が染めた名古屋帯を締めて伺いました。(帯の右手側に下がっている布は、会場を歩くために付けるバッジから下がっているものです。帯揚げが下がっている訳ではありませんので(*^^*)
一緒に写っているのは、江戸時代から続く帯問屋「錦」の岡本富三さん。岡本さんにご招待を頂いたおかげで、今回の「美展」に伺うことが出来ました。ご幼少の頃から京都、東京できもの商業界、染色界、そして和文化の精髄を見て来られた岡本さんのお話をあれこれ伺うのもまたとても楽しく、勉強になるのです。岡本さん、本当にありがとうございました。
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↑帯周りと帯の文様の寄りはこんなかんじです。祖母が染めた、鶴亀、松竹梅に霞、源氏車?とにぎにぎしさいっぱいの名古屋帯。しかも赤が基調なのでお正月感があり、一月の定番帯にしています。
赤がこれだけ強くても下品にならないあたり、祖母のセンスが感じられ、とても気に入っている一本です。梅を絞り出した帯揚げに、生成り色の冠組を合わせて。
美展のお品物はどれも素晴らしく、ほしいものばかりでしたが、先立つものが‥(龍村美術織物から、おきものも登場!がニュースでした)、いつの日かの購入を目指して一生懸命働くとして、楽しく学びの多かった午後のひと時でした♪

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総絞りのきもので、「立合狂言会」へ 2016/01/20



 先週日曜日、目黒の喜多能楽堂へ「立合狂言会」を見に行きました。
 「立合狂言会」とは、流儀や家の垣根を越えて狂言師が一堂に会する公演のことです。
 一口に「狂言」と言っても、流儀や家によって同じ演目でも台詞や所作が違い、通常は(当然ですが)共演することもない。けれどこの公演では、その違いを実演付きで解説してくださったり、「佐渡狐」という同じ演目を実際に二家が同じ日に演じることで、細かな違いを非常に良く実感出来たり…と、本当に、他に類を見ない試みとなっているのでした。
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上の写真は、全演目終演後、出演された狂言師の全員での集合写真。狂言独特のはー、は、は、は、はの笑いを一同でされたところを撮影しました。いかにも新春らしい、楽しい雰囲気が伝わって来るかと思います。狂言は、今で言えばコントに当たるもの。有名な「棒縛り」など四つの演目を見ることが出来、楽しい初笑いとなりました。
この「立合狂言会」は、今年で二回目の開催だそうです。また来年も、再来年も開催する企画とのことなので、皆様、来年の新春まで、ぜひ覚えていてくださいね。

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 さて、その「立合狂言会」には、総絞りのきもので伺いました。祖母からの伝わり物なのですが、かなり明るいエメラルドグリーン色が珍しい一枚だと思います。絞りは、絞り目の形から三浦絞りだとこれまで思い込んで来ましたが、もしかしたら違うのか??機会があったら専門家に聞いてみたいと思います。
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 帯は、勝山織物の葵文様の名古屋帯。道明の笹浪組紫ぼかしの帯〆と、ベージュ色の縮緬地に源氏香文様の帯揚げを合わせてみました。
 これからしばらくは、本を書く仕事に集中するため、他のお仕事も断り、外出も控えめにする予定で、出掛けること自体が週一度あるかないかという毎日になりそうです。それ以外はずーっと家と家の近所への日々の食材の買い物だけで過ごす静かな生活ですが、出掛ける時はきものでぱっと楽しく気分を変えたいと思っていますので、皆様また時々覗きに来てくださいませ。


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なりきり「美しいキモノ」表紙パネル、やってみました♪ 2016/01/14



18日まで松屋銀座で開催中の「池田重子コレクション 日本のおしゃれ」展。首都圏のきもの好きが全員巡礼のように詣でているのではないかという盛況ぶりですが、私も昨日行ってまいりました。
いつか先生とお仕事をご一緒することが夢だったので、遺作となってしまったことが悲しくてなりませんが、先生のコーディネイトに何故これほどうっとりさせられるのか、その秘密を盗めないものかとじっくりと一点一点見て回りました。

ところで、その会場前に、「美しいキモノ」表紙なりきりパネルがあることに皆さんお気づきでしょうか?「美しいキモノ」loveな私としては、ここで写真を撮ることにも同じくらいの比重を置いて出掛けて行き、早速トライしてみたのが下の写真です。
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ちょうど昨日は初釜の帰りだったので、「初釜の訪問着&付けさげ」のタイトルともベストマッチ(≧▽≦)
帯〆が下がってしまったりおはしょりがちょっと乱れていますが、気にしません。(きものコーデの詳細は、一つ前の日記をご覧ください)
実はこの写真、全く知らない方に撮って頂きました。昨日は一人で会場に向かったため、お友だちに撮ってもらうということが出来なかったのです。快く何カットも撮ってくださった女性の方、ありがとうございました。

そしてその写真を調子に乗ってトリミングすると、こうなります。かなり完成度高いでしょうか??↓
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おきもの好きの皆様、ぜひトライなさってみてくださいね。


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祖母が染めた貝桶柄の訪問着で、お家元の初釜へ 2016/01/14



 昨日は弥生町の江戸千家のお初釜に伺いました。
 私がいつもお仕事をしている出版社が江戸千家の機関紙の編集を手がけており、今後、私も一部お伝いをするというお話があり、ご挨拶を兼ねての出席でした。
 お濃茶、点心、お薄というお席で、お濃茶はお家元のお点前、お薄はお家元奥様のお点前を拝見出来、しみじみと眼福。自分の点前も、あそこをもっとこういう風にしなければいけない、こここのところはもっとこういう風に‥と、脳内ビデオ撮影に忙しく、大変勉強になりました。
 
 さて、そんな初釜の席には、下の写真のようなきもので出掛けました。お薄席の広間の前にお茶杓や香合の箱書きが飾ってあり、初釜の全てのお席終了後、その前で撮らせて頂いた一枚です↓
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 美容師さん任せにして帯揚げを直したり仕事のメールなど打っていたら、髪がとてつもなく盛り盛りになっていましたが‥きものは、祖母が染めた、貝桶と貝合わせ文様の綸子地訪問着。写真では、照明の関係で藤色のように見えますが、本当は銀鼠色です。地紋は「菊紗綾形」。帰宅後に模様の寄りの写真を撮りましたのでご覧ください↓
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 今の私の年齢にはやや地味なきものであるかなと思い、1枚目の写真でお分かり頂ける通り、赤紫色の伊達衿を入れました。伊達衿は普通お茶の席では用いませんが、初釜のような晴れやかな席では許されるかと思います。きものの柄に紫が使われているので、顔周りということで、柄の色より少し華やかな赤紫を選びました。
 そして、もう一つ、帯をかなり華やかにして、きものがやや地味なこととのバランスを取りました。写真では帯の文様がよく分からないと思いますので、こちらも帰宅後、単体で写真を撮ってみました↓
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 私が持っている帯の中で、一番派手な一本です。全面桜に埋め尽くされた中に季節の花の丸、更にでかでかと蝶が飛んだり蝶の丸になっていたり。この帯を締められるのもあと数年かと思うので、どんどん締めて、心残りのないようにしようかと。
 今回、帯周りの寄りの写真を撮り忘れてしまったのですが、帯揚げは、むじな菊地紋の白綸子帯。帯〆は、銀一色の、組み方不明の礼装用の帯。この組み合わせはちょっと礼装的過ぎるかしら?でも家元に礼を尽くす意味でやはり白や金銀が良いのでは?‥とかなり迷った末に選びました。会場に着いて拝見したところ、お客様や、お運び・半東の皆様、白や銀の帯〆をしていらっしゃる方が多くおられ、帯揚げも白の方が多く、やっぱりこの組み合わせで良かったとほっとした次第です。
 ‥と、晴れの舞台に祖母作のきものを着て行くことが出来、きっと祖母も向こうの世界で喜んでくれているだろうと思います。それにしても、きものも帯も何もかも祖母から伝わって来たものでの取り合わせ。お正月らしく、草履だけは、年末に購入してこちらのブログでもご紹介した、神田胡蝶の草履をおろしました↓
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 ちなみに昨日の点心の仕出しは「吉兆」で、大変大変美味しく頂きました。連客の方とのお話も楽しく幸せな時間。
 若輩者の私はもちろん下の方のお席に座っていましたが、それでもじっくりと拝見出来た家元のお点前、少しでも自分に取り入れられるよう精進して行きたいと思います。

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扇文様の小紋で社中の初釜へ 2016/01/12



先週末は日本のあちこちで初釜が開かれていたことと思います。
我が社中も、初釜。今年は祖母が染めた扇文様の小紋を着て出席しました。
お墨、点心、濃茶、薄茶‥と、途中多少足をほぐす時間はあったとはいえ正座が続き、よれよれと立ち上がった後の写真のため、着付が乱れていて恐縮ですが‥↓
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私の社中の初釜はどこか会場を借りて行うものではなく、いつものお稽古場である、先生のご自宅で行っています。初釜に小紋はややくだけた取り合わせではありますが、上記のような理由と、文様が古典的なものであるため、この一枚を択びました。
帯は、「加納幸」の袋。帯〆は、道明。薄紫綸子地に梅の花模様の帯揚げを入れて↓
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帯は、近づいて見るとかすかに地紋が入っています↓
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洒落ていて大好きな帯なのですが、初釜というシチュエーションには、今日の取り合わせでは少し軽過ぎたかなと反省。もう少し重厚な帯を合わせるべきでした。着付けも乱れているし、新年早々反省点が多くお恥ずかしい限りです。

一転、お床は‥初釜らしい清々しいお床で心が洗われるようでした。振ゝ香合が‥かわいい!↓
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棚は及台子。飛び青磁の皆具の組み合わせ↓
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お茶碗は嶋台だったのですが、撮り忘れてしまいました‥
先生より、今年は様々な棚を特訓!とのお言葉を頂き、しっかりと励みたいと思います。


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新年のお出掛けきものを選んでいたら、緑系ばかりの巻 2016/01/05



皆様、新年、おきものを楽しんでいらっしゃることと思います。
私は今年は仕事優先で、まだきものを着ていないのですが(涙)、今週末には、社中の初釜。そして来週末17日には目黒の喜多能楽堂へ、狂言各流・各家が垣根を越えて共演する「立合狂言会」を観劇に伺うので、仕事の気分転換に、と、そのきもの選びをしました。すると‥
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候補にした二枚が、上の写真。祖母が染めた唐草に扇の小紋と、かなり緑がかったターコイズブルーの総三浦絞り。
どちらも緑系です!私の今年の色は緑なのでしょうか?

扇の小紋の方を、初釜に。格式としては小紋ではありますが、模様が古典系であることと、我が社中の初釜は、毎年、厳粛さもありながらワイワイととても楽しい雰囲気で進むので良いかな、と。
「扇に、松を連想させる緑地」ということで、狂言にこちらを着て行くのも良いかなとは思うのですが、でもまだこのきものを社中の皆様に披露したことがないので、やはりこちらで初釜に行きたい!
総絞りのきものには、クラッシックな帯を締めて、お正月らしい雰囲気を出せたらと思っています。
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‥とここまでぐるぐる考えていたら、何と、お世話になっている出版社様から、江戸千家お家元の初釜にご招待して頂きました!
これは大変です。急遽ミッションが増えてしまいました。

まだ悩んでいますが、一つ紋の立涌紋綸子ぼかし染めのこちらにしようかと。そしてこちらにも(写真ではピンクが目立ちますが)全体に青みがかったグリーンが使われていて…やはり今年の色は緑なのでしょうか。
緑と言えば芽吹きの色であり、常盤木の色でもあり。無意識にこの色を選んでいるということで、新年からおめでたいと悦に入るといたします!

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新年明けましておめでとうございます。 2016/01/03



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皆様、新年明けましておめでとうございます。
昨年はたくさんのやりがいあるお仕事をお任せ頂き、また、お友だちの皆さんには折々楽しいお喋りやお食事や茶の湯の時間をご一緒して頂き、本当にありがとうございました。
世の中朝活ブームですが、夜にならないと頭が働かない私は、新年も変わらず「夜活」で原稿を書いています。四十代も半ばを過ぎて、いよいよ生活の型が定まり、物事や人の好き嫌いもいっそうはっきりして来たように思います。もうこの先、根本のところでは、自分の型は変えられないのでしょう。今年も、人に何を言われようとも、我が道を突き進むのみと決意しております。
こんな不束者の私ではございますが、おつき合い頂ける皆様にはどうぞ本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

(写真は、冬の寒さの中にもしっかりと蕾をつけている庭の梅の木。昨年も同じ木を撮りましたが、今年は暖冬のせいか、蕾も少し柔らかなようです)


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