西端真矢

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祖母が染めた貝桶柄の訪問着で、お家元の初釜へ 2016/01/14



 昨日は弥生町の江戸千家のお初釜に伺いました。
 私がいつもお仕事をしている出版社が江戸千家の機関紙の編集を手がけており、今後、私も一部お伝いをするというお話があり、ご挨拶を兼ねての出席でした。
 お濃茶、点心、お薄というお席で、お濃茶はお家元のお点前、お薄はお家元奥様のお点前を拝見出来、しみじみと眼福。自分の点前も、あそこをもっとこういう風にしなければいけない、こここのところはもっとこういう風に‥と、脳内ビデオ撮影に忙しく、大変勉強になりました。
 
 さて、そんな初釜の席には、下の写真のようなきもので出掛けました。お薄席の広間の前にお茶杓や香合の箱書きが飾ってあり、初釜の全てのお席終了後、その前で撮らせて頂いた一枚です↓
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 美容師さん任せにして帯揚げを直したり仕事のメールなど打っていたら、髪がとてつもなく盛り盛りになっていましたが‥きものは、祖母が染めた、貝桶と貝合わせ文様の綸子地訪問着。写真では、照明の関係で藤色のように見えますが、本当は銀鼠色です。地紋は「菊紗綾形」。帰宅後に模様の寄りの写真を撮りましたのでご覧ください↓
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 今の私の年齢にはやや地味なきものであるかなと思い、1枚目の写真でお分かり頂ける通り、赤紫色の伊達衿を入れました。伊達衿は普通お茶の席では用いませんが、初釜のような晴れやかな席では許されるかと思います。きものの柄に紫が使われているので、顔周りということで、柄の色より少し華やかな赤紫を選びました。
 そして、もう一つ、帯をかなり華やかにして、きものがやや地味なこととのバランスを取りました。写真では帯の文様がよく分からないと思いますので、こちらも帰宅後、単体で写真を撮ってみました↓
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 私が持っている帯の中で、一番派手な一本です。全面桜に埋め尽くされた中に季節の花の丸、更にでかでかと蝶が飛んだり蝶の丸になっていたり。この帯を締められるのもあと数年かと思うので、どんどん締めて、心残りのないようにしようかと。
 今回、帯周りの寄りの写真を撮り忘れてしまったのですが、帯揚げは、むじな菊地紋の白綸子帯。帯〆は、銀一色の、組み方不明の礼装用の帯。この組み合わせはちょっと礼装的過ぎるかしら?でも家元に礼を尽くす意味でやはり白や金銀が良いのでは?‥とかなり迷った末に選びました。会場に着いて拝見したところ、お客様や、お運び・半東の皆様、白や銀の帯〆をしていらっしゃる方が多くおられ、帯揚げも白の方が多く、やっぱりこの組み合わせで良かったとほっとした次第です。
 ‥と、晴れの舞台に祖母作のきものを着て行くことが出来、きっと祖母も向こうの世界で喜んでくれているだろうと思います。それにしても、きものも帯も何もかも祖母から伝わって来たものでの取り合わせ。お正月らしく、草履だけは、年末に購入してこちらのブログでもご紹介した、神田胡蝶の草履をおろしました↓
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 ちなみに昨日の点心の仕出しは「吉兆」で、大変大変美味しく頂きました。連客の方とのお話も楽しく幸せな時間。
 若輩者の私はもちろん下の方のお席に座っていましたが、それでもじっくりと拝見出来た家元のお点前、少しでも自分に取り入れられるよう精進して行きたいと思います。

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