西端真矢

ARCHIVE:

仕事を断る冬 2015/12/24



%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E9%A1%9E%E5%86%99%E7%9C%9F.jpg

私の辞書に、一つ、ない言葉がありました。そこだけぽっかりと空白の行になっていた言葉、それは、「仕事を断る」。
今の仕事が大好きなことと、また、かなりかなりの義理人情浪花節的な性格から、断ったことなどこれまでにはないのです。
‥でも、今、きっぱりとお断りしています。一週間に一つほどは断っています。断ったことがないので大変胸が苦しく、もう、肺がでんぐりかえってねじれてぎゅぎゅぎゅぎゅっと雑巾絞りをされているような気持ちですが、仕方がありません。本を書かなければならないのですから。
原稿料を前金で頂いています。出版記念トークショーの会場も、日程も、もうばっちりと押さえられています(良かったらおいで下さい♪)。これで印刷のタイミングまでに書き上げられなかったら、人間失格というものでしょう。二度と顔を上げて表通りを歩くことは出来ません。
だから、三月までは、新しい仕事は受けられません。お断りした皆様、すみません。晴れて脱稿したら、またよろしくお願い致します。
(写真は、取材ノートや資料‥の一部です)


にほんブログ村

にほんブログ村

新しい草履(「神田胡蝶」製)と、新しいバッグ 2015/12/10



最近は家にこもって、来年5月に発売予定のノンフィクション小説の原稿に専念する日々を送っています。そんな中、時々の買い物やお茶のお稽古、そして親しい友人との食事が大きな息抜きになっているのですが、今日の日記では、その「時々の買い物♪」で我が家にお迎えしたお気に入り二つのお品をご紹介したいと思います。
まず一つ目がこちらです↓
%E8%83%A1%E8%9D%B6.jpg
じゃーん、「神田胡蝶」の、お草履**☆*:.。. :*・**
‥と、こう、きらきら絵文字をつけたいかんじの輝き感、美しさ。
写真では完全に色を伝え切れていないのですが、真っ白ホワイトな正統派草履です。
「神田胡蝶」の草履は他にも持っていて、台の形が私の足に合うのか、本当に疲れにくく気に入っています。今回の一足も履いた瞬間に、「あ、疲れないな」と分かって。そのくらい、足に合っている上に、何と言っても「胡蝶」はデザインがほっそりしていてと女らしいのが良いのですよね。まだ卸していないので仕事の合間に箱の蓋を開けて、うっとりと眺めるのがまた神経の張る仕事の息抜きに。
「白の草履を新調したいんです」とリクエストしていくつか候補を見せて頂き、試し履きにおつき合い頂いた「神田胡蝶」の松崎さん、ありがとうございました。大切に履いて行きます♡
  
 *
%E6%96%89%E8%97%A4%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%B0.jpg
そしてもう一つ、最近の新しいお気に入りが、上の写真のトートバッグです。
こちらは、非売品。実は、私がまだうら若き二十代の頃に働いていた「斉藤オフィス」の30周年を記念したプレミアムバッグなのです。
齋藤薫さんの名前は、多くの女性の皆さんがご存知だと思います。「25ns」の編集を経て、独立。美容ライターの草分けとして数々の名エッセイ、名レビューを書かれ、今では美容だけではなく、女性の美しくも凛々しい生き方を指南するエッセイストとしても活動されています。

私は、まだ社会に本当に出たての二十代前半の頃、この齋藤さんのオフィスでアシスタントをしていました。当時は本当にダメ人間で、今の自分から見ると「ちょっとあなたこっちに来なさい」と呼び出して説教したくなるほど、仕事に対する考え方がなっていませんでした。実際、或るカメラマンの方に「今日の仕事、全くダメだったよ」と、はっきりと叱られたこともありました。そんな私にマスコミ業界の仕事の回り方を教えて下さった齋藤さんと斉藤オフィスに、今でもとても感謝しています。

その斉藤オフィスも、今年で設立30年。これまでに十七人の女子が斉藤オフィスで働き、そして巣立ち、美容ライターやライターとして活動しています。これって結構すごいことですよね。
30年を祝う同窓会には、どうしても家族行事で来られなかった一名の卒業生を除いて、全員集合!の出席率の良さ。しかも、イラストレーターとして活躍されている方が素敵なイラストを描いたトートバッグを、記念品として頂いたのでした。ああ、嬉しい‥
このイラストの中で、齋藤さんは、左から二番目の女性でしょうか?
今、私は四十代半ば。ひよっこ時代から色々色々本当に色々なことがあったけれど、今は毎日とても幸せです。このバッグも大切に使って行きたい。資料をどっさり持ち歩いて出向く打ち合わせに重宝しそうなのが嬉しいのです♪

にほんブログ村

にほんブログ村

山口組司忍組長、久々にカメラの前に登場‥の日のきものを分析 2015/12/08



9月8日に掲載しましたところ大変好評を頂きました、西端の「極道きものウォッチング」ブログ。
「山口組分裂!‥きもの好きと噂の司忍組長をきものファッションチェック!」
http://www.maya-fwe.com/4/000379_J.html

きものを愛し、きものに携わる者として、客観的な視点=学問的に言えば民俗学的な視点で、極道という社会グループに属する人々のきものとしきたりとの関係を、興味深くウォッチしています。
その後めぼしい動きもなかったのですが、つい先日、分裂騒動以来初めて司忍山口組六代目がカメラの前に姿を現しました。下記のURLの映像でご覧ください。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2648430.html

向かったのは、歴代山口組組長が眠る墓地。先代の命日のお墓参りです。
この日、きもので現れるかと注目していたのですが‥何と驚いたことに、司六代目は作務衣を着用しています。
作務衣とは、つまり作業着。作業着で先代の墓参りとは、あまりにも無礼過ぎ、これまで場の格に合わせて敏感にきもの選びをして来た司組長らしからぬ装いです。
これは一体、分裂騒動で心の余裕をなくしているためなのか?
はたまた、先代は現在の騒動で対立する山健組の出身だったことを踏まえ、先代として礼を尽くすために墓参りはするが、その一方で、「わしは山健組を軽く見ておる」というメッセージを伝える、深謀遠慮の選択なのか?謎が深まる司六代目の装いでした。

「極道のきもの研究」は、今後も細々と続行したいと思います。次に注目しているのは、今月13日に行われるという、新年事始め。何でも極道の世界では、11月が年の終わりで、翌月の13日に新年会をするのが通例なのだそうです。この日には一転、司組長は黒紋付き袴で現れるのか、どうなのか?‥と、だんだんと極道の習慣にも詳しくなってまいりました‥


にほんブログ村

にほんブログ村

「いろはにキモノ」誌にて、3企画16ページ担当しました♪ 2015/12/02



%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%AF%E7%B4%B9%E4%BB%8B.jpg
発売中の「いろはにキモノ」誌にて、3企画16ページを担当致しました。
ご報告とご紹介の日記です。
表紙には、新婚間もない堀北真希さん登場!
%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%AF2015%E8%A1%A8%E7%B4%99.jpg

その一、「村山大島紬 たった一人の挑戦」

%E6%9D%91%E5%B1%B1%E5%A4%A7%E5%B3%B6%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B81.jpg
若き実力派染織作家を訪ねるルポ「村山大島紬 たった一人の挑戦」では、東京武蔵村山市で、全国でも2カ所にしか残っていない「板締め絣」の技術を守り続ける田代剛章さんを取材しています。
「板締め」と略して言われることの多いこの技法は、工程が40ほどある上に、その内容を理解するのが非常に難しい技法です。なかなかきちんと取材をした媒体はこれまでないと思われ、とても貴重なページとなっています。ゼヒご覧頂ければ幸いです。
この「板締め」の技術を使って作られる、村山大島紬。昭和の半ばまでは町中で蚕を育て、道を歩けば機織りの音が聞こえたそうです。けれど、今、その村山地域で、正統の板締め村山大島紬を作るのは、田代さんの家だけになってしまいました。
%E6%9D%91%E5%B1%B1%E5%A4%A7%E5%B3%B6%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B82.jpg
きものに詳しい方は、村山大島と言うと、みっちりと柄を織り込んだ反物を想像されるかと思います。しかし田代さんはこれまでの伝統を引き継ぎながらも、現代のライフスタイルにふさわしいモダンな村山大島を次々と発表しています。誌面ではその最新作もご紹介していますので、ゼヒお楽しみにご覧頂ければと思います。

下の二枚の写真は、取材中のオフショット↓
%E7%94%B0%E4%BB%A3%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E5%A5%A5%E3%81%95%E3%82%93.jpg
%E6%9D%BC%E7%B5%A3%E8%BF%94%E3%81%972.jpg
上は、田代さんを撮影中のカメラの奥陽子さんです。真剣に被写体に向かう姿、かっこいいですね♪
そして下の写真は、誌面でも詳しくご紹介している「杼絣返し」という工程を、取材中に少し体験させてもらった私のオフショットです。ただ糸巻きを回すだけの簡単そうな工程に見えて、きれいに巻き取るのがとてもとても難しかった‥
と撮影・取材は和気藹々と進みました。貴重な制作の時間を取材にさいてくださった田代さん。本当にありがとうございました!

その二 「プロに教わる 自分できものお手入れ」

%E3%81%8A%E6%89%8B%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8.jpg
担当した企画の第二は、自宅でのきものお手入れの悩みに応える、問題解決!企画です。
きものを頻繁に着るようになると、袖口や衿元が汚れたり、時には食べ物をこぼしてしまったり‥そんなお手入れ問題の数々、もちろん悉皆屋さんに出せば良い訳ですが、何から何まで悉皆屋さんだよりではお金がかかり過ぎてしまいますよね。
そこで、ベンジンなどを使って自宅で出来るお手入れ方法や、正しいきもののしまい方、洗い方、干し方などを、プロの悉皆屋さんにアドバイス頂きながら写真図解付きでまとめた企画です。
アドバイスを下さったのは、きもの生産のメッカ新潟県十日町市の「日紋」さん。首都圏から東北まで、広範囲の呉服屋さんを顧客に持つ、東日本最大の悉皆屋さんです。何と五十人もの職人さんを抱えていらっしゃいます!他の悉皆屋さんで手に負えなかった頑固な汚れが回って来ることも多々あるという、プロの中のプロ、悉皆屋の中の悉皆屋、という存在です。
そんな日紋さんには、「自分で出来ることと、プロに任せた方が良いこと」の見きわめポイントも、しっかり教えて頂きました。これ、意外に大事なことですよね。
その上で、ふだんは非公開のプロのすごい技術の現場も、写真付きでご紹介しています。「きもの業界」と言うと染めや織りの職人さんだけを考えがちですが、出来上がったきものを長く・美しい状態で着るためには、悉皆屋さんの存在が不可欠ですよね。きものの世界の奥深さを改めて感じる取材となりました。ゼヒご覧頂けたら幸いです!

そしてこちらもオフショット‥
実は今回のこの企画のところどころに、かわいらしい白猫ちゃんが写っているんです↓
%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%9F%E5%87%BA%E6%BC%941.jpg
%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%9F%E5%87%BA%E6%BC%942.jpg
…と書くのは実はおこがましく…そう、私のブログを読みに来て下さっている方なら覚えて頂けているでしょうか。私が目に入れても入れても入れても入れても痛くないほど溺愛している我が家の白猫チャミが登場しているんです!!!
実は、この企画の扉ページの写真など、何カットかを我が家で撮影したのですが、その時にチャミがうろうろしていたのを、カメラマンの升谷玲子さんが撮影してくださっていました。たまたまその写真がエディトリアルデザイナーの小倉万喜子さんの目に留まり…ページのにぎやかさ、フレンドリー感演出のために入れよう。実際、猫は家の中でうろうろしている動物だし、ということに…!決して私が「出せ~」とごり押ししたわけではありません。
親バカな我が家はもう、舞い上がりに舞い上がっています。この写真を見て、CMプランナーさんからソフトバンクCMへの出演依頼が来たらどうしよう、はたまた、モンプチのCMに起用されたらどうしよう‥と心配していましたが‥発売から五日ほど経つ今、まだのようです‥というのはくだらな過ぎる冗談ですが、猫バカとしてもニャンとも嬉しい思い出のお仕事となりました♡親バカすみません。

その三 中島京子先生の巻頭エッセイ

%E5%B7%BB%E9%A0%AD%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%BB%E3%82%A4.jpg
こちらは、私が取材をしたり原稿を書いたりしたのではなく、「編集」という立場で担当したページです。「いろはにキモノ」では、毎号、きものに関するエッセイを小説家や随筆家の先生に書いて頂いています。今号では、「小さいおうち」や「かたづの!」などきものにまつわる作品も多い直木賞作家の中島京子先生にご登場頂くことに。雑誌のコンセプトをご説明して執筆依頼を行い、きもの初心者の方が多い「いろは」読者に向けて、背中を押して頂くようなエッセイを書いて頂きました。
イラストは、小春あやさんに依頼をしました。ご自身もよくきものを着ていらっしゃる、三十代の若きイラストレーターさんです。淡い水彩のタッチで、右ページに「きものへの好奇心」を表現した世界、左ページに中島先生の「小さいおうち」をモチーフにした世界とが広がる、どこかちょっと不思議なテイストのあるとても素敵なイラストです。エッセイとイラスト、併せて世界観を楽しんで頂けたらと思います。

          *

私が担当したページ以外にも、染めのきものvs織りのきものの着回し特集、自分で出来る簡単ヘアスタイル特集、ネットきものショップを利用しての5万円前後のコーディネイト特集、動画付き着付け講座など、読みごたえ・見ごたがたっぷり。2015 年版「いろはにキモノ」を、ゼヒよろしくお願い致します!

にほんブログ村

にほんブログ村