西端真矢

ARCHIVE:

「クロワッサン 着物の時間」にて、グルテンフリーダイエットの第一人者、管理栄養士の伊達友美先生の着物物語を取材しました 2017/02/27



%E4%BC%8A%E9%81%94%E5%85%88%E7%94%9F%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8.jpg
雑誌「クロワッサン」の人気連載「着物の時間」、今月は、セレブ管理栄養士の伊達友美先生の着物物語を取材しました。
伊達先生は、今、大注目のグルテンフリー(小麦粉抜き)ダイエットの第一人者。やみくもにただ痩せれば良しとするのではなく、体の中を整えて、その結果として痩せて行きましょう、という考え方をされています。
実は私もちょうどこの取材の頃からグルテンフリー生活を始めていまして、取材時にはあれこれ教えて頂きつつ、もちろん先生の着物ライフヒストリーをしっかりとお聞きしました。
先生のご出身は、浜松。和裁士だったおばあさまが地域の着物好きのまとめ役となり、着物が女性たちの間に生き生きと根付いていた様子をお聞き出来、「日本の着物着装史の中に、こういうあり方があったんだな」と、歴史学の一分野「生活史」の一面も持つインタビューになったと思います。
ぜひご高覧ください。


にほんブログ村

にほんブログ村

「美しいキモノ」&「いろはにキモノ」にて5企画18ページ担当しました! 2017/02/23



%E3%82%AD%E3%82%AD%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%81%A8%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%AF.jpg
発売中の「美しいキモノ」春号にて、5企画、18ページを担当しました。
今号の「美しいキモノ」は、妹誌「いろはにキモノ」が豪華特別付録に!私は両方の雑誌で取材執筆を担当しています。
本誌の「美しいキモノ」では‥

%E5%B1%B1%E5%B2%B8%E3%81%95%E3%82%93%E3%82%82%E3%81%A8%E3%81%98%E3%81%95%E3%82%93.jpg
山形県米沢市の山奥で紅花染をはじめ草木染・手織りの織物を追究する山岸幸一さんと、その山岸さんの仕事に惚れ込んで毎年米沢に通い詰め(年に数回訪れることも!)、ご自分のお店「銀座 もとじ」で販売する泉二弘明さん。二人の出逢いからこれまでの十八年間の歩みを語り合う対談を私がまとめています。

山岸さんの何がすごいと言って、何から何まで自分の手で行っていること。染めの原料となる紅花や藍などの植物を自ら育て、それどころか蚕まで自分で育てていらっしゃるのです!自分の納得出来る色、納得出来る糸がなければ自分で作り出す、という探究の精神。蚕から糸を取るのも自分。その染め、織り上げるのも自分。古代から近世までの人々と全く同じようにして織物を作っている、こんな人はもう世界にもほとんど存在していないのではないでしょうか。
私と編集者さんとで、冬の或る日、泉二さんにくっついて山の中腹にある山岸さんの工房兼畑「赤崩草木研究所」を訪ね、作業の現場を見せて頂いた後、対談をして頂き原稿にまとめています。
こういった対談ものは、純粋な取材記事より簡単なのでは、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際の対談では記事でまとめたような順で話されている訳ではなく、話はあちらへこちらへ飛び、時には脱線し‥それを上手くまとめるのって非常に構成力や文章力のいる難しい仕事なのです。そんなところも思いを巡らして頂きながら、ぜひご一読いただけたら幸いです。
16865198_10155740141774989_2121418067699686436_n.jpg
↑上の写真はおまけです。工房横を流れる最上川源流で、早朝、染め終えたばかりの糸をすすぐ、その作業を少しだけ体験させてもらいました。とてつもなく冷たく澄んだ水、その水に鍛えられて山岸さんの美しい糸は生まれるのです。
      *
本誌では、もう一企画「晴の日のパワーきもの」で2ページを担当しました。
受賞式や新作発表会、就任式など、人生の節目となる機会にきものを選ぶ女性が増えている、その動向を追った企画です。何と‥漫画家の萩尾望都先生を取材しました‥!
%E8%90%A9%E5%B0%BE%E5%85%88%E7%94%9F.jpg
上の写真がそのページ。先日先生が朝日賞を受賞されたその会場に伺い、晴れの場に正に望まれようとする着姿を取材・撮影しています。とてもホットなページです。先生が選ばれたのはどんなおきものであり、帯なのか、ぜひ本文を熟読ください!
       *
そして、「いろはにキモノ」では、三つの企画を担当しました。
一つ目は、「kawaiiバッグ&小物」9ページ。バッグから草履、帯揚げ&帯〆、そして和装下着や着付け小物まで。きもの周りのかわいい、しかも機能性を併せ持つ小物の大特集です。
%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%81%B9%E3%81%95%E3%82%93%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8.jpg
↑続くページでは、二つ目の参加企画として、表参道の上質なリサイクルきものショップ「着物 おりべ」の訪問記事を担当しました。(上の写真中の、左のページです)
表参道を原宿からすぐ一本左に入り、太田美術館の並びにあるお店で、コンディションが良く、しかも洗練されたきものが揃う素晴らしいお店です。価格も他のリサイクルショップに比べてかなり安く値付けられていて、知る人ぞ知る存在。ぜひ足を運んでみてください。また、店長の杉山さんは人形作家、スタッフの冨田さんはギフトコーディネイターでありライターであり、含蓄が深くお話ししていてとても楽しいのです。実を言うと私も取材の日に一本帯を買ってしまいました。だってお安いのですもの。ぜひ記事をご参考にお店を実際に訪問なさってくださいませー!
%E6%98%A5%E5%9D%82%E5%85%88%E7%94%9F%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%BB%E3%82%A4.jpg
↑また、恒例の巻頭エッセイのコーディネイトも担当しました。
「いろは」の巻頭エッセイでは、毎年、作家の方にきものにまつわるエッセイを書いて頂いていますが、今年は、きものをモチーフに据えたラブロマンスミステリ小説「花を追え 仕立て屋・琥珀と着物の迷宮」で昨年度のアガサ・クリスティー賞優秀賞を受賞された春坂咲月先生にご登場を頂きました。この「花を追え」を私も読みましたが、辻が花の古裂を中心に、全篇にきものに関する蘊蓄が散りばめられている‥その作品を生み出した先生の舞台裏の想いがうかがえるエッセイになっています。水上多摩江さんのイラストも素敵なこちらのページも、ぜひこちらもご高覧ください。

…と、かなりかなりの量を頑張りまして執筆入稿致しました。
もちろん、私の担当ページ以外にも、名物裂特集(本誌)、古典模様のきものの着こなし術(本誌)、5万円コーディネイト術(いろは)と見どころいっぱいです。
ぜひ書店で、電子書籍でお買い求めいただけたら幸いです!

にほんブログ村

にほんブログ村

猫の日に他の猫にやきもちをやく我が家のチャミ♪の猫バカ日記 2017/02/22



%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%9F%E3%81%A8%E6%96%B0%E8%81%9Esfws.jpg
222で猫の日の今日、新聞に、ちゅーる(猫の餌)を食べる猫ちゃんの写真がいっぱい。
母と、「この子かわいい!」「見て、この子、両手でしっかり押さえながら食べてる!」などときゃーきゃー言いながら見ていたら、我が家の白猫チャミがどうにも気になるらしく、お気に入りの椅子で寝ていたはずなのにわざわざ降りて見に来ました。
「かわいい」という言葉を完全に知っていて、自分ではない誰かに投げかけられているのが不愉快のようです。やきもち焼きでかわいいなー、と猫の日も猫の日ではなくてもまたぎゅーっをしてあげるのでした。今日、煮干し買って来るの忘れてごめんね。

にほんブログ村

にほんブログ村

熱海MOA美術館へ、きものでお能を観劇に 2017/02/16



この間の日曜日、熱海のMOA美術館へ出かけた日のきもの日記です。
MOAと言えば尾形光琳の「紅白梅図屏風」の所蔵で有名で、毎年梅の咲くこの時期に展覧されます。もちろん「紅白梅図」もお目当てだったのですが、この日は、もう一つ、美術館3階にある能楽堂で上演される新作能「利休――江之浦」の観劇にうかがいました。
%E8%83%BD%E5%88%A9%E4%BC%91%E7%9C%8B%E6%9D%BF.jpg
このお能は、美術家の杉本博司作、馬場あき子先生の脚本。シテが千利休、ワキが利休の弟子で戦国大名の細川三斎で、MOAにほど近い小田原を訪れた老年の三斎が、かつて北条征伐でこの地に逗留した日々を回顧。やがてその回顧は小田原征伐からそう時を経ずして秀吉から切腹をたまわった師・利休へ及び、するとそこに土地の老人が‥といった内容です。
大まかな内容は聞いていたのですが、杉本博司の作ということで、何か美術に仕掛けがあるのか、或いは衣装が現代的だったりするのか、など全容がつかめず、きものに大変迷いました。結局着て行ったのがこちらです↓
%E6%9F%B3%E7%B8%9E%E6%B1%9F%E6%88%B8%E5%B0%8F%E7%B4%8B%EF%BC%8B%E7%B5%9E%E3%82%8A%E5%B8%AF.jpg
%E6%9F%B3%E7%B8%9E%E6%B1%9F%E6%88%B8%E5%B0%8F%E7%B4%8B%EF%BC%8B%E7%B5%9E%E3%82%8A%E5%B8%AF%E5%AF%84%E3%82%8A.jpg
きものは、廣瀬雄一さんの江戸小紋。一見普通の縞に見えて、柳の葉の意匠になっているというもの。帯は、祖母から伝わった総絞りの羽織を、名古屋帯に作り替えたものです。渋めのきものに帯のピンクで女らしさを。でも、甘くなり過ぎぬよう、紺の無地帯〆で締めて‥といった布陣です。帯〆は、最近買った道明の冠組を下ろしました。帯揚げには、写真ではあまり良く見えていないのですが、ぽつぽつと七色の絞りが散っています。ゑり正製。

杮落しなど特別な機会ではない場合、お能の鑑賞には、上品な小紋か付下げに格の高い模様の名古屋帯、或いは洒落袋帯という組み合わせが一般的でしょうか。訪問着+袋帯、だとちょっと重過ぎるような気が、私は致します。
そんな訳で、この日も、帯に有職文の織りの名古屋を‥とも思ったのですが、ひょっとして現代劇のような斬新なお能なのかも??だとすると有職文の名古屋でも生真面目過ぎ??などと様子が分からず、また、何だかピンクを締めたい気分でもあったため、こちらの帯にしました。
実際に鑑賞してみると、演出はオーソドックスで、織り名古屋の方がベストだったかなとは思いましたが、会場を見渡せば、洋服の方は相当カジュアルな方も多く、いやはやシチュエーションに合ったきものを選ぶことの何と難しいこと。自分ではこのコーディネイト自体は気に入っていて着ていて楽しいので、まあ良しとします。

          *

利休をシテとする新作能「利休――江之浦」では、その利休の子孫である武者小路千家若宗匠が土地の茶人として間狂言に登場し、お茶を点てる‥そのことによって利休の霊が現れる、という何とも巧みな趣向が埋め込まれていました。そしてそのお点前が非常に美しいのです。
若宗匠は美術史の修士をお持ちで、美術史家としても活動され、茶の湯に関するご発言も多く、著書も拝読していましたが、きっとそんな方だから、茶の哲学やお道具を重視され、お点前はすーっと無難に、というところかしら、と勝手に想像していたのですが、いやいや点前自体が、きっと若宗匠のお席に登場するだろう名物に拮抗する美を備えていらっしゃる。もちろん私など遠く及ばないのですが、なるほど、柄杓はああ扱えば美しいのか、全体を通してこういうリズムがあるのだな、など非常に勉強になりました。真面目人間のため、早速家で真似をしながら稽古しています!
そしてこの舞台のもう一つの趣向は、本物の利休作の花入が登場すること。パンフレットによると、杉本氏の念が引きよせたのでしょう、この舞台の案を練っているさなかに、或るところから花入が売りに出たのだということです。
%E5%88%A9%E4%BC%91%E7%AB%B9%E8%8A%B1%E5%85%A5.jpg
↑上の写真がその花入。上演前からこのように、舞台やや上手に設えられています。写真では小さくしか見えず申し訳ないのですが、当日、NHKが撮影に来ていたので、いつかこの日の舞台の放送があるのではないかと思います。花入、若宗匠のお点前、そして「利休の切腹」という大きな問題をテーマにしたこのお能を、ぜひ皆様もご覧になると良いと思います。

          *

%E5%85%89%E7%90%B3%E5%B1%8B%E6%95%B7%E5%BA%AD.jpg
観劇の前にはMOAを回りました。
上の写真は、敷地内にある尾形光琳邸の復元屋敷の庭を撮ったもの(紅白の梅も咲いています)。写真では素晴らしさを伝えきれていないのですが、端正な非常に良いお庭で、一日ここにいたい!と思ったほど。この庭を愛でるためだけにもまた遊びに行きたい気持ちです。(今日の日記の一枚目の写真も、光琳邸の中で撮っています)

下は、ピンボケが申し訳ないのですが、秀吉の金の茶室の再現展示↓
%E9%87%91%E3%81%AE%E8%8C%B6%E5%AE%A4.jpg
秀吉の茶、利休の茶…金と赤の色の洪水の前で、深く考えさせられます。少なくとも私は、こんな茶室で茶を飲みたくはありませんが‥
また、今回、発見だったのは、『湯女図』のこの表装↓
%E6%B9%AF%E5%A5%B3%E5%9B%B3.jpg
服飾史の勉強をする中で何回となくこの絵を書籍の上で見て来ましたが、実物を見たのは初めて。こんな美しく洒落た表装がされていたのか‥!とうっとりしました。刺繍の具合から見て、この絵の描かれた時代よりもう少し後の時代の打掛or小袖の裂を着せています。お洒落が大好きだった湯女たちも高級な布にくるまれ、この趣向を喜んでいるでしょう。
そしてMOAの2階からはこんな熱海の海の風景が‥↓
MOA%E7%AA%93%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E9%A2%A8%E6%99%AF.jpg
この日は仕事の〆切があり真っすぐに東京へ帰宅しましたが、またゆっくり温泉につかりに来たいものです。

にほんブログ村

にほんブログ村

クロワッサン「着物の時間」にて、漫画家の桜沢エリカさんの着物ライフヒストリーを取材しました。 2017/02/08



%E6%A1%9C%E6%B2%A2%E3%81%95%E3%82%93%E8%A8%98%E4%BA%8B.jpg
バタバタしていてご報告が遅れてしまったのですが、発売中の「クロワッサン」2/10号「着物の時間」にて、漫画家の桜沢エリカさんを取材しました。
桜沢さんと言えば、時代の気分を鋭く拾い上げて漫画作品にされる方。フアッショニスタとしてもよく知られていますが、一方、着物も大好きで、二十代から繰り返しきもの熱が訪れ、今、「第4次着物ブーム中」…といった「女の着物人生」をとても楽しく語って頂きました。着物好きの方には、きっと「分かる!」と思って頂けるエピソード満載です。ぜひご高覧ください。
あ、お着物は、米沢「新田」の素敵な紬に、浦野理一の帯をお締めでした!

    *

今号の「クロワッサン」は、「上手に節約して、年100万円貯める!」という節約の知恵特集。私もこれから熟読して勉強致します‥


にほんブログ村

にほんブログ村

深夜の偶然、或いは必然 2017/02/05



%E3%81%8A%E8%8C%B6%E3%82%92%E4%B8%80%E6%9C%8D.jpg
本日、深夜、本の後書きを書いている。
2014年12月から取材調査を始め、執筆開始が2015年12月。2017年2月の今、やっとここまでたどり着いた。
時々頭を休めるため、お茶を点てる。
お茶碗は、山梨県の土地の焼き物、能穴焼き。
山梨にお住いだったという友人のおばあ様の形見を頂いたもので、今晩、何となくこの茶碗を択んでいたのだが、途中ではっと手が止まる。考えてみれば今書いている本の最初の三章は、この窯にごく近い、武川牧原という村が舞台なのだ。もしかすると本の登場人物が今夜、小さな茶目っ気をはたらかせたのかも知れない。
とにもかくにもあと一息である。本文の執筆にくらべ後書きに向かうことの、何とせいせいと気の楽なことか‥

にほんブログ村

にほんブログ村