西端真矢

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三重県「椿大神社」へ、奉納舞いを拝見に(きものコーデ付き) 2018/09/30



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雨降りばかりで何だか気の滅入る毎日の中、奇跡のように一日だけ晴れていた一昨日28日、日帰りで三重県へ。鈴鹿市にある椿大神社へ奉納舞いを拝見に伺った。
伊勢国一宮である椿大神社は、紀元前3年創建つまりは記紀の時代に由来を持つ古いお社で、猿田彦神、そして芸能の神様である天鈿女をお祀りしている。その本殿で、この日、日本舞踊「吾妻流」宗家、二代目吾妻徳穂先生が奉納舞いをされることとなり、東京や大阪からのお客様とともにうかがった。
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この奉納舞いは、一般社団法人「緑麗学舎(りょくれいがくしゃ)」が企画したもの。実は、今年の春に創立されたばかりのこの真新しい法人に、文章執筆やコンテンツ企画の分野で参加している(常勤ではなく、外部スタッフとして参加)。
国に提出した設立目的に、日本伝統文化の推進を掲げる緑麗学舎。今回の奉納舞いを第一回目のプロジェクトとして動き出した。今後、染織(きもの)、日本舞踊、茶の湯を中心として、様々な企画を運営・実行していく予定なので、ぜひお心に留めて頂きたいと思う。
大きな企画として、4年後、2022年の実施予定で、出版と展覧会が連動したプロジェクトがもう動き出している。もちろんその他にも、舞踊公演や文化講座など、中規模、小規模のプロジェクトを行っていく予定なので、いつもブログを読みに来て下さっている皆様には、ご興味を持って頂けた企画にはぜひご参加頂けたらと思う。大いにご期待ください!
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それにしても椿大神社は大らかな素晴らしい場所だった。山一つを大きな大きなお社として、樹齢4百年、5百年の木々が参道の両側に鬱蒼とそびえている。中には1200年の命を保つ木もあるというのだから、平安時代から、一体どれだけの人の世の変遷を見て来たのだろう!
不思議なことに、今日のブログでトップに置いた参道の写真が、縦長モードで撮ろうとしていなかったのに、何故か超縦長で写っている。これも由緒ある神社の神意というものだろうか?
その本堂で、吾妻先生は、『五障――女人の情念を舞いに託して』と題し、女性の情念と執着の苦しみ、そこからの浄化を主題とした新作を踊られた。笛と箏の音の合間には風の音や滝の音が聞こえ、先生の舞いは狂おしく、やがて清々しく、自然に抱かれた中で舞踊を拝見するのも実に良いものだなと感じた。
今回のプロジェクトでは、私は、本堂いっぱいにお越しくださったお客様にお配りした演目解説のパンフレット文を制作し、中には大変熱心にお読みくださっているお客様もいらして、その姿をこっそり拝見出来たのも嬉しい一瞬だった。
奇跡のような晴天と言い、まだ歩き出したばかりの新法人「緑麗学舎」の門出の一日をこうして文句のつけようのないほど順調に過ごすことが出来た。今後もたくさんの奇跡を起こせるよう、誠心誠意取り組んでいきたいと思う。
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最後に、おきもの愛好家の皆様に、この日のコーディネイトを。
きものは、淡玉子色地の裾ぼかし単衣付下げに、帯は紗の袋帯。菊と藤模様で、春単衣の時期は藤を、秋単衣の頃には、今回のように菊模様の部分を前帯にして締めている。帯締めは道明の糸竹組み。後ろに写っている立派なお社がまだ本堂ではないのだから、椿大神社の大きさがお分かり頂けると思う。

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「美しいキモノ」にて、衣裳デザイナー黒澤和子さん、女優の高梨臨さんを取材しました~~幕末、大河ドラマ「西郷どん」の時代のきもの特集 2018/09/25



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またまた渾身のお仕事のご報告です。
発売中の「美しいキモノ」秋号にて、衣裳デザイナーの黒澤和子さん、女優の高梨臨さんのインタビュー、そして学習院女子大学の福島雅子先生にもご寄稿頂き、大河ドラマ「西郷どん」の時代、幕末のきものの魅力を探る特集を担当しました。

黒澤和子さんのことは、映画好きの方はよくご存知かも知れません。名匠黒澤明監督のご長女であり、監督の右腕として、後期の名作『夢』『まあだだよ』などの衣裳を担当。その後も北野武監督をはじめ数々の名監督とタッグを組み、時代劇から現代ものまで、数多くの作品の衣裳を担当していらっしゃいます。
そんな黒澤さんが、今年の大河ドラマ「西郷どん」の衣裳を担当。正直に告白すれば、なかなかにおっかない方なのではないか、とかなり緊張して取材に臨んだのですが、大変気さくにお話を頂きました。

何しろ目が回るほどお忙しい中を折角インタビューを受けて下さったのですから、ありきたりのことをうかがっても面白くありません。単に「西郷どん」この一本のことだけにとどまらず、衣裳デザインとはどのような仕事なのか、歴史ものを担当する場合、史実と見映え、また、衣裳の理想と予算との兼ね合いをどのように解決しているのか?‥などなかなかに突っ込んだことをお聞きしています。

そして、そんな様々な制約の中で、では、今回の「西郷どん」の衣裳一枚一枚はどのような意図で制作されたのか?注意して見ないと分からないけれど、分かると面白い、黒澤さんが衣裳のところどころに埋め込んだ隠し味の部分までお聞きしていますので、ぜひご高覧頂けたらと思います。
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今回のこの「西郷どんのきもの」特集では、他に、品川宿の遊女から徳川慶喜の側室となる幕末のシンデレラガール・ふきを演じる高梨臨さんのインタビュー、また、江戸時代服飾史の第一人者である福島雅子先生に、幕末の“大奥きもの”について解説もお願いしています。
盛りだくさんの内容で、多角的に西郷隆盛の時代のきものを探る特集を、ぜひご一読ください!


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新しい草履と帯締めで歌舞伎座へ。新作「幽玄」のことも 2018/09/23



少しだけ仕事に余裕のあるこの頃、先週は友人と秀山祭の歌舞伎座夜の部へ。先日このブログでご紹介した、浅草「辻屋本店」さんで購入の新しいお草履を初おろし。雨模様と分かっていたけれど、どうしても歌舞伎座でおろしたかったのです!
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全体とのコーディネイトとの調和は上↑の写真で。思った通り、細身でなかなか良いバランスではないかしらと悦に入っている。
同行のお友だちは、山田流箏奏者の長田悠貴能さん。何だかお揃いのきもののように見えるけれど、これは写真のマジックで、彼女のきものは、本当は私より一段濃く臙脂に寄った色合いの、万筋江戸小紋。私の方は、少し紫がかったピンク地に蛍ぼかし模様の小紋。似た色に写るのは、私たちが仲良しだからに違いない♪
そう言えば、まるで私たち二人で歌舞伎座貸し切り!のように写っているけれど、もちろんそんなことはなく、実際は幕間にがやがやとしている1階ホールで撮ったもの。歌舞伎座の係員さんが奇跡の一瞬をとらえてくださった。
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↑帯は、祖母から伝わった唐花模様の博多織。帯締めは、取材をきっかけに親しくさせて頂いている“南極料理人”こと渡貫淳子さんのお母様が手組されたものを頂いたもの!一見冠組に見えて「東雲組」という珍しい組み方。そして、一見白の無地に見えて、ブルーと赤の筋が入っているという凝っ一本で、このように筋が入るところが「東雲組」の特徴なのだろう。
渡貫さんは、最近、南極基地で振る舞っていたという“悪魔のおにぎり”のレシピがSNSやテレビで話題になり、ご存知の方も多いはず。近々私が彼女を取材した記事も出るので、ぜひご期待ください。
      *
この日の歌舞伎座夜の部は、大阪まで襲名公演も観に行ったのにどうしてもまだ染五郎さん、と思ってしまう新幸四郎さんの「操三番叟」、吉右衛門丈の「俊寛」、そして玉三郎丈の新作舞踊「幽玄」の三幕。
「俊寛」は、ちょうど今「平家物語」で俊寛たち一団の計略が清盛に露見して捕えられ、散々な目に遭うところを読んでいるので(ちなみに原書で読書中)、個人的に何ともタイムリー。中でも貴公子な登場人物が藤原成経で、今回その成経演じている菊之助さんが、まさに私が本を読みながらぼんやりと描いていた成経のイメージそのものでぐっと来る。ああ、そんな成経が田舎の海女なんかと‥!と感情移入してしまった。

「幽玄」は、玉三郎丈と太鼓パフォーマンス集団「鼓童」の共演で、「羽衣」「石橋」「道成寺」という、能をオリジナルに持つ日本舞踊三作を更に現代にアレンジして連続上演する。恐らく賛否両論分かれるだろうほどに、いわゆる“ぶっ飛んだ”演出で、私は踊りという芸術にはさして詳しくないけれど、西洋のミュージカルや恐らくヒップホップの要素も演出に組み込み、三匹の獅子が踊り狂うくだりはまるでジャニーズやエグザイルのショーのようにも見え‥けれど骨格のストーリーはもちろん五百年、六百年にわたって日本人が繰り返し語って来た大古典であり、それをここまで激しく、そしてエロチックな空気をただよわせて演出する玉三郎という人の大胆さに心から感動させられた。
年齢はそろそろ七十代に近く、人間国宝でもあり、格調高く守りの世界に入っていれば揺るぎない評価の中にいられるところを、ここまで振り切ってしまう。「幽玄」というタイトルをつけているけれど、これこそは「傾奇」=「歌舞伎」だった。たとえば一幕目で幸四郎さんがやった「操三番叟」だって、本来は神事で舞う「三番叟」を人形が踊ったらこうなる、とアレンジした言ってみればふざけた演目で、恐らく狂言師の方が初めて見た時は顔をしかめたであろうはずのもの。歌舞伎とは本来そういうアートであるはずなのだから、玉三郎丈こそは正しく歌舞伎の精神を生きている人なのだ、と思った。
長老の域に入りつつある役者がこんなことをやってのけてしまうのだから、おそらく下の世代へ与えた刺激や衝撃ははかり知れないはずで、歌舞伎にはまた新しいエネルギーが蓄えられていくに違いない。

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ジュンク堂書店吉祥寺店と私 2018/09/18



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ありがとう、ジュンク堂書店吉祥寺店。
また今日も閉店10分前に飛び込み、急に必要になった資料を祈る思いで探すと、行儀良くその背表紙は本棚に並んでいるのだった。
小さくて店主の趣味のこもった書店の存在が重要なことは言うまでもないけれど、私のような仕事には巨大書店が自分の町にあることの価値は計り知れない。
さて、いそいそと新しい本のページをめくり、長い夜は続いていくのである。

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新しい渋谷 2018/09/14



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今日、仕事で渋谷に行くと、10年前、この街に住んでいた頃、恵比寿方面へ行く時にてくてく歩道橋を上ったり下りたりしなければならず難儀していた交差点のその向こう側に渋谷ストリームという名の新しい“街”が出現していて驚く。

試しに少し歩いてみると、かつて川があったところにはちゃんと川が流れていて、そう言えば、その川にかかっていた細い橋を渡ったすぐのところにいかがわしい本やビデオを売っている小さな店があって、散歩の途中、普通の本屋さんと勘違いして入ってしまい、私も困惑したけれど店の中にいた男性陣はもっと困惑していた、という思い出の店はもちろん跡形もなくおしゃれ広場に変わっていて、バンドが演奏したりしている。
そして交差点の上空には新しい空中回廊がかかり、今はまだ工事中の渋谷駅といずれはつながるよう設計されているのだろう。
そう言えば、かつてタルコフスキーが首都高赤坂見附付近の未来都市ぶりに目を見張って「惑星ソラリス」の冒頭で延々長回しをしていたけれど、それ以上にソラリス化した風景が今の渋谷には広がっているのだった。

そんなおしゃれ広場にこれでもかと並ぶおしゃれカフェの中でも一番混んでいるハンバーガー店では、フルーツとヨーグルト、100パーセントまがいものなしで作るというスムージーが売っていて心惹かれテイクアウトしてみると、プラスチックではなく紙ストローがついて来る。
そう言えば、子どもの頃、田舎に旅行した時だったかやはり紙ストローが出て来たことがあって、そう、こんな風な舌触りだった、と更に古い記憶がよみがえって来るのだけれど、紙ストローはプラスチックの要領で吸うとすぐにへなへなとしおれてしまい、900円もするスムージーがなかなか上がって来てくれない。そうか、これからの世界では、この紙ストローのやさしい吸い方を会得しなければならないのかと思い知らされ、やはり渋谷は何もかも新しい街なのだった。

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「婦人画報」茶の湯特集にて、遠州流小堀宗実お家元と武者小路千家千宗屋若宗匠の対談企画を担当しました。 2018/09/07



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この夏、渾身のお仕事のご紹介をしたい。
発売中の「婦人画報」10月号で、遠州流茶道の小堀宗実お家元と、武者小路千家の千宗屋若宗匠(家元後嗣)のお二人が流儀のしがらみを超え、松平不昧の茶、そしてその茶を通して見えて来る「自由な茶とは何か」について語り合う、「諸流みな我が流」8ページの取材・構成・執筆を担当した。

今号の「婦人画報」は、実に50ページにわたる茶の湯の大特集。巻頭第一特集を茶の湯で送るのは、10年ぶりのことだという。
総合タイトルは「みんなのお茶」という何やら楽しそうな題名で、茶を始めたばかりの小学生茶人から、茶歴50年、60年の大ベテランまで。お家元からモダン茶人、家で茶を楽しむ主婦茶人まで。気鋭の茶陶作家、菓子職人も‥と、百人の茶の湯を愛する人々それぞれの茶のありようを切り取っている。1ページ1ページ、ページを繰るうちに、それぞれの人がそれぞれの風でお茶を楽しんでいるのだな、‥そう感じられる構成となっている。
    *
そんな中で、もちろん、茶というものは宇宙の物理法則でも何でもないのだから、“絶対に正しい茶の湯のあり方”などが存在する訳もなく、それぞれの人がそれぞれのやり方で茶を楽しめば良いのだ、という、ごく当たり前のことに思いが至る。
それと同時に、一方で、茶には侘茶が創造された桃山時代から数えれば約450年、それ以前の書院の茶や禅寺の茶を含めれば800年以上の歴史が横たわっている訳で、その豊穣なアーカイブを無視して“今だけの茶”を行うことは、大変にもったいないし、つまらないことなのではないか、という、これも常々個人的に考え続けていることが改めて脳裏に浮かび上がっても来る
…と、そう考えながらも、また、400年、800年、それぞれの時代に書かれた茶書や茶会記を一文一文綿密に読み込み、それぞれの時代ごとに最高峰と尊ばれた茶道具に実際に触れる機会を持てる人となれば、もちろん、ごく限られた数となってしまうことも事実だ。
そのよに考えた時、今回私がお話を伺った小堀お家元と千若宗匠は、たまたま茶をする家に生まれられてそのアクセス権を有することになった幸運な人だ、と言うことも出来るのではないかと思う。
けれどその一方で、茶というものが内包している深い精神性ときわめて独特な美意識を考え合わせれば、その道に生まれついてしまったということは非常に険しい道行きを運命づけられたとも言えるのであって、その中にあって、お二人は、天与のアクセス権を最高度に生かし切ってたゆみない研鑽を積まれ、言ってみれば、365日、茶のことばかりを考えておられるお二人なのであって、その言葉には、こちらが虚心坦懐に耳を澄ませば聞こえて来る深い含蓄が含まれていると思う。

編集部から今回の大役を仰せつかり、自らの力不足に悩みながらも、お二人が不昧公を偲んで開かれた茶会と対談の場に立ち会い、その“含蓄”を拾い上げようと最大限の力を尽くした。力を尽くし過ぎて入稿した後二日ばかり廃人なってしまったほどだ。そのくらい、やはり、茶は深く、面白い。
さらっと読み通せば読み通せるけれど、あちこちにその“アクセス権利者の含蓄”を散りばめた8ページをぜひ注意深く読み込んで頂き、茶の湯という、複雑怪奇な営みへの思考に新たな一層を加えて頂ければ幸いである。

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グローバルキャリアが着物を着る時ーークロワッサン誌「着物の時間」にて、東谷彰子さんを取材しました。 2018/09/04



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「クロワッサン」の連載「着物の時間」にて、「Timeout Tokyo 」ディレクターの東谷彰子さんを取材した。
「Timeout  Tokyo 」は、インバウンド旅行者に向け、日本の情報を英語で伝える複合メディア。
編集部スタッフも多国籍で、長である東谷さん自身も帰国子女のバイリンガル。海外出張も多い、まさにグローバルキャリアの彼女が、着物にはまっているというのだ。
そのきっかけは?着物の何が彼女を惹きつけたのか?
…そんなあれこれを取材したので、ぜひご高覧頂ければ幸いです。