西端真矢

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“江戸着物ファッションショー”を終えて 2013/07/08



江戸着物ファッションショー、昨日午後、満員御礼、お立ち見の方も多数ご来場頂いた中、大成功の裡に終了致しました。ご来場頂いた皆様、ファンドに寄付を頂いた皆様、準備期間中を通じあたたかい応援を頂いた皆様、無償のお手伝いをして頂いた皆様、そしてスタッフ、出演者の皆さま、本当にありがとうございました。

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一夜明けて、もうぐっすり眠って良いのに、毎日、
「終わったら寝る。とにかく寝る」
と思っていたのに、もう生活習慣になってしまったのか、3時間ほど眠ったらぱっちり目が覚めてしまいました。そして、
「もうとにかくしばらくは、江戸時代のことは考えたくない」
「毎日毎日こんなに吐き気がするほど浮世絵を眺めて着姿を研究して、1年くらいはもう浮世絵は見たくない」
と思っていたのに、先ほど気づいたらついうっかり春信の浮世絵集をまたぱらぱらとめくっていました‥!

そして、今、一人、部屋で昨日流した音楽のうちの一曲(会場にいらした皆様‥最後の墨黒のお着物の時に流していた曲です♪)に耳を傾けながら、これまでの全てのことを振り返っています。
やはり一番に思い出されるのは、つらかった時のことです。
「そんな企画で人が入るの?」
と言われたり、そもそも、
「それをあなたがやるの?へー(無理でしょ)」
と斜めに見られたり、
「助けるよ」
と力強く言って頂けたので頼みの綱と祈る気持ちで待っていると梨のつぶてだったり、借りられるはずのお着物や小物が色々な事情で突然借りられなくなってしまったり。眠れない夜も何度もありました。
中でも、やはり、一番苦しかったのは、着物をどう集めるか、というこの一点でした。私に実績があればもっと快いご協力を得られたと思うのですが、何しろ着物企画に挑戦するのは今回が初めてのこと。どこの馬の骨とも分からない“着物好きのライター兼広告代理店出身のプロデューサー?”確かに怪しさ満載です。私だって協力をためらうかも知れない、という状況でした。
そんな中、私という個人の人間を見て下さり、よし、あなたを信頼てお貸ししましょう、と、言って下さった皆様。その方々のご恩によって、昨日の成功があります。
また、それは、お持ちの技術や知識、人的ネットワークを、やはり私という一人の人間そのもの、肩書ではなく人間そのものを見て、信頼下さり、提供して下さった皆様も同様のご恩だと思っています。
今、全ての皆さんの、その、信頼を下さった時々の笑顔、真剣な表情、声、メールの文章が、映画のエンドロールのように次々と脳裏に浮かびます。涙が流れるのを止めることが出来ません。

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今後、私がこの江戸着物ファッションショーを思いついた時から昨日までに体験した全てのこと、考えたことの全てを、文章にしてまとめて行きたいと思っています。それは何のためかと言えば、今、夢やアイディアを持ってはいるけれど一歩を踏み出すことをためらっている方々。また、一歩を踏み出してはみたもののあまりにも大きな困難や無理解に苦しんでいる方々に、勇気を持って頂く‥そのために書きたいと思うのです。
たった一人で始めた企画であっても、真剣な思いと夢に対する献身的な努力があれば、必ず実現は可能です。そのことを、多くの方に知って頂けたらと思っています。そして、日本の様々な場所で様々な方の夢が、野に咲く花のようにつぼみを花開かせることを願っています。


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これからしばらくは、さすがに疲れたので少し休憩して、そして特にこの1カ月ほどは文章の仕事がかなり滞ってしまったのでそちらのリカバリーに集中して、でも、その後は、また、次の着物企画に向かおうと思っています。やりたい企画が頭の中にどんどんどんどん浮かんでいて形にしたくたまらないのです。また苦労すると分かっているのに。

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イベント直前の7日、午前3時頃、徹夜で衣装の最終チェックをしていた時、不思議なことが起こりました。その時、大河ドラマ『篤姫』のサントラを部屋に流していたのですが、不意に、篤姫の時代、幕末に生きた江戸時代の人々の気持ちが理解出来たような気がしたのです。
江戸が、純粋な日本伝統文化の時代が終わってしまおうとしていた時。長い長い苦労と江戸時代服飾に対する徹底的な勉強を終えていよいよ本番に向かおうとしている時。その“時機”というものの近さが私の中に何かを発火させてくれたのかも知れません。とても不思議な、シンクロニシティとしか言いようのない体験でした。
その時何を思ったのか、そんなことも、先ほど予告致しました江戸着物ファッションショープロジェクトの記録の中に書きたいと思っています。良かったら読んで頂けたらと願っています。

私は、文章を書くことと、頭の中に浮かんだイメージや企画を、現実世界にプロデュースすること(それには予算管理と人との折衝、資金調達が含まれます)、この二つのことが、心底好きです。これからも、文章と、プロデュース。この二つの道を、誠心誠意究めて行きたい。
文章についてはこれまでそれなりの実績を作って来ましたが、プロデュースについては、単独で行うのは今回がほぼ初めての大型プロジェクトでした。そんな江戸着物ファッションショーを応援下さった皆様、ご協力下さった皆様、本当にありがとうございました。皆様のおかげで江戸着物ファッションショーはこの世に出て来ることが出来ました。心より心より感謝申し上げます。

(ショーの画像は、また後日のブログで発表致しますので、今回はご来場頂けなかった皆様、お楽しみにお待ちください!)


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