西端真矢

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頂きもののきものに新品の帯を締めて、服飾史講座へ 2014/08/05



現在、日本橋の三井記念美術館で開かれている、「能面と能装束 」(特別展示「三越伊勢丹所蔵 歌舞伎衣装」付き)展。
その展覧会に付随して、日本染織史の第一人者である武蔵大学・丸山伸彦先生の特別講座「服飾史から見る歌舞伎衣装 三越伊勢丹所蔵品を中心に」が開かれたので、参加して参りました。

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江戸時代以降のきものの発展に、歌舞伎が与えた影響は非常に非常に大きなもの。その歩みを繙くと同時に、今回の展示作の解説をして頂きました。大学の服飾史講義レベルの深い内容で、大満足。
特に、徳川家歴史好きの私には、大奥で歌舞伎を演じた「御狂言師」の衣装についての解説があり、感激しきりでした。大奥関連の資料を読んでいると、時々目にする、この「御狂言師」という存在。どの資料を見ても、どういう役割を果たしていた人だったのか、基本的な情報しか得られなかったところに、急に生き生きと色彩が加わった思いです。この部分だけでも、講義に参加して良かった!
会場も満席で、服飾史マニア、或いは美術史マニアの方々なのでしょうか、一言も聞き漏らすまいとメモを取っていらっしゃる方も多く見かけました。同好の士の方々と過ごす現場感は最高です!

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さて、ここからはきものコーディネイトご紹介です。講義後、先生と写真を撮って頂きました↓
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実は先生とは、私の母が大学・大学院時代、先輩―後輩の間柄(母の方が先輩です)。私が小学生の頃には、夏休みに先生に遊んで頂いたこともありました‥!
まさかその時には、自分が将来このお兄さんが研究されている分野に興味を持ち、講義を聞きに行くことになるなんて想像も出来ず…人生何が起こるか分からないですね。

きものは、友人のおばあさまの遺品を頂いたもののため、産地が分からないのですが、たぶん夏塩沢ではないかと思います。しゃりっとしてかなりしぼが強いので、着ていてとても涼しく…写真では分かりにくいのですが、透け感もあります。色は、写真では黒っぽくなってしまいますが、渋めの紫で、蚊絣のような細かい十字絣が飛んでいます。しつけ糸のついている新品を頂き…ありがたく着用させて頂いています。
色みが落ち着いているので、私の年齢で白っぽい帯を締めてしまうとおばあさんになってしまうので(曾祖母がいつもそんなコーディネイトをしていました)、帯には、黄色の博多帯を合わせて。

西村織物製のこの博多帯は、今回のきものなどに合わせることを想定して、今年購入しました。
最近の博多帯は、黄色地の場合、青や白で文様を織り出すすっきりとしたものも多いかと思いますが、私はきもののコーディネイトは、すっきりさせ過ぎない方が粋だと思っているので、赤が入っているこちらの色合わせのものを選びました。紗献上ではなく普通の博多なので、袷の季節も含め、様々なきものに合わせて行こうと思います。
帯揚げには、この薄いグレーの色が気に入って、シフォン地のスカーフを帯揚げ代わりに入れています。

「能面と能装束」(特別展示:三越伊勢丹所蔵歌舞伎衣装付き)展は、9月21日まで開催。
三井家所蔵の能面の最高傑作(重文だらけ!)が勢揃いの上、能衣装と歌舞伎衣装の逸品も見ることが出来ます。
私も、今回は仕事が詰まっているため講義だけを伺いに行き、展示は駆け足でしか見られなかったので、会期中にもう一度足を運ぼうと思っています。皆さんもゼヒお出かけになって見てください。

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