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きものサローネ、最終日の昨日も行って来ました! 2014/11/14
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きものサローネ、昨日も行ってまいりました。
平日・木曜日だというのに、たくさんの人出。大きく分けて、京都西陣エリアとその他のエリアに分かれていて、それぞれを力いっぱい見て回りました!
前回と同じく、それぞれのブース総てに足を止め、気になる出店者の方とはお話をして作り方やデザインの意図などをお聞きして。
本金引き箔の豪奢な袋帯から気軽な半幅、小物類、草履や刺繍技術、新概念の和装下着、前結び帯、全く安っぽくない、高級感あふれる洗えるきもの、そしてたくさんの「ほしい!」と声を上げたくなるきものや帯たち…何とも楽しい時間でした。
本当にたくさんの方とお話ししたのですが、下の写真は、京都の染織職人集団「杉達」の和泉明さんと。
和泉さんは、本羅を織る西陣の職人さん。正倉院の羅布などを研究して、ご自身の作品に応用されています。
↑こちらは、後で紹介致します今回のサローネの目玉「百人コーディネイト展」に出品されていた「杉達」のコーディネイト。型友禅の絽のお着物に、大和さんの羅の帯です。「杉達」には、友禅染め、型友禅、京絞りの職人さんが所属されています。Facebookにページがあるので見てみてくださいね。
↑お隣りの丹後から出店の「小林染工房」のブースでは、珍しい、柿渋で染めた糸(写真に写っている茶色の糸玉がそれです)を使った織物が出品されていました。柿渋には防染効果があるため、そこだけ色が染まらず、模様を残すことが出来る…という非常にオリジナルな反物です。
まだまだ新しい織物って出て来るんだ!ととても感動しました。
こちらは江戸刺繍。東京都伝統工芸士の辻口良保さんが実演をされていました↓
一枚目の写真は、刺繍をするための柄を切り抜いた薄紙。ここに、胡粉を掛けて布に付着させ、その上から刺繍して行くそうです。
二枚目が、刺繍の途中の様子。刺繍なら私にも出来るかな…とちょっと心惹かれたりして。
↑そして心惹かれたついでに、名刺入れがへたって来ていたので、辻口さんの刺繍を施した名刺入れを購入しました。かなりカワイイでしょ♡
…と、もうその他たくさんの方とお話ししたりお品物を見たり。一緒にお写真撮れば良かった~!という方もたくさんですが、またの機会に。
最後に、先ほどちらっと書きました「百人百色 百人コーディネイト」の会場をご紹介します。
↑会場の一部をバックに、マネキンに紛れ込んで写真を撮ってみましたが、こんな風に、各きもの店、スタイリスト、染織作家、着付け師などなどの方々が、それぞれのコーディネイトをマネキンに着付けて披露なさっています。
あ、ついでながら前に立っております私のコーディネイトは、金田昇さんの江戸小紋に祖母が染めた水色地に黄色とピンクで菊の花を染めた帯。ちょっと帯〆の色が強過ぎたかな、淡いピンク色の方にすれば良かったかな…と一人反省会中ですが、そんなことはいいとして…
こちらは、目白「花想容」の田中由起さんのコーディネイト↓
帯にほどこされた孔雀の羽柄の刺繍を中心に、さわやかにまとめ上げています。
こちらは、スタイリストの大竹恵理子さんのコーディネイト↓
染色家・中野光太郎さんのグレー、水色、淡紫が印象派の絵のように混じり合ったおきものを、同じトーンの中で優しくまとめています。このきものは相当人気高いそうですよ!
同じくスタイリストの坂元和子さんのコーディネイトは…↓
丸山正さんの深めの色のおきものに、青海波を大胆に意匠化した帯。そして、帯〆が非常に効いていますよね。かっこいいです。
京都「多ち花」の河合洋平さんの配色にも目が引きつけられました(中央のコーディネイト)。能衣装から応用した色合いだとのことです↓
ガラス作家小上馬香織さんは、自作の印象的な帯留を中心にしたモノトーンコーディネイトがかっこいい↓
そんな中、アニメ?の萌えキャラを配したこんなおきものもありました↓
題して「痛キモノ」と自ら言っている自虐センスがイイですね。まあ、このきものは絶対自分は着ませんが、ユーモアのセンスのある人って大好きです。しかもお隣りが正調なおきものであるところがよけい笑いを誘いますね…
*
ここからは、私が個人的に特に心惹かれたコーディネイトを…
出雲の「まにわ呉服店」の馬庭里香さんのコーディネイト↓
きもの、帯、帯〆、帯揚げの配色が、正にきものならでは。或いは、日本ならではと言ったら良いのでしょうか。私自身は青春時代をオリーブや渋カジ(なつかしい響き!)の影響下に過ごしてしまったので、どうしても洋服臭の強い取り合わせをしてしまいます。それがあまり楽しいとは、或いは新しいとは思えない。自分の中の日本人遺伝子をもっともっと掘り起こして、ごく自然にこういう取り合わせを出来る人になりたい!という夢が具現化されたコーディネイトでした。
同じ意味でこちらのコーディネイトもとても好きです。「東京友禅染め研究会」の名坂佳寿子さんによるコーディネイト↓
すごく「買いたい!」と思ったのは、京都のしけ引き染めの松本輝之さん(工芸染織松寿苑)のこのおきもの。理屈抜きに、こういう色合いや、染料の布への乗せ方が好きなんです!↓
打って変わりますが、こんな木綿紬にも心惹かれます!青戸柚美江さん作の麻の葉文様木綿紬。コーディネイトは「だるま屋呉服店」の山口貴子さん。帯留使いも素敵ですね↓
こちらの手描き友禅作家中野スズミさんのおきものは、猫柄!猫好きにはたまらないかわいさ。ほしい!
私なら、淡い卵色とか、ベージュとか…そんな色に別注したいところです↓
もう一つ、大好きなツボに入っているコーディネイトがこちら。京都の「岡文」さんの作品で、渋く上等なお召に、伊藤若冲の絵画を織りで表した帯。白地に赤の麻の葉文様の帯揚げに、これも、日本らしい色合わせの帯揚げ。
江戸時代までの日本人が持っていた美意識を具現化したようなコーディネイトで、とても心惹かれました↓
私は、どのようなきものスタイルにも優劣はなく、ただ個人の嗜好で選べば良いと心から思っていますが、こうして好きなコーディネイトを選んで行くと、自分自身の嗜好、いや志向というものが嫌でも表れるなと実感します。“日本人しかしない色合わせ”というものに、今の私はどうしようもなく心惹かれてしまうし、それこそが一番新しいと感じているようです。
あ、そう言えばもう一つ、こんな風に、帯揚げに模様が入ったものを入れるのもとても素敵ですね。私もこれから真似して取り入れて行きたいと思います!↓
ということで、今年のきものサローネも終了。
出店者、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。そして、たくさんのきものファンを楽しませてくださったこと、ありがとうございました!