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「お着物の記 五 夏の着物二枚」 2010/07/23
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女子読者の皆様にご好評を頂いているお着物日記。
今回は、7月から8月の盛夏の季節に着る着物をご紹介します。
この季節には、薄物(うすもの)と言って、少し下の襦袢が透けるような素材の着物を着用します。絹であれば絽・紗・羅(←織り方の違い)。また、麻や綿など、植物で織った薄地の着物を着ることも。
上級者の方だと、無地の薄物を上に着て、下の襦袢の方を柄物に。「襦袢の文様を透かせて見せる」という高等戦術を使うこともあるそうです。かっこいいですね‥
さて、実際に最近私が着た着物は‥
まず一枚目、某行動派アート運動(詳細後日!)のお披露目会に出たときに着た着物です。
*薔薇文様の絹縮(きぬちぢみ)の着物。
縮(ちぢみ)というのは、縦にシボと呼ばれる皺が入った織り方のことです。現代風に言うと、「皺加工」。写真だと分かりにくいのですが、この着物の生地も、下が若干透けて見える薄い織り方をしており、薄物に分類されるお着物です。
*帯と帯締めは、今回、着物と同系色のピンク系でまとめてみました。ふだん、帯と着物を反対色でコーディネートする方が「腕の見せどころ」というかんじがして好きなのですが、今回は同系色ですっきりと。特に夏にはこういうすっきりコーディネート、良いかなと思います。
*これも写真では分かりにくいのですが、帯締めは夏用の厚みが薄いもの。網目も大きく、涼しげに織られています。
もう一枚の夏のお着物は‥
*小千谷縮(おぢやちぢみ)という、越後地方で織られる麻のお着物です。こちらも縮なので、縦にシボがあることがお分かり頂けるかと思います。
*麻の着物は風を良く通すので、とても涼しいのが特徴です。麻だと普段着扱いになりますが、浴衣と違って下に襦袢も着るし、よほど正式な席でなければ、夏は麻のお着物で出かけるのが何と言っても楽。帰宅したら家でじゃぶじゃぶ洗えるのも魅力です!
知人とのお食事の際に、また、先週日曜日、お茶のお稽古→吉祥寺・葡萄屋での弟の誕生日食事会の際に、着て行きました。
*帯は、麻の半幅帯。半幅というのは文字通り半分の幅の帯で、幅が細いため、背中でお太鼓を作ることは出来ません。浴衣の帯もこのタイプに入ります。帯締め・帯揚げを使わずに結ぶことが出来ます。
*文庫結び(蝶結びのような結び方)、貝の口など、半幅独特の結び方がたくさんありますが、私は特に腰回りが痩せていて、帯が余ってしまうのが悩みの種。着付け師(=母)が苦心して、文庫結びの蝶の羽の部分を二重に結んでくれて、解決!
‥いかがだったでしょうか?夏のお着物。
今年はこれから仕事が忙しくなるので、もしかしたらもう夏のお着物を着る機会はないかも知れませんが、でももう一度くらい着られたらいいナと、ささやかに願うこの頃です。