西端真矢

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黒留ナイト、行って来ました。 2011/04/26



この間の日曜日、六本木ミッドタウンで開かれた着物イベント「黒留ナイト」に参加して来ました。
明治初期に発布された法律「太政官令」で、女子の第一礼装に定められたのが黒留袖。男子が紋付き袴。まあ、なかなか呼ばれることもないと思いますが、例えばオバマ大統領やエリザベス女王に晩餐会に招かれた場合にも堂々と着て行ける、日本の最高礼装です。
‥が、それゆえになかなか着る機会がないのも事実。今回のパーティーの主催者竹姐さん(と皆さんが呼んでいたので私もそれに倣います)は、リサイクル着物のネットショップを経営していらっしゃる方。買い取りの際に多くの家の黒留袖がカビたり色焼けしてしまったりしている悲しい姿を見て、今回のイベントを思いついたのだそうです。

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さて、染色家だった祖母のおかげで我が家には黒留袖が何と四枚も!迷った末に、当日は梅松文様の一枚を着て行くことにしました。着姿はじゃじゃーんこちらです↓
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ちょっと衿を開け気味にしたこの着付け。着付けのみならず、髪も全部自分でやりました。比翼付きを着付けたのは初めての経験でしたが、ちゃんと着ることが出来て大満足。何だかちょっと自分に自身がついて来ました~。

今回は別に正式な晩餐会に呼ばれた訳ではないので、帯は少し遊んで、振り袖用の派手な帯を二重太鼓に結んで行きました。年齢的に、そろそろこの帯が顔に合わなくなって来ると思うで、今のうちに着ておこうという選択です。立涌に菊竹文様のにぎにぎしい袋帯。衿を開け気味に、ちょっとヤクザの姐さんっぽい雰囲気を出してみましたがいかがでしょうか?

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それにしても、総勢六十人ばかり、黒留袖の人々が揃うとかなり壮観でした。
下の写真は、集合写真を撮ったときの様子(私は前列右から3番目・パーティー主催者作成のアルバムから閲覧&DL出来ます)
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今回の会の様子は、着物サイト「キモノのこころ」で後日レポートされるそうです。そのときにはこの集合写真の本格版と、一人一人の参加者それぞれの留袖着姿写真も同時掲載されるとのこと。「一口に留袖と言ってもほーんと様々なんだなー」と会場で私が感じたことを、きっと写真からも感じ取れると思います。アップを楽しみに待ちましょう~。

それにしても当日は、お着物を愛する方々と夢中で着物話が出来て大満足。「これ、祖母が染めた留袖なんです」と一言言った瞬間に、皆さんがわらわらと私の周りに集まって来て下さって仔細に文様を眺めて下さる‥という嬉しい一幕もありました。
おそらく、祖母はあくまで自分の趣味として着物を染めていたので、やっぱり一般的に呉服屋さん経由で作る着物とはどこか雰囲気が違うのだと思います。たとえ古典文様を染めていたとしても、ちょっと自由な空気がある。着物通の人たちには、それが言わなくても通じるのだと思います。「その文様いいですね」と話しかけて来て下さったり、「えっ、おばあ様作なんですか?ずっと最初から気になってたんですよ」と言って下さる方も何人もいらっしゃいました。ああ、祖母が生きていたらどんなに喜んでくれただろう‥。「おばあーちゃーん、そっちの世界で見えてるー?お着物好きの皆さんがこんなに褒めてくれてるよー!」と叫びたくなってしまいました。
秋葉原にはオタクたちのイベントがあるように、クラブにはアンダーグラウンドカルチャーを愛する人々が集まるように、着物というこの深い深い魅力を備えた衣服文化を愛する人々のマニアックイベントが、これからもどんどん増えて行くといいなと願う‥そんな一夜でした。

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