西端真矢

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私の本棚~~この2ヶ月間に読んだ本 2011/08/25



もっと頻繁にブログを更新したいのですが仕事に追われ、8月いっぱいはどうにもままならない毎日。そこで今日の日記では――若干お手軽にはなりますが――最近二ヶ月間に読んだ本を羅列したいと思います。
人の本棚覗くのって楽しいですものね~って、言い訳がましいでしょうか?
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さてさて、上の写真に写っている本の山の下の方から、この2ヶ月間に読んで来たものです。

『図説江戸4 江戸庶民の衣食住』 竹内誠監修 (学研)
全ページ豊富な図解と写真入りで、江戸文化のどうでもいいような隅々までを解説してくれる日本文化好きにはたまらない一冊。

別冊歴史読本 『江戸城大奥ガイドブック』 (新人物往来社)
連続ドラマ『大奥』マニアの友人R子から、『大奥』熱がだんだん感染。影響されて借りてみました。DVDも観始めており、今後はまる予感‥

『できることから』 小堀貴美子 (講談社)
ごく普通の家庭のお嬢さんとして育ちながら、茶道・遠州流家元と恋に落ちたことで、家元夫人となった貴美子奥様の奮闘記。
結婚一年目は、毎日、午前中ひたすらずーっとお茶を点てさせられる‥。先祖の月命日など、何かと言うといちいちきちんと着物に着替え、月に何度もお墓参り‥。毎日夕食には懐石料理を作る‥など、いくら好きな人と一緒になるためとは言え、私には絶対無理なことオンパレードの毎日。或る意味皇室に嫁ぐより大変かも。貴美子さん、すごいです。

『1988 我想和這個世界談談』 韓寒 (国際文化出版公司)
これは中国語の小説です(日本語訳はまだ出版されていません)。中国の人気作家・韓寒の作品。みずみずしい挿話にあふれた、ひりつくような痛みをともなう青春小説。ところどころ、偶然を多用し過ぎている点が残念ですが。
1988というのは主人公が乗っている車の愛称ですが、これは天安門事件(1989年)の1年前を暗示しているのでしょうか?小説のストーリーと天安門事件との間に隠された関係があるのかどうか、検証してみようと思いながらやれていません‥。誰か代わりにやってくれないかなー。
途中で死んでしまう重要人物が、どうも1989年に死んでいるようで…細かく読んで行くと裏のストーリーがあるように思います。

『茶 利休と今をつなぐ』 千宗屋 (新潮新書)
武者小路千家の若宗匠による茶の湯入門書。基本知識を押さえつつ、茶の湯の精神の真髄を伝えようとする千氏の熱意にあふれた、感動的な好著です。

『足利義政』 ドナルド・キーン (中央公論新社)
足利義政の、将軍としてはダメダメだった生涯と、文化の庇護者・創造者としては超一流だった別の一面を、流麗な筆致であますことなく伝えてくれる名評伝。

『中国を拒否できない日本』 関岡英之 (ちくま新書)
著者は、元三菱銀行員として中国と多数の交渉歴を持つ中国通。その後、外交問題の評論家に転身したという経歴の持ち主です。その著者が放つ、日中関係論であり日米関係論である本著は、傾聴すべき点が多々あると思いましたが、日本における原発運用の脆弱性を予見出来なかった点は、差し引いて見なければいけないと思います。

『女中譚』 中島京子 (朝日新聞出版)
1930-45年頃を舞台にした小説を読むのが趣味の一つです。この短編集も正にその時代を扱ったもの。単に世相を描くだけでなく、人間心理の奇怪なひだに分け入る力量が素敵!

『女系家族』 山崎豊子 (新潮文庫)
山崎豊子は、後期の社会派作品も素晴らしいのですが、自身のルーツである大阪船場の上流階級を描いた前期の小説群も傑作揃いです。着物の描写も多数出て来るので、着物好きには二度美味しい小説。

『はじめての支那論』 小林よしのり・有本香 (幻冬舎新書)
中国を徹底的にけなしてあースッキリ、という本かと思いきや、内容はもっとずと深く、中国問題はアメリカ問題と同義であり、「日本人がこれからグローバル化とどう向き合って行くのかが問われているのだ」ということを論じています。
1)日中戦争・太平洋戦争に対する歴史認識 
2)中国人を単純に一般化し過ぎて論じている点
3)過去の中国文化への理解力が恐ろしいほど低く、失笑レベル
‥の3点は私と意見が違っていたり・残念であったりする点ですが、それ以外の論点に関しては「自分が小林よしのりと相当意見が近いとは‥」と驚愕。

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冒頭の写真で積み上げられた本のうち、一番上の二冊は現在読んでいる本です↑

『東アジア国際環境の変動と日本外交1918-1931』 服部龍二 (有斐閣)
第一次世界大戦終了から満州事変に至るまでの10年余の日本外交を、日本、イギリス、アメリカ、そして中国の資料も駆使して分析する現代史の専門書。ノートを取りながら、現在半分ほど読み進めたところです。

『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』 開沼博 (青土社)
原発なしで生きられるならそうしたい。そのためには、地震国日本に何故ここまで原発が増殖したのかを徹底的に見つめなければならない。その作業なしに新しいフェーズへ向かう打開策は生まれて来ない‥これは、そのための検証の書物である‥そういう視点がおそらく貫かれている本かと思います。(今日から読み始めたので、もしかしたら違っているかも知れません)
福島出身の新進社会学者が、おそらく自らの故郷の恥部を直視しながら、徹底的に日本の地方都市の現実と向き合った論考であると推測され、その恥部はつまり日本人全員の恥部である訳なのだから、私もこの本を読むことによって、厳しいこの現実に向かい合って行こうと考えています。

‥以上、この2カ月の間の読書の記録でした。
着物好きとしては、今月は『美しいキモノ』と『きものSalon』の二大着物雑誌の最新号が発売された月でもあり、ほっと頁をめくるのもまた心楽しい、忙中の閑なのであります!
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