西端真矢

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山形、やさしい色合いの紅花染め紬に紅型帯で 2013/05/29



今日の着物日記は、山形の紅花染めの紬をご紹介したいと思います。

*やわらかい黄色地の紬は、山形・米沢の「新田」製のもの。「曙光」と名前のついた反物でした。
これは、今年の初めの或る日、父の機嫌が良く「着物買ってやる~」となったので、気が変わらないうちに、と、即いつもの呉服屋さんで購入したもの。
それからすぐ仕立てて、春先からもう何回着たでしょうか。ほとんどどんな帯でも載るし、ほぼ草木染めの糸で織り上げたやわらかい色合いが、着ていると何だかうきうきして楽しいのです。

*実は、この日記を書くために、「新田」さんにお電話をして、「曙光」をどのように染め・織り上げているのか、突撃取材をしてみました。
電話に出て下さったのは、新田源太郎さん。現在の当主・英行さんの息子さんだということでした。

上の写真が「曙光」の一部を撮ったものです。何ともやさしい色合いだということが伝わって来るかと思います。
この「曙光」、お父様の英行さんが創作した反物で、大部分の糸は真綿手引き紬で織られているのですが、経糸のごく一部に生糸を入れているとのこと。それにより、独特の光沢感と、少し、ぼかしと言うのでしょうかにじみと言うのでしょうか、そういう上品な揺らぎ感が出るところが鍵である、と。
まさに、朝の曙のようなイメージですよね。お話を伺って、何故いつも着ていて楽しくなるのかが腑に落ちたのでした。
「新田」のホームページはこちらから。
http://www3.omn.ne.jp/~nitta/index.html

*糸は、草木染めで染めるものがほとんどだということですが、別に草木染めだけが良いとは思っていない、ということで、一部に化学染料で染めた糸も入れているそうです。
黄色は蘗(きはだ)で染める場合が多く、桃色や薄紫など赤系の色はやはり紅花で染めることが多いとのこと。
この反物にもところどころにピンクや藤色が入っているのがお分かり頂けると思います。これは紅花で染めた色、ということですね。
そして、黄色の場合でも、最後に紅花をかけることが多いそうです。

*どの反物にどの年に染めた糸をどのくらいのバランスで配するか、は、その時々のインスピレーションによるようです。正に手紡ぎ・手染め・手織りならではの世界ですね。

*この着物に、祖母が染めた東京紅型の塩瀬名古屋帯を合わせてみました。
何しろ仕事が忙しくずっと日記を休んでおりましたので、この写真を撮ったのは、実は、春、桜の頃です。

上が、帯のお太鼓の文様を床置きして撮ったもの。この文様がお太鼓の真ん中に来ます。
山里の風景を描いたもので、木の枝ぶりの中にピンク色のものがあり、桜が咲いているようにも取れるので、桜の季節に締めてみたのですが‥秋の紅葉にも見えるので、また秋にも締めてしまおうと思っています。二毛作です。むふふ。

いかがだったでしょうか、山形の風土から生まれたやさしい紬。
明日・木曜日はこの着物に、藍色の帯を締めて倉敷を旅した日のコーディネートをご紹介致します!
そして、明後日・金曜日には、7月に行います時代着物イベントの詳細を発表致しますので、皆さまご期待の上お待ちください!

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