西端真矢

ARCHIVE:

きものサローネ3日間きものコーデと、運営に携わった雑感を少し 2015/10/14



先週10月7日~10日に行われましたきものサローネ、無事に大きな事故もなく終了致しました。お蔭様でたくさんの方々にご来場いただき、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
そして、つたない私のきもの日記ではありますが楽しみに見て下さる方がいらっしゃるので、3日間のコーディネイト分をまとめて上げたいと思います。最後に、今年サローネの運営に関わった雑感も少し。

          *

まずは、1日目のコーディネイトです。
%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8D1%E6%97%A5%E7%9B%AE%E7%9D%80%E5%A7%BF.jpg
この日は祖母が染めた東京紅型の小紋を着ました。
「桜楓に流水」の伝統柄の、流水が印象的な幾何学に描かれているところ、また、その中を市松で表現しているところが斬新でとても気に入っている一枚です。
1%E5%AF%84%E3%82%8A.jpg
色合いがややおとなしいので、帯には華やかさのあるピンク色の帯を合わせました。よく締めている「ひなや」の組紐帯です。帯〆は「龍工房」のおだまきがかわいい一本を。

一枚目の写真でお分かり頂ける通り、きものにトランシーバーを斜め掛けしています!
何とも無粋な姿ですが、今回、楽屋当番だったため致し方がなく…一日中、「西端です、西端です。**さん(出演者のお名前)駐車場に着かれました。楽屋にご案内します。リハのお時間、オンタイムでよろしいでしょうか?」などと通信していまして、サローネが終わった次の日もまだ耳にイヤホンが入っている感覚が残っているほどでした(苦笑)。

          *

そして2日目は、こちら。
2%E6%97%A5%E7%9B%AE%E3%81%AE%E3%81%8D%E3%82%82%E3%81%AE.jpg
黒の村山大島紬に、米沢の「近賢織物」の紙布帯。緯糸(よこいと)に紙の糸が入っており、独特の張りがある素敵な帯です。なんと、一緒に写っている男性が、「近賢織物」の社長の近藤哲夫さん。この日、サローネで、米沢織のファッションショーがあり、自ら明治時代の書生役で米沢織の袴を履いて出演されていました。
こうして作り手の方と直接会えるのが、何と言ってもサローネの醍醐味。とてもとても嬉しい瞬間です。お引き合わせ頂いた同じく米沢・粟野商事代表の粟野さん、ありがとうございました!粟野さんは私たちのツーショットの後ろにこっそり?顔を出されている、優しいお顔の方です(*^^*)
2%E5%AF%84%E3%82%8A.jpg
この日の帯〆は、大好きな大好きな和裁士の松井扶江先生から頂いた伊賀組紐の一本です。普通の組紐より太めの糸(恐らく何本かを合わせた糸?)で組んだ、笹浪組‥だと思うのですが、裏から見ると違っているのかも?と思ったり。今度、組紐を習っているお友だちに見てもらおうと思っています。
ともかく、鶸色のような萌黄色のようなこの色合いが何とも素敵で、大のお気に入りの一本。これからも大切に締めて行きます。先生ありがとうございました!

           *

そして3日目はこちら。
3%E6%97%A5%E3%82%81%E3%81%AE%E3%81%8D%E3%82%82%E3%81%AE.jpg
%E6%B4%A5%E5%AE%A4%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8.jpg
紺地に現代的な草花模様意匠の単衣。何とこちらは、ネットきものショップの「京都きもの市場」で、2万円くらいで買った反物です。ちょっと変わった柄のためか誰も手を出す方がなく、結構長いこと載っていたので、思わず私がクリック致しました♡
単衣なのでお仕立て代も安く、全部で5万円くらいで一枚新しいきものが増えて大満足。普段あまりきものを着ない方ばかりが集まるパーティーや食事会に出席する際、こういう柄だと受け入れられやすく、愛用しています。
‥ところでところで、こちらのきものの2枚目の写真に写っている素敵な男性は誰か、皆さん気になりますよね。この方は、京都の染色工房「室華風」の津室伸吾さんです!
今回、津室さんの「室華風」と斉藤上太郎さんの「JOTARO SAITO」がサローネで行ったファッションショー「TOKYO KIMONO COLLECTION」のプロモーションを一部お手伝いしていまして、親しくお話を出来る関係になりました。この写真も楽屋でパチリ。「室華風」のおきもの、ため息ものに素敵な作品がたくさんありますので、皆さん、注目ですよ!
3%E5%AF%84%E3%82%8A.jpg
この日の帯は、河合美術織物のしゃれ袋帯。鹿の子絞りを織りで表した白地の地に、一本銀の横縞が入っているシンプルな意匠です。
帯〆は、「道明」の、非常に珍しい丸源氏組を入れました。
「道明」ではこの10年?20年?ほどは丸源氏組は出していないと思いますが、これはその昔、母の結婚が決まった時に恩師の美術史家・山根有三先生からお祝いに頂いたものです。道明三保子先生にうかがってみたところ、以前は丸源氏のご商品もあったとのことで、歴史を感じされる一本ですね。赤とピンクと白の色合いもかわいらしく、また締めたいと思います。

          *

‥ということで、本当は各プログラムのお写真なども入れたりしたいところなのですが、何しろ楽屋当番で忙しく、ほとんど何も見ることが出来ず、3日間が嵐のように終わってしまいました。(マルシェには行くことすら出来なかった‥泣)
そんな中でも、実は少しは写真を撮っていたプログラムもあるのですが、ちょっと今、各誌の原稿〆切が台風去ってまた台風というかんじで疾風怒濤状態になっていまして、はっきり言って「このブログ書いている暇があったら原稿書いて!」と怒られそうな状況なのですが、何とかいつも見に来て下さる方々のために、最小限の情報でお届けしています。苦境お察しください。

きものサローネの運営は、言葉に尽くせぬほど大変なものでした。それは、やはり資金が圧倒的に少なく、私を含め、他の仕事を本業としている人々の、ただただ「きものを愛している」「きものの未来を憂いている」その有志にひたすら頼って運営しているところに原因があります。
それでも、上の写真でご紹介した出会いをはじめ、今回、忘れがたい、心に残る出会いがありました。人生を前に進めてくれたり、人生を豊かにしてくれる最も大きな力の一つが、人との出会いだと私は思っています。出会いの喜びに感謝して、私のきものサローネ2015にひとまず幕を下ろしたいと思います。


にほんブログ村

にほんブログ村