西端真矢

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赤坂迎賓館物語、猫のいる相撲部屋、皇室典範を読む…「婦人画報」1月号にて3企画執筆しました 2016/12/09



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仕事に追われていてご報告が遅れてしまったのですが、発売中の「婦人画報」1月正月号にて、バラエティに富んだ3企画を担当しました。

その第一は、「TOKYO 1964&2020 赤坂迎賓館」。
明治時代に日本の工芸技術の粋を集め、また、当時のヨーロッパ各国から最高水準の部材や家具を取り寄せて建てられた、赤坂離宮。現在は赤坂迎賓館と呼ばれるその建物の百年ほどの物語を、特にオリンピックとの関わりを中心に、田原桂一さんの素晴らしい写真とともに綴ったページです。
戦時中には痛々しい姿に傷つき、やがて1964年の東京オリンピックでは、組織委員会の総本部となった迎賓館。日本復活の熱い想いを込めて、錚々たるメンバーが迎賓館に集まって来た…という、私が仕事の中でも最も好みとしているストーリーものの企画です。ぜひご一読いただければ嬉しく思います。

そして二番目の企画は、「ニャーはっけよい!荒汐部屋の招き猫」。
「日本の正月百景」企画の中の一つで、二匹の猫とともに暮らす東京中央区の相撲部屋「荒汐部屋」を訪ねました。
実はこの仕事の依頼を頂いた時、他にも仕事が詰まり大変な時期だったのですが、猫と相撲と言えば、私の「好きなもの番付」上位を占めるもの。「や、‥やります!」とお答えしていたのでした。
大変楽しく取り組んだページです。ぜひこちらもご覧ください。

最後の企画は、「今、皇室典範を読む」。別冊付録「皇室」の中の一企画です。
生前退位をめぐり、先ごろ発表された天皇陛下のお言葉、そして、女性宮家設立?女性天皇を容認?‥と、昨今何かと議論の尽きない皇室をめぐる諸問題。変わりゆく社会環境の中で、国民一人一人がどう皇室をとらえるのか、その基礎となる法律が「皇室典範」です。
今回の企画では、その条文に詳細な解説を付しました。‥と言っても、もちろん私が勝手に付したのではなく、近代皇族・華蔟論の第一人者である静岡福祉大の小田部雄二先生のご指導を受けたもので、先生には、上記した、皇室をめぐる現在の三つの問題の現状を概観する談話もいただいています。
当たり前のことですが、法律の条文というものはきわめて非情緒的、そして事務的です。それに対し皇室は、様々な人々の様々な思い入れを背負った、言ってみれば高度に情緒的な存在であるでしょう。その皇室が、現状、どのような条件のもとに社会の中で存在しているのか、皇室典範の条文を読んでいるとそれが客観的に見えて来るのです。
ビジネスで交渉事を経験したことがある方なら合点して頂けると思いますが、交渉がこじれにこじれた時、互いの条件や、互いが置かれている現在の経営環境を客観的な数値や客観的な叙述で文章化し、列記して行くと、ふっと合意点が見えて来ることがあります。「皇室典範」を読んでみることには、それと同様の意義があるのではないかということを、今回の仕事を通じて痛感しました。
こちらの企画もぜひご高覧頂けたらと思います。

…と本当にバラエティに富んだ3企画。
今号の「婦人画報」は、他に、波瑠さんの素晴らしく美しいきものスタイル特集や、とにかくめでたい、怒濤の日本各地のお正月風景たたみかけ!そして、モダンかわいいダイアリーの付録も付いています。
年末年始のお伴に「婦人画報」1月号を、ぜひお買い求めください。


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