西端真矢

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改元のゴールデンウィーク、「東京キモノショー」と日本橋散歩 2019/05/04



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今年は二度お正月が来たような気がする改元のゴールデンウィーク、友人知人は遠出をせず東京近辺で過ごす人が多く、私もその一人です。連休明けに大きな取材が控えているため、資料読みに明け暮れつつ、ちらほらと外出。一昨日は、日本橋のコレド室町へ、GW恒例の「東京キモノショー」へ出かけました。

この一大きものイベントは、今年で4回目。私のブログでも過去に2回レポートしているので覚えて頂いている方もいらっしゃると思いますが、とにかく今年は来場者が多い!
5年前の第1回目を思い返すと、広~い会場にお客様がちらほら、といった入りだったのが、今年は同じ大きさのはずの会場が、ものすごく狭く感じられるほど。特にきものや和小物のミニショップが並ぶホワイエは、なかなか前へ進めないほどでした。
わずか4回でここまで人気を得たこと、実行委員いの皆様の努力に頭が下がります。
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↑そんな中、メインホールには、今年もきものメーカーやきもの作家、きもの店、着付け師さんが提案するきものコーディネイトがずらり。
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↑そして、そのホール壁には、一昨年にやはりこのブログで旅レポートした丹後の引き染作家「小林染工房」の小林さんの“丹後ブルー”の作品9枚が展示されています(私が携帯の写真設定を変えられず、上の写真では6枚のみが写っています)。
友禅で模様を描く訳でもなく、刺繡や箔を置く訳でもなく、青の濃淡のみで、これだけ表情が違うきものを生み出せることの素晴らしさ。一緒に出かけた着付け師の奥泉智恵さんと、「私はあのきものが好み!」「私はこっち!」と盛り上がりました。
ちなみに、私の好みは、写真・下段左の淡いブルーの一枚です。もう一枚、上段左の粋な一枚も、黒の帯などを合わせて着てみたくなります。
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↑そんな小林さんの作品の前で、一昨年、一緒に丹後を旅した、きもの友だちのFさんとばったり会えたので、パチリ。
Fさんのきものは、まさに小林さんの作品。そう、青だけじゃないんです!焦げ茶と墨黒の間のような色をメインに、時々グレーが入り…何ともしゃれた一枚ですね。帯は同じ丹後の「登喜蔵」さんの紬帯。椿染とのことでした。
私は、小豆色の毛万筋の江戸小紋に、祖母が染めた蝶の柄の塩瀬名古屋帯を。この帯は毎年3月から5月に締めていますが、時々知らない方に「素敵な帯ですね」「写真を撮らせてください」などと声をかけられます。昨日もお一人に声をかけられたので、快諾。祖母もきっとあちらで喜んでいることでしょう。
そんな帯周りの寄り写真をうっかり撮るのを忘れてしまったのですが、帯〆は「道明」の高麗組、帯揚げは「ゑり正」のぽつぽつと七色の小さな絞りが散る一枚を入れています。自分としてはとても気に入っているコーディネイトです。
奥泉さんとも話していたのですが、小豆色の江戸小紋は、三十代から六十代ほどまで着用出来、お得な一枚ではないでしょうか。もっと赤に転ぶとせいぜい三十代まで。紫に転べば五十代以上がふさわしい。小豆色はどの年代にもしっくりと調和する不思議な色だと感じます。
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↑会場の一角には、葛布、藤布、大麻布、アイヌのアトゥシなど、「自然布」で織られたきものや帯を展示したコーナーもありました。どれも一級の品ばかり。撮影不可のものが多く、ほとんど紹介出来ないのが残念ですが、ここも必見の展示です。
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↑さて、一昨日の一番の目当ては、こちら。ステージで、公家男性の正装である「束帯」の着付けショーが行われました。改元の今年にふさわしいプログラムです。
実は私は武家の服飾好きで、特に直垂(ひたたれ)という装束が大好きな“直垂萌え”です。公家の装束にはいま一つ関心が薄く、これまでに何度も書籍で各アイテムや着装順を勉強してきたのですが、すぐに忘れてしまうのです。
しかし、今回は、愛知文教大学准教授の畠山大二郎先生の解説付きで、実際に目の前で着付けをしてくださる、ということで、どうしても見たくてやって来ました。
驚いたのは、上の写真の通り、解説の畠山先生(右)まで「直衣」という公家の服装で登場したこと。
↓下の写真が、「束帯」の着付けが完成した姿なのですが‥
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後ろに引きずっている「裾(きょ)」の部分は六尺。畠山先生曰く「僕の好みの長さで作りました」とのことで、先生のおたくぶりが垣間見え、ほほえましいのです。
ちなみに六尺は、「大納言」の地位に許された長さとのこと。さらに上の位の「大臣」となると、もっと長くなるそうです。たくさんの豆知識が散りばめられた解説がとても面白く、大満足のプログラムでした。
           *
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「東京キモノショー」を楽しんだ後は、甘党が日本橋に来た以上、行かねばならぬ場所があります。やはり甘党の奥泉さんと、「鶴屋吉信」の寿司カウンター、ならぬ“上生菓子カウンター”へ。まるで寿司店のように、目の前で菓子職人さんが上生菓子を握って?くれるここには、ブログには上げていませんが、これまでに何度も訪れています。お銚子一本で寿司を数貫さらりとつまみ風のように去って行く池波正太郎のように、上生菓子を抹茶で頂きわほわと立ち去るわたくしなのです。むふふ。
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↑さて、一昨日は、「花水木」を頂きました。こなし製に白あん。ああ、私の最も好きな組み合わせです。一人で来ると「コハダをもう一貫」というかんじに実は二個、三個と食べたりしてしまうのですが、一昨日はぐっと抑えました。
そして、日の落ちた日本橋をお散歩すると、どの店のショウウインドウにも「令和」の墨書きが飾られ、五月の風が心地よく。江戸時代と変わらぬ日本橋川の流れを眺めていると、心から、戦いのない、平和な時代が続いていくようにと願わずにはいられません。
そして、災害の多いこの国で、ただ災害が起こりませんようにと無力な赤子のように願うのではなく、避けられないその災害の被害を最小限に食い止める知恵と準備を怠らない自分でありたい、そういう社会を作って行く責任があるのだということを、改めて、胸に戒め、日本橋の街をそろぞ歩いたのでした。
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