西端真矢

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あじさいの花再び咲く 2024/06/16



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三年間、花をつけなかったあじさいが、今年また咲き始めた。
それも今までにないほど多くの花をつけて枝がしなり、土にこぼれそうなほどに。

もともとこのあじさいはとても元気な木で、人の顔ほどもある大きな花をつけたこともあったし、すっきりとした青の色が好みだから、毎年六月を楽しみにしていた。
それが三年前、不意に咲かなくなってしまった。若い小さなつぼみがちらほらあったのにそれ以上育たず、そのまま葉に埋もれて終わってしまった。
おととしと去年はそのつぼみさえつかず、がっかりと六月を見送るしかなかった。何が原因だったのか分からない。虫がついて葉を食い荒らされたわけでも、隣り合った木の日蔭になったわけでもない。土もいじっていなかった。

もちろん、植物にも寿命はある。
たとえば私が物心ついた時にはもう大木だった庭の二本のもみじの木の一本は、六年前に立ち枯れ始めた。家族の一人のような木だったから悲しかったけれど、倒れる危険性を考えれば切り倒すしかなかった。
けれどこのあじさいの場合は、葉は生き生きとしていて枚数も大きさも普通の年と変わらない。むしろとても健康そうに見えるのに、花だけがつかないのだ。そんな例を見たことがなかった。

そのあじさいが、今年、再び咲き始めた。
どうして今年は咲くことにしたのか、それもまったく分からない。周りの草花を抜いて栄養が行き渡るようにしたわけでもないし、むしろすぐ隣りの車輪梅の木が今年は狂い咲きと言うほどに咲いて、ああ、養分を吸い取られた、今年もまたダメかと案じていたくらいだったのに。

機嫌を直した、とでも言う他ないが、あるいは、あじさいはちょっと疲れていたのかも知れない。毎年毎年どうしてそう律義に花をつけなきゃいけないの?花をつけるって大変なのよ。私だって少し休みたい時もあるわよ。
そんな風にほっぺたをふくらませて言う声が聞こえて来る気がする。私もこの数年人生に大変なことばかりが続いたから、分からないでもないのだ。そう思って見ていると、あじさいの丸い花がどれもぷっとふくれた頬のように思えて来る。

とにかく、あじさいは再び咲き始めた。来年はまたご機嫌ななめかも知れないが、それでも構わない。気まぐれに咲いたり咲かなかったり。そんなわがままな木もかわいいではないか。