西端真矢

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「美しいキモノ」連載「美の在り処」今号は「帯源」さんを訪ねました。 2023/12/08



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「美しいキモノ」での連載「西端真矢が訪ねる 美の在り処」、病気治療のため休載していましたが、再開致しました。
今号で訪ねたのは、浅草の老舗「帯源」さん。長年取材してみたいと思っていたお店で、今回、私から編集部に強く提案して取材が実現しました。

帯源さんと言えば、男物の博多織角帯「鬼献上」で有名です。
「鬼献」の愛称で親しまれ、私も歌舞伎、日本舞踊、邦楽など伝統芸能分野の方々、また、東京の老舗の旦那衆の取材で「鬼献は別格」「毎年一本は買っている」などという言葉を何度も耳にして来ました。

一体何がそれほど良いのだろう? 他の博多角帯と何が違うのだろう?
そのような素朴な疑問を解き明かしたいと武者震いで浅草に向かい、店主の高橋宣任さんと対話を繰り返す中で、今回史上初めて鬼献誕生の原点までたどり着くことが出来ました。これは近現代服飾史において一つの大きな成果になったと自負しています。

今回の原稿をとても気に入っています。
それは、上記したような服飾史上の成果に加え、この連載で探し当てようとしていること、名店と言われる店々の好み、美意識は土地の美意識と不可分に結びついているはずだ――という、実は連載当初から持っていた問題意識を特にはっきりと文章に刻むことが出来たからです。

浅草という江戸時代以来の特異な街。いや、本当はどの街もみな特異で、それぞれの成り立ちを持っている。その中からまるで麹が醗酵するように知らず知らずと育まれて来た好みを具現化出来た店こそが、名店と言われるようになるのだ――
そのようなパースペクティブを、この連載ではこれからも追究していけたらと願っています。
今回は、文体も、本来の私自身の文体よりもほんの少しシャキっと歯切れ良い下町風に寄せて書くことを試みました。どうかそんなところもお楽しみ頂けましたら幸いです。