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マイファースト体組成計 (2025/12/20 )
クロワッサン連載「着物の時間」発酵料理家 清水紫織さんの着物物語を取材しました (2025/12/14 )
打ち上げ会 (2025/12/01 )
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猫の形見を譲る 2025/12/30
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12月に入ってから東京はずいぶん寒くなって、今年の初めに逝ってしまった猫のチャミのことをとりわけ思い出す。
チャミは子猫の頃から私の膝の間に入るのが好きで、特に冬には私が和室で仕事をするのを待ち構えどかりと7キロ越えの体重で乗って来た。そのままぷすぷすいびきをかきながら寝たりしていたから、今は膝があまりにも軽くて、それで泣いたりしてしまう。
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チャミは私の膝の他にもたくさんの寝場所を持っていた。
この間数えてみたら夏冬合計で23か所!もあって、時間帯や気分次第で細かく場所を変えていた。
その中で、夜の時間帯の気に入りの一つが私の仕事部屋の机の下に置いた猫ベッドで、吉祥寺の「ネコセカイ」オリジナルを何代も買い替えて愛用していた。
昨年秋の終わり、12月に入った頃から、チャミはだんだん左わきのがんが外から分かるほど大きくなって、その腫瘍に障るのか、私の膝にはまったく乗らなくなってしまった。そして一日の大半をその猫ベッドで過ごすようになった。
ところが写真の通りこの猫ベッドは屋根のないタイプだから、病人のチャミには寒いのではないか。そう、急に心配になってネット通販で三角形のドーム型ベッドを注文したけれど、何が気に入らないのかまったく入ろうとしなかった。それでもう一つ、少し大きめの楕円形のものを注文してみると、そちらにはごくたまに入ってくれた。
そうやって、机の下に二つのベッドを並べて、けれど大半は屋根なしの方でうとうとしながらチャミは最後の数週間を過ごした。
相変わらず保温のことが心配な私は机の一部を大きなラグで囲うことを思いついて、そうすると私自身は端に追いやられて窮屈にPCに向かうことになったのだけれど、もちろんそんなことは構わない。仕事をしながら時々覗き込むとチャミはいつも顔を上げて見返してくれた。体がつらい時にも私の気配をすぐに感じとってくれる、繊細でやさしい子だった。
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そんなチャミの形見の猫ベッドを友人に譲ることにした。
インスタグラムでの投稿「昭和の暮らし帖」が大人気の染織研究家、吉田雪乃さん。
実は、チャミは我が家に遊びに来る友人の中でも特に雪乃さんが好きで、その雪乃さんのところのきんたさんとまるおさんに譲るなら、喜んでくれる気がした。あまり使わなかった楕円のベッドとまったく使わなかった三角ベッド。最後までチャミがメインの寝床にしていた屋根なしベッドは今もそのまま机の下に置いている。
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送った結果は大成功だった。届いたその日から二匹の間で取り合いのケンカが始まり、意外にもチャミが見向きもしなかった三角の方が人気らしい。
そして、熾烈な陣取り合戦の結果、お兄ちゃんのまるおさんが三角、きんたさんが楕円に落ち着いて、でも、まるおさんは時々楕円にも入り込んで「こっちも本当は僕のだぞ」と威嚇活動をしているという。夜は雪乃さんのお布団で眠る二匹だけれど、日中はかなりの時間を入ってくれているそうで、やはりお譲りして良かったと思う。
上の2枚の写真は、チャミの最後の夏の初め、雪乃さん、そして、着付け師の川口恵美子さんとチャミが交流しているところ。何とこの時二人は我が家の和室の壁を塗り替えに来てくれて、チャミは興味津々で何度も見学に行っていた。
雪乃さんは、憧れのお姉さん。川口さんはお友だち。そんな気持ちで接しているのが見ていて分かった。二人にあれこれ話しかけてもらい、ニャーニャーとチャミも何か意見を言って。この後すぐに始まる夏の日差しのようにキラキラした時間だった。
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そんな雪乃さんの家にベッドが到着したその日、不思議なことがあった。夜9時頃、きんたさんとまるおさんが二人して、急に家中を走り回ったというのだ。
もちろん、猫飼いなら、猫が時々そういう謎の興奮状態に入ることを知っている。ましてや多頭飼いとなれば、こちらが見ていないところでじゃれ合った勢いが余り走り回ることもあるけれど、その夜、二匹は居間に駆け込んで来て、そして窓の障子に向かってふー!ふー!と背中を丸くしたというのだ。
これは猫の威嚇のポーズで、虫でも来たのかな?と雪乃さんはわざわざ見に行ったけれど、何もいない。つまり二匹は見えない何かに向かってふーふーしていた訳で、しかも二匹同時はかなり珍しい現象だということも、猫飼いなら理解して頂けると思う。
だから、その時、チャミが遊びに来ていたのじゃないか。
そう、二人で話し合っている。自分のものだったベッドが憧れの雪乃さんのお家に行って、どんな子が使っているのか、チャミはきっと好奇心を持ったのだろう。そうしたら知らない猫がいるのに驚いたきんさんまるさんにふー!とされてしまい、チャミはおとなしい子だったから、困ってしまってちょっと垂れ目になっている姿が目に浮かんで来る。きっとそうだと信じている。
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仏教では、死者は、馬に乗ってこちらの世界に帰って来るという。猫は何に乗って来るのだろう?
猫のことだから好きな時にぷんと尻尾を振れば、もうこちらに着いているのではないか、そんな風に思ってみたりする。そう言えば時々確かにチャミの気配を感じることがあるのだ。膝の間、ソファの、クッションではなくわざわざ背もたれの上、洋服ダンスの鞄の箱の後ろ。そうやって23カ所の気に入りの場所でうとうとしながら、チャミは私を見つめてくれている。そう信じて生きている。
マイファースト体組成計 2025/12/20
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子どもの頃、一番嬉しかったクリスマスプレゼントは〝リカちゃんハウス〟だった。
家型の外見で左右に開き、右がリビング、左が寝室で、家具も付いていた。確か両方の部屋をドアで行き来することも出来て、リカちゃん人形はもちろん、かばのクウちゃんとねずみのネズちゃんのぬいぐるみの家にも見立てて、何年も何年も憑りつかれたように遊び続けていた。
それから40年以上の月日が流れた今年、50代半ばの私が自分へのクリスマスプレゼントに購入したのは体重計だ。
こんなことを書くと多くの方の反感を買うかも知れないが、生来痩せ体質の私はどれほどお菓子を食べても太ったことがなく、これまで体重計に無関心で生きて来た。家には亡き母が使っていた体重計があるが、まったく使用しないため、ほこりまみれになっている。そんな私が今回、人生で初めて〝マイ体重計〟を購入した。
正確には体重計ではなく〝体組成計〟と言わなければならない。
恥ずかしながらそのような電子機器があることも、ついこの間まで知らなかった。
一応私のような知識ゼロの方のために説明しておくと、体重はもちろん、体脂肪率、BMI、骨格筋率、基礎代謝量などの多項目を乗るだけで瞬時に計測してくれる。私は特に〝骨格筋率〟を知りたくて購入を決めたが、それは、ファッションデザイナーの横森美奈子さんの影響による。
横森さんはがんサバイバーの先輩で、SNSへの投稿を日々私は熟読している。
特に共感するのは、がんや老いという負の人生イベントを、がっくりと悲観するのでもなく、かと言って私の最も苦手とする〝前向き病〟の人たちのように「がんは人生からの贈り物です!」などと引きつり笑顔で無理筋ポジティブにとらえるのでもなく、地震や台風と同じ、人生に避けられない災厄として、どう対処するのかが最有効かと考える現実路線の向き合い方に大変学ぶことが多い。
その横森さんが体組成計で日々筋肉量を確認されていると知って、すぐさま真似に走ってみたのだった。
横森さんもそうかも知れないが、典型的な文系人間の私はスポーツにまったく関心が持てず、何一つワークアウト的なことをしていないし、したくない。そんなことに時間を使いたくない‥‥というようなことをのんきに言っていられるのは、40代まで、と実感している。これは、家での転倒から一気に寝たきりになった母を介護した経験から悲しくつかみ取った、言わば〝体感〟だ。
筋肉。特に足の筋肉。それが人生の後半戦に決定的に影響する。精神論ではどうにもならない。自立して、自分らしく生きていくためには即物的に、現実的に、足。足にしっかりと筋肉がついていなければならない。高齢者になってからあわてても手遅れだから、50代の今から鍛え続けなければらない。そのためにはまず自分の筋肉量を把握しなければならない‥‥
‥‥という訳で、体組成計である。
計測してみると、幸い、現在の私はどの数値も標準内におさまっている。
相変わらずの痩せ体質で、体脂肪率は標準値の中でも最低域。甘いものが欠かせず毎日大量のお菓子を食べまくっているのに何故?
しかし、太らないのは良いとしても、万が一大地震で遭難などしたら体内に余剰栄養が何一つないことになる‥‥などと本題に外れたことに思いをめぐらせたりもしつつ‥‥
今回、購入の際に絶対に外せないと考えたのが、計測値をBluetoothで携帯アプリに送る機能だった。
この機能の特に優れた点は、日々の値の移り変わりを携帯上にグラフ化して表示してくれることだ。私のような現実路線派の人間にとってはぴょんと飛びついてしまう機能で、実際、毎日グラフを見て悦に入っている。もやもやと抽象的だったものが見える化されていることが、ただ無条件に嬉しいのだ。
機種は、エレコム社のECLEARを購入した。
くすみカラー好きのため、本当は別のメーカーのベージュ色のものがほしかったのだけれど、Bluetooth機能がなく、第二選択肢だった墨色のこちらを択んだ。
そして、本来、このような機器は洗面室に置いておくものだと分かっているけれど、もの珍しい今は仕事部屋に堂々と置いて、日に何度も乗ってみるのが楽しい(まったく意味のない行為)。しばらくはこのままにしておこうと思う。
最新機種ではなく、型落ちのため、わずか4千円ほど。安上がりだけれど50代には必須の、実り多きクリスマスプレゼント。皆さんは今年、どんなクリスマスプレゼントを求めたのだろう?
クロワッサン連載「着物の時間」発酵料理家 清水紫織さんの着物物語を取材しました 2025/12/14
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マガジンハウス「クロワッサン」誌での連載「着物の時間」、今月は、発酵料理研究家、清水紫織さんの着物物語を取材しました。
神楽坂で料理教室を主宰し、発酵に特化した料理研究家として活躍する清水さんは、独立する時「人前に立つ時は常に着物を着る」と決めたそう。
自身を表すツールとして着物を利用するという、戦略的なあり方。そして、ご両親ともに着物に関わる仕事をされていたという〝ナチュラルボーン着物人〟な生い立ちもお話し頂きました。
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上の写真は、先日、新著「やみつき発酵つまみ」の出版パーティーにお招き頂いた時のもの。清水さんはこの日ももちろんお着物をお召しです。
私は清水さんのお名前の紫にちなみ、紬地に紫の染料で花模様を染めた帯を締めてみました。着物は大好きな格子模様をドングリやリンゴなどで染めた草木染の伊那紬です。
写真にも写っている数々の発酵おつまみの美味しかったこと!
おつまみのレシピ本ですが、献立に一品加えるお惣菜レシピとしても大いに役立ちそう。料理下手の私ですが、しょうゆ醬(ひしお)にも挑戦する予定です。
ぜひ「クロワッサン」「やみつき発酵つまみ」、ともにご高覧下さい!
清水さん、楽しい取材とパーティーをありがとうございました。またご一緒しましょう☆
打ち上げ会 2025/12/01
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今週はむら田さんのご家族に本の打ち上げ会にご招待を頂いた。
あき子さんのご逝去後「染織工芸 むら田」七代目店主となられた次男の寛次さん、長女の容子さん、そしてKADOKAWA編集の郡司さんの四人で。
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お店は銀座六丁目の「田中屋」さん。
あき子さんが折々訪れていたお店で、本の中でも「銀座お昼ご飯事情」の章で言及している。店内で使われている布巾も、むら田さんが染めて納めたもの。
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私はこの日も、あき子さんに見立てて頂いて誂えた唐花模様の帯を締めて。今回は泥大島に合わせた。
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前回の投稿の折には、上の写真のように淡い色合いの結城に合わせたから、今回は辛い系統のきものに合わせてみたのだけれど、どちらにも映えるのは、さすがはあき子さんのお見立てだと感じ入る。
ブルー系のきものにもきっと合うだろうし、春先には玉子色にも合わせてみたい。名古屋帯とは言え上質な地風のため、かなりきちんと感もあり、とてもとても出番の多い帯になる予感がする。
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そして、この日、お二人から「本の記念に」とあき子さんのお形見を頂戴した。
まこと織物のよろけ織り地に、和更紗の端切れを切り嵌めたもの。
まさにむら田調、あき子さんそのものの帯で、何度かお召しになっているのも拝見したことがある。
このような貴重な帯を頂けること、何てありがたいことだろう。部屋に広げてしみじみと眺めていると、あき子さんがすぐ前にいらっしゃるようで涙ぐんでしまう。
更に、もう一枚、あき子さんが、生前に「本が出来たら西端さんに差し上げて」と用意してくださっていた夏の麻きものも頂き、そちらはまた時季が来たらご紹介しようと思う。
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振り返れば、取材期間中、あき子さんはぽつり、ぽつりとしかお話をされない方だったため、取材者の私としては「本の材料が揃わない!」と非常に苦労をして、時には恨めしく思ったこともあった。
けれど、あき子さんのお心はもっとずっと大きかったのだ。今はただただ、もう一度だけお会いしたい‥‥。そんな風に、決してかなわないことを思ってみたりする。
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そんなあき子さんの思い出話を、この日は四人で様々に語り合った。きっとお空の上でくしゃみを連発されていただろう。
二年強の時間をかけて取り組んだ仕事だったため、なかなか「終わった」という実感を持てずに過ごして来たけれど、ようやくこの日で、私の中でも本当に区切りがついたように思う。
また次の企画に向けて歩き出さなければ。
帯を眺めながら、そんなことも考え始めている。